8月15日
酸化防止剤が悪だという誤解
SO2という物質はワイン酵母(サッカロミセス)が発酵を続ける過程で、高いアルコールと他の微生物(キラーファクターと呼ばれます)から自分の身を守る為に作り出します。その量は人間が感知できないほど微量ですが、それでもSO2として存在します。そういった意味ではワインである限り亜流酸塩は必ず含まれています。
最近、よくFacebookの広告などで、酸化防止剤が二日酔いの原因だとか、酸化防止剤無添加ワインがいいだとか、酸化防止剤を除去するグッズという詐欺まがいの商品とかを見かけるのですが、そのような根拠のないことを平然と言っているブログや広告に一石を投じたいと思います。
ワインの酸化防止剤、亜硫酸塩とは?
酸化防止剤が二日酔いの原因という誤解
酸化防止剤について検索すると、あちらこちらで酸化防止剤が身体に与える影響がどうとか、二日酔いの原因だとか言っているブログを見かけます。シャクなのでリンクは張りません。
まず、ワインに入っている酸化防止剤の多くは二酸化硫黄という物質で、亜硫酸塩とラベルに表記されます。
よく、「安いワインは酸化防止剤が入ってるから次の日二日酔いになる」という話を聞きますが、スーパーで500円で売っているワインだろうと、100万円以上するロマネコンティだろうと、シャトーマルゴーだろうとムートンだろうと、白ワインだろうとほぼ全てのワインにほぼ同じくらいの酸化防止剤が入っています。
酸化防止剤が入っていないワインは「酸化防止剤無添加」と書かれたワインのみといっても差し支えないでしょう。(有機や無農薬、ビオなどといったものにも普通は酸化防止剤は入っています。)
酸化防止剤の添加量に関しては法律で厳しく規定されていて、人体に影響ないごく少量です。(ただし、喘息などの気管に持病のある方は過敏に反応するようなので注意してください)
そして、酸化防止剤と二日酔いを関係づける科学的根拠はありません。二日酔いは酸化防止剤とは全く別のことが原因です。
安いワインは二日酔いして高いワインは二日酔いしない理由
これは完全に僕の持論ですが、飲み過ぎなだけです。
安いワインは飲みやすく、どちらかといえば酔うために飲むようなケースが多いと思います。宴会などでみんなでワイワイ騒ぎながら、味をあまり気にせずガブガブ飲むようなものは安いワインのはずです。
対して高いワインは値段のせいもあり、良く味わって飲む場合がほとんどだと思います。決してガブガブ飲んだりせず、味わいながら仲間と話をしながらゆったり楽しんで飲むでしょう。そうなると絶対的に飲む量が違います。そもそも高いワインを一日にそう何本も飲めないでしょう(金額的な意味合いも含め)。
単純に安いワインは飲むペースも速く、飲み過ぎているだけというのが僕の持論です。
ワインを飲むと頭痛がするのは?
ワインを飲んで頭痛がする人は、たいていは白ワインは大丈夫で赤ワインだと頭痛するという人が多いです。
この時点で酸化防止剤が関係ないのは明白ですが(白ワインにも酸化防止剤は入っている)、原因は赤ワインに含まれるヒスタミンが原因だと考えられています。このヒスタミンに敏感な体質の人が、ある程度の量を摂取すると血管拡張などの反応が起こり、頭痛を引き起こすようです。
ヒスタミンは発酵の工程で発生し、白ワインと赤ワインでは発酵の工程が違うため、赤ワインに多く含まれます。
酸化防止剤は何のため?
名前の通り酸化を防止するためのものですが、それよりももっと重要な役目が「殺菌」です。
ワインの元となるブドウは農産物です。最近では有機栽培や無農薬などを売りにしている生産者もあります。そして農産物には多くの雑菌(微生物)がついています。
野菜を食べるとき、生野菜は良く洗ってすぐに食べますし、温野菜は洗ってから熱を加えます。良く洗ってすぐ食べれば雑菌は少ない状態で食べられますが、熱処理しないで常温で日が経ったものを食べれば、普通はおなかを壊すか食中毒になるでしょう。
そういった雑菌を殺すことが一番の目的です。(なんで酸化防止剤という名前なのかはわかりません。殺菌剤だともっと毒っぽいから?)
もちろん、農産物のブドウですから、リンゴを切って放置しておけば黄色くなるように、ブドウも酸化による劣化はありますので、酸化を防止する役目もありますが、酸化防止剤は添加してから徐々に違う無害な物質に変化し、数ヶ月でほとんど酸化防止の役目を果たさない量になるようです。
なので私達が飲む頃には、酸化防止剤はボトルにほぼ存在しないので、酸化防止剤をなにかの犯人にすることは冤罪だということですね。
ちなみに最近ワインの酸化防止剤を取り除くという商品が話題になっていましたが、もともと飲む頃には存在していないので、ほぼ詐欺まがいの商品だと言えます。
酸化防止剤無添加ワイン
じゃぁ酸化防止剤無添加ワインなんて意味ないんじゃないの?となりますが、半分くらいは酸化防止剤を悪とした誤解を利用した、マーケティング商法だと思っています。
マジメに取り組んで努力している生産者もいるかもしれないので、「半分くらいは」という言い方をしていますが、必要なものを使わないのだから普通のワインより良いものができると考えるのは難しいです。
まず、雑菌と酸化は無視することはできないので、何らかの形でそれに対応します。
たとえば酸化しやすい成分を取り除くとか、熱処理やフィルターにかけ、殺菌やワイン中の酸素量を減らしたりします。
つまりは化学製品ですね。
亜硫酸を添加しないことによって、それ以上の科学的な行為をしているという、本末転倒なものという印象しかないので、僕は酸化防止剤無添加ワインをほとんど飲んだことがありません。(1回くらいはあります)
酸化防止剤は美味しいワインには欠かせないもの
ということがわかってもらえましたでしょうか?
酸化防止剤は大量にとればもちろん有害ですが、ワインに含まれている量では(特定の疾患を持っている人を除き)全くの無害で、美味しいワインを造るために必要なものだから、ほぼ全ての生産者が添加しています。
酸化防止剤の影響を心配するくらいなら、飲み過ぎによるアルコールの影響を心配しましょうね!
いっちゃんさんのコラムからお借りました。
8月14日
第9条の足枷
あえて卑近な言い方をする。雄が雌を護らなくなった種族は死に絶える。他の種族のオスに守ってもらっていると、その種族に乗っ取られる。
日本の存続にとって危険極まりない第9条の枷は、アメリカにとって、「太平洋はアメリカの池」「日本はアメリカのモノ」という事実を確立した偉大な業績の証である。
「自衛」を放棄する国が、この世の中に存在するとは......。
占領後、日本の最高裁判所が「自衛隊は違憲でない」と仄めかしているが、そのような軽薄なこじつけ論理で日本国を司ろうとしている日本政府と司法界が、日本をいじけた弱者にしている。
無抵抗の罠
第9条を生んだ「精神」は、自己防衛のための武力も禁止したのだ。
無抵抗(第9条)が最も有効な防衛手段であると唱えた勝者マッカーサーの譫言を盲目的に信じ込んだ吉田首相と日本国民は、平和を心より望んでいたのだろうが、あまりにも無邪気であった。
その場凌ぎの目先勘定だけで逃げ切ろうとしたのだろう。
その「逃げ」のツケを、既に半世紀以上も日本国民は支払わされている。
二枚舌外交
第9条の下、平和教育を受けた日本の政治家たちの指導者としての評価は、彼等がいかにアメリカの国益に日本の政治・経済を擦り合わせることができるかで決められている。
アメリカを怒らせず、日本国民にはアメリカの国益どおりに動いていないと見せかけながら、アメリカに隷属を続ける才能が、戦後日本でリーダーシップとして高く評価されている。
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。 同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
http://www.prideandhistory.jp/book-archive/book1/last/000615.html?mkt_tok=eyJpIjoiWmpSa1lUaGpNV05tTlRGaiIsInQiOiJma3hYTUxseFh6Vm5vWHRtMWFYSW9mUzMzVnJKRlhCelhQMUVLcmpYR2d1NW1zXC9CS3VIcnNEQmNPWDNHUVBHdENqZFdESmtCTGJqeXA3QldsNjIzd2dHMFF5MVRQUmE5UTVXaDhTNnpWNGpnekprWTFBa0lcL2xORWVRbjQ4RTBDIn0%3D
ダイレクト出版さんよりお借りしました。