世界の要人をサポートする丸谷氏の日本への警告です。
すこしでも、多くの人に真実をしってもらえたらと載せました。
 有料で買った内容です。ダイレクト出版さんからお借りしました。

「謀略・洗脳・支配」 世界的企業のテロ対策のプロが明かす… 知ってはいけない「世界の裏側」
<目次>


〜はじめに〜

第1章(世界の現実を忘れてしまった日本人)


インテリジェンスとインフォメーションの違い -

謀略アレルギーに陥った日 本人 1 -
「国益のためなら手段を厭わない」・・世界の現実を見よ -
「通貨」を抑えた者が世界を制す


第2章(大衆の道徳心を利用する国家の思惑)

「ジャンヌダルク症候群」・・人権活動家、民主活動家の闇 - 夫はイギリス情報機関のスパイ?
アウンサン スーチーの正体 -
プロ並みのスピーチをこなす10代の少女「マララ」を支えるやり手の広告代理店 -
ビンラディンの死をリークしてしまい突然死したパキスタンのブット首相 -
「No」とは言えない人道的な話こそ注意せよ -
「人道支援団体の闇」アメリカ人美人ジャーナリストの謎の死 -
「国境なき医師団」創設者とテロリストの黒い関係


第3章(戦争プロパガンダの手法)

権威・ブランドに異常なほど弱い日本人 -
「教科書教育の大罪」大企業幹部の低すぎる情報リテラシー -
ナチスドイツ、旧ソ連、GHQ…
今なお続く「映画」を使ったプロパガンダの実態  -
「9.11同時多発テロ」とそれを暗示していた映画 -
第二の「真珠湾攻撃」と噂されたセンタービル攻撃 -
大衆の思考能力を奪うメディアと情報操作 


第4章(全ては武器になる)

銃やミサイルだけじゃない…食糧・資源・水を使った間接攻撃 -
いつの間にか消えた日本の食料自給率UPキャンペーンとTPPの出現 -
イルカ、鳥、虫… 米国が開発を進めるドローン兵器の実態  -
ベトナム戦争で使われたアメリカ海軍の「気象兵器」 1
- 「エボラ出血熱」ウイルスは生物兵器なのか?
オウム真理教が探し回ったウイルス -
黒人のDNAだけを食い尽くす
恐怖の「南アフリカ沿岸計画」 -
米国:特殊部隊を使った暗殺作戦の実態 -
まるでカードゲームのように暗殺を行う米国の”ドローン爆撃” -
日本を永久に隷属化しようとした「TPP条約」


米国の本当の狙い -
4,000ページを超える英文の契約書に隠された恐るべき条項 -
ある日突然、盲腸の手術が数百万円の請求に?


第5章(日本の分断統治)


欧米が得意とする植民地支配の常套手段「分断統治」 -
なかなか進展しない「北方領土」問題の謎 -
米国が「竹島問題」に積極介入しない理由 -
「尖閣諸島問題」を作り上げた犯人  -
尖閣有事でアメリカは来てくれるのか?
手玉に取られ続ける日本の高官たち… -
中国の軍拡・暴走で儲かる人たち -
経済発展を続ける日本を封じ込めたかった米国の思惑 -
日米安保の裏で密かに繋がっていた米国と中国 -
北朝鮮の核技術が急速に進んだ本当のワケ? -
失墜する大手メディアの信用… 高まるインテリジェンスの必要性 〜
おわりに〜 40ページ - インテリジェンスの高い視点を持つための「3つの鉄則」 - 世の中には常にオモテとウラがある
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〜はじめに〜
 この講演録では、「知ってはいけない”世界の裏側”」というテーマで、現代の世界のどこかで 起こっている戦争やテロ・事件などのニュースの裏側を紐解き、
普段は決して表に出てこない 国際政治の真の姿をあなたにお伝えしたいと思います。
ここでご紹介するお話は、決して日本のTV・新聞などのメディアでは報じられないようなも のばかりであり、
にわかには受け入れがたい、時にショッキングでさえある話もたくさん出 てきます。
もちろん、これらの話を披露すると、「また陰謀論か」とか、「国がそんなひど いことをするわけがない」
「そんなことが人道的に許されるわけがない」といった批判的な 意見をもらうことも少なからずあります。
しかし、今日この世界で起きている現実は、多くの日本人の想像をはるかに超える冷徹さと 残酷さを持っており、
単純に良い悪いの話で括れるものではありません。
私がお伝えしてい るのは、基本的にはすべて世界各国の公開情報から導き出したものです。
さらに、必要に応 じて各国の軍関係者や特殊部隊隊員、情報機関や警察関係者などから裏付けを取ることで、
そこから見えてくる真実だけをお伝えしています。
極論を言えば、どの国も結局のところ”自 国の国益が全て”であり、そのためならどんなことでもやるのが国際社会というもの。
これ が世界の現実なのです。 実際、日本も戦国時代には謀略やスパイ活動が日常茶飯事のように行われていましたし、
陸 軍中野学校のように飛び抜けた能力を持つ集団が海外での作戦に従事して活躍していた時代 があったのです。
しかしあの敗戦によって精神的に骨抜きにされてしまった多くの日本人は、 今やそのような世界の現実を忘れて、平和ボケしてしまいました。
それでもここ最近は、こんな状態に危機意識を持ち始めている日本人が増えて来ていること を感じています。
そんな人たちに、自分自身が知り得た世界の現実を少しでも多く知ってい ただきたい。
そうして国際政治の残酷で冷徹な一面を知った日本人一人一人の意識が変わっ て行くことで、日本をもう一度強い国にしたい。
そんな想いから、あえて「知ってはいけな い”世界の裏側”」という耳障りの悪い真実を、これからあなたにお伝えしていこうと思いま す。
しばらくの間お付き合いください。

丸谷 元人


第1章(世界の現実を忘れてしまった日本人)

インテリジェンスとインフォメーションの違い  

 まずはじめに、皆さん、インテリジェンスとインフォメーションの違いというのはお分かり でしょうか?
 インフォメーション情報、インテリジェンス情報と言いますが、インフォメー ションというのは形のないものをフォームをするということ。
物事をフォームしてインフォメー ション、まとめていくというインフォメーション=情報という意味だと思いますが、
情報とイ ンテリジェンスの違いは、そこにちゃんとした分析とか知恵が入っているかということなんで すね。
 例えばりんごが1個100円である。この店ではりんごが1個100円である。隣の店では120 円である。
これは情報なんですが、それを見比べて、写真を見比べて実際に触ってみた結果、 120円のほうが高いけれども、
こちらのほうが価値があるというふうな判断をするのがイン テリジェンスなんですね。
100円だけど120円のほうが高い。だから100円の方を買いましょ うという短絡的な判断をしてしまうのはインフォメーションにすぎないということです。
と ころが、日本において、多くの日本人の「情報収集」というのは、ほとんどがインフォメー ションの寄せ集めではないかと思っています。
 例えば政府が、邦人が誘拐されました、もしくは殺害されましたと発表するときに、必ず 「情報収集を命じました」というふうに言います。
それしか言いようがないのは確かなんですが、情報収集というのは決してインフォメーションを集めるだけではなくて、そこでイン テリジェンスを行わなければ、
やっている意味がないわけなんですね。
そして、じゃあ、そ の情報収集をしなさいといった結果、分析はどうしたんだというところまで本当にできてい たのかどうかというところが分からない。
その分析の情報収集をした結果、何が得られたの かという成果も、ほとんど発表されることはないわけなんですね。
 例えば、発生からもう何年も経ちましたが、シリアで日本人の方2人がイスラム国によっ て斬首され、殺されてしまうという痛ましい事件がありました。
これに対して情報収集をし ましょうといったところで、では次に同じことが起こらないようにするにはどうすればいい のか。
もしくは、なぜ起こってしまったのかというインテリジェンスにつながっていない。
 結果として、ではシリアに行こうとする日本人のジャーナリストからパスポートを取り上 げようとか、
トルコ国境からシリアに行こうとする日本人を止めましょうとか、その程度の 対策なんですね。
イスラム国の連中がいったいどういう意図をもって、もしくはどういう人 たちで、なぜ斬首という発想になったのか。
この事件の根本は何なのかというインテリジェ ンスがわれわれにはないのです。
恐らく政府も分からないのだと思いますが、そもそも分か れというのが、実は難しい、酷な話でもあります。
 なので、今回の講義を通じて私が皆さんに本当にお伝えしたいことは、もう時代が完全に 変わってしまったということなんですね。
そうして時代が変わってしまった中で、新しい状 況に対応するためには必ずいくつもの試行錯誤を伴います。
その中で、次に失敗しないため にどうするか、もしくはなぜ起こったのかというインテリジェンス、つまり分析の蓄積は非 常にこれから重要になってきます。
 しかし、これにはなかなか、こうすべきという明確な答えというものはありません。
あり ませんが、答えが出ないからといって、じゃあ、やらなくていいのかということではないん ですね。
その中で、ある分析は失敗かもしれない。ある分析は成功するかもしれない。
そう いう実験を何度も重ねていって、日本政府とか、それから国民全体、社会全体、もしくは企 業の中で、それらを地道に蓄積していくこと。
それが幾つもの試行錯誤を経て、組織や国家 政府の強さにつながっていくという風に考えています。  
本当に最近「インテリジェンス」なる言葉がちまたにあふれ始めて、あたかも何かスパイ とか、何か「007」のような、
派手でかっこいいものように思えますが、実は「インテリジェ ンス」というのは地道な作業で、地味な作業になります。
 まず皆さんに心がけて欲しいのは、大手のTV・新聞などのメディアで与えられた報道を パッとすぐに信じ込まないこと。
例えば私の場合、新聞の読み方でも、一面などにドーンと 大きく出てしまうような記事は、ざっと読みますけども、個人的にはあんまり深くは見ない んですね。
それは、今この瞬間の社会もしくは世界のトレンドであろうとしているものであっ て、実際にその裏で起きている真の潮流とは直接関係がない可能性も高いわけなんです。
 私はむしろ、紙面の中にある小さいベタ記事のほうを見るわけです。
気をつけないと見逃 してしまうような小さな記事ですね。すると、例えばそれが1年後、2年後に非常に大きな意 味を持つということが多々あります。
まずはそのようにニュース・情報を見ていくように心 がけていただくと、いろいろなものが逆に見え始めるのではないかと思います。4


謀略アレルギーに陥った日本人


 たとえばのちほどこれもお話しますが、北方領土も竹島も尖閣も、みんな実はアメリカが背後にいたというのは間違いない歴史的事実であります。
このことを私がお伝えすると、たとえ 高名な方であっても、「じゃあ、アメリカというのは悪い国じゃないか!」というふうに反応 してしまうんですが、
これというのは”良い悪いでくくれる話ではない”のです。
 帝国主義的なといいますか、戦後のアメリカの世界支配というのはこういうものであって、
もし日本が仮に第2次大戦で負けずに巨大な帝国を築いていたとしたら、もしかしたら、自分の国益もしくは利益を守るために、
他国に対して似たようなことをやったかもしれないで すよね。
絶対やらないとは言い切れないはずですし、実際に、戦国時代の武将なんかはみん なそういうことをやっているんです。
謀略やスパイ活動は日常茶飯事だったんです。
 ここでの問題は、われわれがあまりにもそのような「謀略」というものを忘れてしまった ということです。
あまりに平和ボケしてしまったので、そういうものを聞いただけで受け付 けられないといって感情的に反応し、見ないようにしてしまうだけなんですね。
 そういう心優しい多くの日本の皆さんをなだめるために、メディアがオブラートに包んで いろいろ情報を話してくれて、
われわれはそれらを聞いて「今日も世の中は平和だ」「少な くとも日本は平和だ」と安心をするわけなんです。
でも、それは例えるなら、砂漠にいるラ クダと同じじゃないかと私は思います。
 ラクダは砂漠を歩いているときに、目の前に毒を持ったサソリが来ると、砂の中に頭を突っ 込むそうですね。
つまり、怖いから見ない、それで目の前の危機をなかったことにしてしま うんです。
なので、これはもうラクダの平和主義と同じなんですね。
現実に危機はそこにあ るんですが、砂漠に頭を突っ込んでいる以上、見えないので、危機はないというふうに思い 込んでしまうわけですが、
それが今の、戦後70年続いてきてしまった、日本の平和ボケの本質ではないかなというふうに思っております。
 そして、その中で力のある国々は、世界中の地下資源などの様々な権益を取るために、謀略を使って外国政府を転覆したりということを行っていく。
最近では、そういった行為を正当化するための”口実”として挙げられるのが「市場原理主義」というようなものですね。
 これはミルトン・フリードマンという有名な学者で、シカゴ学派といわれる方のものです。
「市場原理主義」というのは、つまり企業はもうどんどん利益を追求していけと。
そのこと によって、必ず神の見えざる手が市場を差配してうまくいくんだというような、ちょっと乱 暴な理論ですけれども、
それが2000年代、日本国内でもどんどん喧伝されました。
 しかし実態として、1980年代の中南米の歴史を見ますと、ミルトン・フリードマンの市 場原理主義というのは、その頃に中南米ですごく使われたわけですね。
しかしそれを実行した結果、中南米は見事に1パーセントの超大富豪と99パーセントの貧困層に分かれてしまい ました。
そんな現状に腹を立てた人々があらゆるところで反政府ゲリラとなって立ち上がったため、治安が悪化してしまった。
ですから、今日の中南米に反米的と言われる政治家が多 いのは、彼らがそれだけ若いときに苦労したということなんです。
「市場原理主義」という 口実を使った資源目当ての謀略に、ものすごく苦しめられたということなんですね。


「国益のためなら手段を厭わない」・・世界の現実を見よ


 また、最近になって出てきているのが各種条約なんです。
条約というのも、これは現代の戦 争の1つだと私は思ってます。詳しくは後ほどの講義でお話ししますが、例えば少し前にやって いた「TPP」条約ですね。
これは皆さんの中でも賛成・反対、いろいろ意見が分かれると思い ます。
じゃあ、お前の意見はどうなんだといわれました場合、もしこれが日本の国益にかなう ものであるのであれば当然、賛成なわけなんです。
ところが、このTPPの最大の問題は、われ われがその中身を知らないということなんですね。知らないのにどうやって判断するのか。
それがわからないのに、良いも悪いも判断することができないということが大きな問題だと思っ ています。
 公開されている情報でどういうことがいわれているかというと、例えば条約を結んでから 4年間は、国民にその内容を開示してはいけません。
すべては完全な秘密交渉であって、政府の何人が実際にその内容を本当に読んでいるかも不明です。
しかも、その契約書は英語で 4,000ページ以上もあると言われています。
それでいて、一度条約を結んだら二度と取り消 せないなんていう恐ろしい条項もあると言われています。
賛成派の政治家や大手メディアは 色々と煽っていましたけど、こういうものを彼らは一体どこまで知って騒いでいるのかとい うことなんですね。
(詳しくは第3章(全ては武器になる)「TPP条約」のパートで解説を しています。)
 もしこのような異常な秘密主義のまま、今後もこういったワケのわからない条約が結ばれ ていくようであれば、
私は、これはもう江戸時代の終わりに幕府が結んだ治外法権と言いますか、不平等条約の再来だなというふうに思っています。
 秘密交渉ではなく、重要な内容がしっかりと開示され、それらを国民が全部理解した結果としてわれわれの疑問がすべて払拭され、
その上で、やはり日本にとってこれは素晴らしい ことじゃないかというのであれば、大いに賛成すればいいと思います。
少なくとも内容が分 からないのに、それをTVが言っているから、もしくは新聞が言っているから、
政治家が言っているからということで賛成してしまうというのは、これはもうインテリジェンスの風上に も置けない考え方ではないかというふうに思っています。
白紙委任状に実印を押すのと同じ ことです。
つまり、今日でもこのような目に見えない戦争というか、戦いが続いているわけ です。
 次に世界の大きな流れに目を向けてみますと、やはり米国が、あれだけ勃興していた米国 がどんどん弱くなってきているというのはもう皆さん、
誰の目にも明らかだと思います。
オバマ大統領自身も「もう世界の警察はやめた」と発言しております。
 一方で、欧州はドイツ・フランスも、特にドイツを中心として覇権の回復を狙っているわ けなんですね。
さらに新興国は勃興していくというような、群雄割拠の時代になろうとしているのではないかと。
つまり、ドイツ・フランスを中心とするEUは、アメリカに奪われた 覇権回復を狙っているという現実があると思います。


「通貨」を抑えた者が世界を制す

 そしてもう一つ、この世を支配するのは何なのかという話です。ちょっとおどろおどろしい 話に聞こえるかもしれませんが、
それは何かと言いますと、私自身は、これは武器でも政治力 でも、それから平和でも正義でも何でもなく「通貨」だと思っております。
つまり「カネ」で すね。  今、世界の基軸通貨は何かといいますと、それは間違いなく米ドルなんですが、
通貨供給 量だけに関するとユーロのほうが多くなっているという話もあります。
ユーロは、何とかし て米ドルの基軸体制を崩して、少なくともユーロを基軸通貨の一つにしたいと考えています。
 例えばイラク戦争の最大の原因は何だかわかりますか?
 多分、メディアの報道を見てい た方は、サダム・フセインが持っていた「大量破壊兵器」だと思っておられますね。
しかし、 その本当の原因は違います。
日本ではほとんど報道されていないと思いますが、イラク戦争 の最大の原因の一つは、
サダム・フセインが石油の決済を米ドルからユーロに変えてしまっ たということなんですね。
 今の米ドルには金(ゴールド)の裏づけがないのですが、そのかわりに石油という資源が 事実上の裏づけだけということになりました。
その結果、石油決済は米ドルで行われるよう になり、石油消費の増大と共に米ドルというのは強くなってきたんですが、
その石油決済通 貨をサダム・フセインはユーロに切り替えてしまったわけですね。
それは米ドルの信用性を 一気に喪失させることになるため、アメリカにとってはどうしても許せないことなんです。
 おそらくこれは米ドルをいかにして弱体化させるかということを、ユーロと、それからフセインが組んでやろうとしたのかも知れません。
ですから、イラク戦争のとき、フランスの 外務大臣とアメリカは大ゲンカをしています。
コリン・パウエルさんなんかも電話で大ゲン カをしたそうですが、その裏にはこういう背景がありました。
 一方、これは2014年の7月の話ですが、フランスの石油メジャーのトタルの会長さんが、
もうそろそろ石油の決済に米ドル以外の基軸通貨を使ってもいいじゃないか、というような 話をしたということがありました。
つまり、米ドルを使わないでユーロや他の通貨を使いま しょうよ、という話をしたんですね。
 フランスというのはもともと歴史的にロシアとすごくつながりが深いですし、彼自身もプー チン大統領とはとても仲がよかったそうです。
実際にこの発言のすぐ後、2014年の10月に 彼はモスクワに呼ばれて、プーチン大統領から歓待を受けました。
ですがその帰り道に、モ スクワの飛行場から自家用機で飛び立とうとしたところに車が突っ込んで死んでしまったと。
米ドルに挑戦する発言からわずか3カ月後の話です。
トタルという巨大な石油メジャーの会長でも、米ドル基軸を崩そうとすると、こういう悲惨な最期が待っているというのが現実な のかも知れないなと思っております。
 アメリカは衰えつつあるとはいえ、やっぱり軍事力もありますが、一方の欧州は幾つもの 国の集合体なので、なかなかまとまりにくいというところもあります。
そこで、欧州を引っ 張っている国々は、力のあるロシアを取り込みたい。
それから力を持ち始めた中国にてこ入れをするという動きがあります。
 これはなぜかといいますと、ヨーロッパの中心:ドイツの経済がなぜあれだけいいかとい うと、中国でドイツの車や製品が大量に売れているわけです。
これ、ドイツの自動車産業に してみれば、日中関係がよくなってトヨタ車が人気になってしまうと困るわけなんですね。
中国ではベンツですとか、BMWというのが富裕層の間で大量に売れておりますが、それに よってドイツ経済はずっと支えられてきた。
ですから、ユーロというのは今、ロシアに接近 をして、人民元のSDR化とか、AIIB(アジアインフラ投資銀行)を動かそうとしている。
つ まり、これはもう完全に米ドル覇権に対する戦いであるわけです。
こういうものが背景にあ る。  一方で、新しい戦いの現場、これは今、中東に広がっています。
そして、その次はこれか らの資源戦争の中心の1つ、私は中心になるだろうと思っておりますが、世界最後のフロン ティアと言われているアフリカですね。
第2次世界大戦後、アジア・中東の多くはアメリカ がずっと支配しました。
いくつかの国々はソ連が取ったんですが、残ったアフリカというの は、もうほとんどインフラも何もなかったので、
乱暴な見方をすれば、残った余り物はフラ ンスにあげたというような実態がありました。
でも、そこに今アメリカがどんどん入り込も うとしておりまして、ロシアや中国なんかと暗闘を繰り広げています。


第2章(大衆の道徳心を利用する国家の思惑)


「ジャンヌダルク症候群」・・人権活動家、民主活動家の闇

 次に、これは私の造語ですが「ジャンヌダルク症候群」というのをちょっとご紹介したい と思います。
皆さん、ジャンヌダルクをご存知だと思いますけれども、私たちもそうなんで しょうが、特に欧米人は「聖女」が好きです。
若くて美しくて、自由、平和、平等のために 弱者の立場から立ち上がって、悪賢いおじさんたちをやっつけるというのが、みんな大好き なんですね。
私はこれをジャンヌダルク症候群と言っておりまして、これがメディアの中で、 それから国家の行動を正当化する上で非常によく使われるということです。
聖女の条件ですが、まずは当然女性であること。
これは男性じゃ困るんですね。あんまり 魅力がない。
なので女性であること。そして人種的に、できればマイノリティであるという ことです。
アジア人、黒人、もしくはイスラム教徒ですね。
にもかかわらず、欧米的価値観 を有し、英語などの欧米の言語で流暢に欧米的価値観を発信できてしまう人です。
その経歴 をよく見てみると、オックスフォードやハーバードなどの欧米の一流大学出身であるという ことが多いですね。
あと、見た目もまあまあの美人さんであるということも条件だと思いま す。


夫はイギリス情報機関のスパイ? アウンサンスーチーの正体


 例えばアウンサンスーチーさんなんかそうですね。
これは非常に人気のある方だと言われ ております。
この前のミャンマーの選挙ではものすごい得票率で勝ちましたけれども、選挙 の数年前に現地に行って、
現地の人に話を聞いたところ、そんなに人気はなかったと私自身 は感じていました。
私自身が話した中でも、この方はやはりアメリカもしくはイギリスなど の欧米をバックにしている言う現地人も、何人かおりました。
 だから、あの投票結果自体はえらく状況が変わってしまったんだなと思わざるを得ないん ですけれども、
そもそもミャンマー、ビルマという国はイギリスによってずっとグチャグチャ にされてきた国なので、欧米的な影響に敏感に反応し、植民地主義を嫌っています。
ですから、戦後も高等教育機関の外国語教育を英語から日本語に変えたりとか、車の道路もイギリ ス風の右ハンドルではなく、左ハンドルにしてしまったりということもしました。
そのぐら いイギリスを嫌っていたという背景があります。
 ところがこのミャンマーは地下資源も豊富ですし、中国にも近く、非常に戦略的な意味の ある土地ですので、
欧米は何とかして入ろうとしたんですが、ミャンマーの軍事政権は、それをかたくなに拒否していました。
日本も、第二次世界大戦の時にビルマの独立を助けたと いう側面がありますので、日本とは水面下で非常にいい関係を持ってたんですが、
時代が下るに従って日本政府もアメリカ追従にどんどんなっていき、ビルマ、ミャンマーを一時的に 見捨てざるを得なかった時期がありました。
その結果、もともとミャンマー人がものすごく 嫌っていた中国しか手を差し伸べなかったので、結局その関係が強くなってしまったのです。
それに慌てた欧米が出てきまして、80年代の終わりに、このアウンサンスーチーさんをイ ギリスからミャンマーに戻しました。
『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』と いう映画が何年か前に公開されましたが、
これはアウンサンスーチーを題材にしている映画 なのですが、この内容について、
私の知り合いのミャンマーの専門家や現地人なんかに言わ せますと、あの映画はうそばっかりだと言うわけです。
 この映画にも出てきた、スーチーさんと引き裂かれたというイギリス人の旦那さん。
マイ ケル・アリスさんという人ですが、この夫婦関係はすごく感動的に描かれていましたが、
実 はこの旦那さんはイギリス情報機関の工作員です。
これはすでにご存知の方もおられると思 います。
そしてその方が亡くなるときに、ミャンマー政府はお見舞いに行ってきなさいと、
そのあと帰ってきてもいいからと言ったそうですが、映画の中ではそうは描かれていないと。
政府によって徹底的に邪魔されてしまって、引き裂かれてしまったんだ、というように描か れているんですね。
 ところがさらに残念なのが、実はこのスーチーさんには、もう20年もビルマ人の医者の ボーイフレンドがいたそうでなのです。
これは現地に行けばみんな知っていることなんです。
でも、そんな情報はあまり日本には入って来ませんね。
だから、この時すでにイギリスの工 作員の旦那さんのことは、はっきり言ってどうでもよかったわけです。
政府によって自宅軟禁されていたということなんですが、その自宅というのは、
イギリス、アメリカの大使館のすぐそばにあるものすごい豪邸なのです。
ボーイフレンドもいて、そこでいい暮らしをしてたわ けです。でも、そういうこともほとんど報道されないわけですね。


ビンラディンの死をリークしてしまい 突然死したパキスタンのブット首相


次に紹介する聖女は、パキスタンの首相であったベーナズィール・ブットさんです。
彼女は、植民地独立後のイスラム諸国家における初の女性首相です。
暗殺をされてしまいました けれども、とても美人な方でしたね。
でも、このブットさんは、実は政敵に対してものすご く残虐な言葉を使うんですね。
政敵であったムシャラフ氏については、本人とその家族を八つ裂きにしてやりたい、
というようなことを平気で言うような方で、実際に英米の操り人形 であっただろうというふうに言われております。
この方、不思議なことを言っておりまして、アルジャジーラの放送だったかと思うんです が、
亡くなる3カ月ぐらい前に、オサマ・ビンラディンはつい最近殺されたとテレビで言っ てしまっています。
オサマ・ビンラディンが亡くなる数年前の話なんですけれども、つい最 近殺されたというような話を生中継でポロッと言ってしまいました。
BBCはそれを後に流し たんですが、なぜかその部分だけカットしてたそうです。
 それで多くの視聴者は怒って、何でカットするんだという苦情をテレビ局に出しました。
BBCの方は「担当者がちょっと忙しくて、そこだけ発言間違いだろうと思ってカットしてし まったのです」というような言い訳をしたのですが、
YouTubeではカットされてないものが 今でも見つかります。
その発言をした3カ月後に彼女は暗殺されて亡くなってしまっていま した。


プロ並みのスピーチをこなす10代の少女 「マララ」を支えるやり手の広告代理店


そして有名なマララ・ユスフザイさんですね。
彼女は人権活動家として、ノーベル平和賞 を受賞しました。
しかし、この方は強運の持ち主です。パキスタンの通学バスで、テロリス トによって頭と首に45口径の拳銃弾を二発も撃ち込まれたにも関わらず、
その10日後には 病院でにこにこ笑って歩いていたわけです。
私は、銃器を扱っていた経験が多少ありますの で、この45口径弾というのは、ゾウをも仕留めると言われているすごい弾丸です。
もし首に 当たったら、こんな女の子の首だったら半分以上はなくなってしまいます。
パキスタン人の 一部では、「頭に弾丸を食らったのに、髪の毛を剃らないで手術をすることができた人類最 初の例だろう」なんて皮肉を言っている人もいます。
 タリバンが実行犯とされているあの事件自体が、非常に私自身は疑問の多い事件だなと思っているんですが、
彼女は襲撃事件の直後、なぜかすぐにパキスタンからイギリスの病院 に運ばれて、今もイギリスに住んでいます。
彼女の背後には、世界トップクラスのスピーチライター、広告代理店系のスピーチライター など何人かの白人がついていて、
1本のペン、1冊の本が世界を変えるというような有名なス ピーチをやりました。
彼女は、こうやって人差し指を立てて喋るのですが。これは非常に人 の感情に訴えるテクニックだそうですね。
16歳か17歳の少女にしては非常にうまい。
そこ ら辺の政治家でもなかなかできない話だと思いますけれども。
こういうことをしっかりとト レーニングされて、身につけているということですね。


「No」とは言えない人道的な話こそ注意せよ


 こういう人たちが出てきたら、私はちょっと要注意だなと思っているんです。
こういう人 たちに対して、おいマララさんなんかふざけるなよなどと批判的なコメントをしてしまった ら、
少なくとも日本では白い目で見られると思います。
私も、家でお酒を飲みながらテレビ のニュースを見ながら、マララさんなんか信じるんじゃないぞと子供に言うと、
かなり嫌な顔をされます。
そんなこと言うと、学校の先生に嫌われるからやめてくれとことですが、そ れが今の日本人の大半の現実的な姿なんだろうと思います。
ただ、こういう欧米の傀儡のような象徴的な方々が出てきたら、まずはクエスチョンを持っ てみることは絶対に重要です。
確かに彼女たちはまあまあ美人だしマイノリティだし、やっぱり人道的な美しいことを言うので、我々の優しい心をくすぐるんですね。
しかし、そこを なんとか冷静になって、その背後にある誰かの意図とか、政治的意思というものをしっかり 見てくださいということです。


「人道支援団体の闇」 アメリカ人美人ジャーナリストの謎の死


 国際情勢の本質を見抜くために必要な視点、インテリジェンスに必要な視点を紹介します。
まずは、各地域の利権、勢力図を見ることですね。これはヤクザ用語では「シマ」と言います。
シマの争いを注視して、ヒト・モノ・カネの移動とかいうものに注目する、各種団体の背景と 動きに注意するということです。
 この各種団体とは何か これは、人道支援団体・NGOも含まれます。
フランス系のNGO が入っているのか、アメリカ系なのか、中国系なのか、バックによって違います。
こういう ことを言うと、なかなか受け入れがたいと言う人もいるかもしれません。
もちろん、NGO や人道支援団体で働いているほとんどの人は良心を持って、一生懸命働いていると思います。

 しかし、当然各国の情報機関というのは、これだけ世界的なネットワークを持っている NGO・人道支援団体に要員を一人放り込めば、
この組織を情報機関として使えてしまうわけ ですよね。
そういうことを当然やるわけです。
しかも、食糧を持ってきたとか、医療とか、人道的な支援だと言えば誰でも断りにくいですから、
だいたいどこの国でもすんなり入って いけてしまうわけなんですね。
 例えば、「イスラム国」が活動していたシリアでの話ですが、WFP(国連世界食糧計画) という人道支援団体が配給していた食糧を、
なぜかイスラム国の兵士が市民に配っている写 真がインターネット上に流出しました。
そんなWFP(国連世界食糧計画)の疑惑を暴いて事 件に巻き込まれてしまったアメリカ人の女性ジャーナリストがいます。
 彼女の名前はセリーナ・シムさん。29歳のレバノン系アメリカ人ジャーナリストで、イラ ン国営放送「プレスTV」で報道記者として働いていました。
若くて有能かつ、非常に美しい 女性だったのですが、2人の子供を抱えていながら、レバノンやイラク、ウクライナを駆け 回る勇敢な戦場ジャーナリストでした。
 ある時、彼女はイスラム国を取材するため、トルコとシリアの国境地帯に派遣されたのですが、その取材中に、
彼女は決して見てはならない「恐ろしい現場」に遭遇してしまったの です。
それは、なんと先ほど紹介しましたWFPを始めとする多くの国際人権団体・NGOの 車両が、
シリア難民に対する食糧や医薬品ではなく、武装したイスラム国の戦闘員をシリア の国内外に輸送する光景を目撃してしまったのですね。
 驚愕した彼女は、とにかくその様子をカメラに収めた上で、その後も現地で取材を続けた そうですが、
次第に身辺に迫り来る地元諜報機関の影に怯えるようになりました。
もちろん、 仕事以外のことは何もしていない身だったんですが、それでも彼女は「プレスTV」のカメラ に向かって
「私はスパイ罪で捕まるかもしれない…」という恐怖心を吐露しています。
 そして、その翌日、彼女はレンタカーで投宿先のホテルに戻る途中、突然現れた「謎の大 型車両」に車ごと突っ込まれ、即死してしまったのです。
トルコからシリア国内のイスラム 国への武器輸送については、以前から「ロイター通信」や「ニューヨークタイムズ」などの
欧米メディアでも時おり報じられてきた問題だったのですが、実際にその様子を現場で取材 し、しかも決定的な証拠を押さえたのはシムさんだけでした。
 でも、この事実は多くの欧米の主要メディア、特に彼女の母国アメリカのメディアではほとんど取り上げられていません。
彼女が、アメリカやイスラエルの言うことを聞かないイラ ンの国営テレビで働いていたからでしょうが、
同じアメリカ人のジェームズ・フォーリーさ んというジャーナリストが、イスラム国によって斬首された時は大きくその事件を取り上げ、
アメリカ政府による怒りの空爆につながったのですが、それと比べて雲泥の差です。

 普通なら、こんなに若くて美人のアメリカ人ジャーナリストが謎の死を遂げたということ で、
欧米メディアは大騒ぎするはずじゃないでしょうか?
もちろん、このような事実は欧米 の主要メディアをほとんどコピペしているだけの日本のメディアでも、全く知ることができ ません。


「国境なき医師団」創設者とテロリストの黒い関係


 フランス発の有名な「国境なき医師団」という団体がありますね。
私自身の経験で不思議 だったことがあって、南太平洋にいたときにふと感じたんですけれども、
彼らが行く先々で、 必ず石油などの地下資源が見つかるんです。
石油以外にも、鉱物資源などがあって、そろそろ 巨額のプロジェクトが始まりそうだというところが多いんです。
新しく出て行った、少し前ま で紛争地域だったところが、実は巨大な銅鉱山が見つかったりして、そこにいきなり出ていっ たりとかですね。
反対に、撤退したところはもうプロジェクト終わってしまうところもある。
 あまりにもそういうことが多いので、不思議だなと思っていろいろと調べてみたところ、
国境なき医師団をつくった創設者の一人が、クシュネルさんという方です。
彼はフランスの 元外務大臣なんですが、ある時、アメリカ共和党のネオコン系重鎮と一緒にシリアを訪問し て、
イスラム国の司令官たちと記念撮影をしていました。
その写真が最近流出しています。 つまり、NGO・人道支援団体だからといって、
良いことだけしているんだとか、疑うなんて 良くない。
というようなナイーブな考えではなく、さらに数歩深入りして考えてみてくださ いということです。
 もう1つの各種団体といえば、宗教団体です。
宗教団体というのは、結構よく情報機関が 使う道具なんです。
私の知り合いの先のある人物が、東南アジアの某国である宗教団体をやっ ているのですが、
その方は自ら自分はCIAの要員だと言ったと聞きました。
これは私が自分 で確認したわけではないので、定かだとは言えませんが、先ほどの人道支援団体の話でもわかるように、
そういうこともさもありなんと思った次第です。
宗教団体も、やっぱりきれい な顔をして、いいことを言って、世界中どこにでも入っていけますので。
 各国の軍には、過去の戦争で亡くなった軍人たちを探し出すための遺骨収容部隊がありますけれども、
あの一部も恐らくそうなんじゃないかなと思っています。
考えてみてください。 戦没者の遺骨を探し出してご遺族に返還しようとする動きは、
非常に人道的なものですから、 誰も反対、ノーと言えないんです。
聖女の条件・先ほどお伝えしたジャンヌダルク症候群と 一緒です。
人道的なことに関しては誰もノーと言えないんです。
 それによって、彼らは世界各地に入っていけるわけです。
もし自分が国家の指導者だった ら、そこに情報要員を入れようと思いますよね。
先ほども申し上げましたが、当然そこで働 いている人たちの99.9パーセントは上から下までまじめに、
最後の一人がご家族のもとに帰 るまで、遺骨を探さなきゃと思っていますし、私もある国の軍隊の遺骨収容のチームの支援 をしていました。
 彼らは最近の戦争だけではなく、第一次、第二次大戦で戦死した兵士らの遺骨を探すのに 大変な努力をしています。
暑い中、マラリアになりながら、ジャングルを走り回っていました。
日本の政府も見習えよというぐらい、最後の1人まで、ベトナムだ、パプアニューギニ アだ、
ジャングルの中に行って活動していました。
日本兵の遺体が見つかると、わざわざ自 国政府のお金を使ってスペインまで歯を送って、DNA検査をして、
日本人だという確定をとって、遺体の周辺から見つかった印鑑までこちらに提示して、ご家族を探してあげてください と、
日本政府にまで言ってきてくれるのです。
 ところが、現地の日本大使館に持っていきますと、当時そこにいた自衛隊の駐在武官が、
これは厚生労働省の仕事ですからといって席を立ってしまったそうです。
大使館は外務省ですし、防衛駐在官は防衛省だから、これはうちの仕事ではありませんというわけです。
それで、向こうの軍の担当者がびっくりして私のところに連絡してきて、何とかならないかとい うことになり、
それで私が当時からおつき合いしている戦友遺族会のところにお願いして、 厚労省に話をつけていただいて、
そのご遺骨が無事ご遺族のもとに返ったということもあり ました。
 日本と外国のこの差ですね。
この感覚の差です。大東亜戦争で国のために戦って、七十年 以上経った今でも国に帰れない人たちに対し、
今の日本人は余りにひどい忘恩を働いている のではないかと思っています。
少し話はずれましたが、つまり各種団体のこういった動き、 現地で活動している組織の動きや役割を注意して観察してみるということです。


第3章(戦争プロパガンダの手法)


権威・ブランドに異常なほど弱い日本人


次にお話ししたいのは、国家の謀略とはどういうものかということです。
謀略という言 い方はおどろおどろしいので、私は普段、計画と呼んでおります。
つまり、計画をされる側 からすると謀略なんですが、してる側からすると計画にすぎないということです。
我々日本人はされる側が多いので謀略という言い方をしております。
よく映画なんかでも「プラン、計画が全てなんだよ」というようなセリフが時々出てきます が、
本当にそれはそのとおりです。
計画をやった人間の側からすると、世の中にはだます人 間と、だまされる人間の2種類しかいないということもよく言われますよね。
言い換えると、 世の中には計画して実行する人間と、計画に乗せられてしまう人間と2種類しかいないとい う言い方もできるかもしれません。
ただ、私は世の中には「だます人間」と「だまされる人間」しかいないとは言いたくなく て、実はもう一人いると思っております。
それは「だまされない人間」ですね。
だますこと はないかもしれないけれども、だまされない人間。
インテリジェンスを働かせる人間は、少 なくともだまされないで済むのではないかというふうに思っている次第です。
 とはいえ、お人好しな日本人は簡単に騙されてしまうことが多いのです。
これは我々の元 来ある性質なのかもしれません。
だまされるというのは悪い言い方ですが、ある意味従順な んですね。
お上とか権威に対してものすごく従順です。
私は関西のほうの出身ですが、関西 人というのは昔から東京の人たちよりも順法精神はちょっと少ないかもしれません。
大阪は 縦列駐車とか何でもありのところですが、二十年以上前に東京に初めて来た時は、
皆さんちゃ んとマナー守られるなと感心したものでした。
大阪なんかはお上がなんぼのもんじゃいというような話、態度はよくあるんですが、
とは いえ日本人は総じてお上、権威に対して従順です。
その中で、第二次大戦、大東亜戦争と言 われるものが終わった後に、日本人が精神的な空洞の中に陥りつつあったときに何が行われたかといいますと、
神、日本人にとっての神が天皇からアメリカに移ったとでも言えるんで はないかと思います。
これはいろいろな意見があると思いますが、少なくとも当時の占領軍 がやろうとしたことは、こういうことだと思います。
例えば、それまで実際に歩いているお姿を見ることもはばかられたような天皇陛下が、マッ カーサーと同じ写真に並んでいると。
あれは、まさに神の交代ではなかったかというふうに 私は思っています。
GHQはそういうふうに意図したんだろうと思っております。
 一方、もう1つはマスコミに対する妄信ですね。
マスコミ、それから大企業もそうだと思 います。
ブランドものに対する妄信というものがあると思います。
ブランドというのは、当 然ブランドをつくるプロの方が仕掛けるわけですが、
それに我々がしっかり乗ってしまって いるわけなんです
例えばダイヤモンドなんかもそうですが、ああいうのはアフリカのほうで、すさまじい奴隷労働によって得られた、
いわゆる「ブラッドダイヤモンド」という映画 もありましたけれども、ああいうものの犠牲の上に成り立っている部分もかなりあるわけで すね。
でも、それをきれいな広告と、それから美しいお店の前でショーウィンドウに飾られたら、そんなことは見えてこないわけです。
そしてあのダイヤモンドが実際にどれだけ価値が あるかどうか知りませんが、実はダイヤモンドというのは世界各地でかなりたくさんとれる ものだそうです。
ただ、それを在庫管理して少しずつ出すということによって、価格を維持 してるという面もあるといいます。
 ロシアでもかなりとれるそうで、プーチンがダイヤモンドを10年ほど前から大量に売り始 めたりしましたけれども、そうなるとある企業は困るわけです。
それに対抗するために会社側は、そんな相手の信用をおとしめる情報工作を行い、さらなる宣伝活動をするわけですね。
そういうものを我々はいちいち考えずに、1個30万、40万とか、給料3カ月分というのを支 払っているのです。
決して指輪をしてる方にケチをつけるわけではなく、ただ、そういうものがあるんだとい うことです。
大きなものにどうしても日本人は巻かれてしまうということがあると思います。
これは日本人だけではありませんが、そういうところが強いのですね。


「教科書教育の大罪」 大企業幹部の低すぎる情報リテラシー


 学校における教科書教育が日本人の大人の意識に深く影響し過ぎているのも問題です。
私も 大企業の幹部の方や社長、副社長クラスの方と危機管理やいろいろなインテリジェンスに関して話すこともあるのですが、
そのときに時々言われて驚くのが、もう本当に60過ぎた65を過 ぎた大企業の社長さんが、
「いやあ、おっしゃるようなこんな話は学校で習わなかったよな」 という話をされるんです。
 少なくとも私が今まで出会った外国人であれば、大きな企業の幹部でなくても、
「いやそんなこと僕は学校で習わなかったよ」などというセリフは出てこないはずなんですね。
これは日本の学校における教育が、未だにどれだけ我々の精神性に影響を与えているかということです。
もちろん、嘘を書いてあるわけではなく、事実を羅列しているのですが、
その事実の選択の 仕方によって真実が変わってくるということです。
それをまずご理解いただきたい。つまり、 例えば私自身、20数年前に学生だったころは、
南京事件とか、慰安婦の強制連行なんていうこ とは、教科書とかそういうものに載っておりましたし、
そしてそれが真実として語られていた わけなんです。
 私の祖父も戦争に行ってましたが、いろんなことを見ながら、果たしてあんな人たちが、
そんな残虐なことを組織的にやれるだろうか、やるだろうかということを中学生ぐらいのこ ろからずっと疑問に思っておりました。
そして私、中学生のときにこれについて教師に対し て疑問を呈したのですが、
その時に先生に言われたのが、「お前は極右だ」ということでし た。
 オーストラリアの大学院では私の担当教官が幸か不幸か、ニュージーランド人の方だった んですが朝鮮の女性、
つまりジェンダー史研究という最先端の、言い方悪いかもしれません が、ど左翼の最先端をいっている先生でした。
奥様が美しい韓国人の方だったんですが、本当に日本に対してはすごい言いようだったんです。
 そして私は、あなたの言いたいことはわからんでもないけれども、でも現実というのはそ うではないよねという話をたくさんしまして、
もし強制連行なんていうのが本当にあったら、大変でしょう。
そんな記録は、あっちこっち残ってるはずでしょうというふうなことを大学 院の授業で言いました。
そしたら、後で先生の部屋に呼ばれまして、おまえはファナティック なウルトラナショナリストだと言われました。

つまり「狂信的な超国家主義者だ」と言われ てしまいまして、それ以後私は大学院で勉強する気がなくなってしまったということなんで すね。
 つまり、アカデミズムの世界でもわずか15年、16年前までは、そういうものだったとい うことです。
そして、それが20年、30年、40年、50年前、つまり特にGHQの影響が強かっ た時代に教育を受けた方々が、
いまだに教科書でそんなこと習わなかったなというような人 がグローバル企業のトップたったら、
社員はちょっとかわいそうじゃないかなと思っており ますが、それが現実なんですね。


ナチスドイツ、旧ソ連、GHQ… 今なお続く「映画」を使ったプロパガンダの実態 

そして一方、映画や広告の効用ですね。これも非常に大きくて、旧ソ連の指導者レーニン は、
「映画は大衆を教育するための最も有力な道具の1つである」と言っています。
あのナ チスドイツの独裁者ヒトラーも、「映画の観客に対する強い、特別な効果について注目して いる。
観衆は、映画のおかげで潜在意識と感情に働きかけ、操作可能になる。」 なんていう ふうに言っていますし、
ナチスで宣伝省を担当した「プロパガンダの天才」ゲッペルスも映画を「最新鋭の影響手段」と評したと言われています。


 例えば、かつて大ヒットした映画の続編が出ましたと聞くと、もうみんなワクワクして見 に行かれる方も多いですよね。
自主的に映画館に行くわけですが、ある意味、箱詰めの閉鎖 空間で2時間もの間、
暗闇の中で一方的に情報を見せることができるというのはすごいこと です。
今はいろんなメディアが発達してるので、それほどでもないかもしれませんが、
昔か らこの映画というのは物すごく洗脳・プロパガンダの効果があったわけなんです。
 われわれ、戦後アメリカのGHQによる占領政策を受けましたけれども、やはり彼らも 「3S政策」というものをすぐに行いました。
これはスポーツ・スクリーン(映画)・セック スの略で、これらを使うことで、日本人を精神的に武装解除しようという動きです。
その中 でも特に強力な効果を発揮したのが映画だったと言われています。

戦後の焼け野原からの復興で、日本では「コンバット」という番組が大変な人気を博しま した。
当時、しゃれた格好をした進駐軍の兵士からガムやチョコレートを投げてもらって育っ た子供や若者は、
悪いドイツ軍を次から次へと撃ち殺していく主人公サンダース軍曹に純粋 に憧れました。
つい数年前までドイツが自分たちの国と同盟を結んでいた相手だということ を、大人も子供もあっという間に忘れてしまったんですね。
あのドラマを見て、正義の国ア メリカと精神的に一体化し、日本は間違っていた。
やはりアメリカの方が格好いいと感じる 日本人が増えたのだとしたら、その効果は絶大なものだったに違いありません。

このようにアメリカの白人がヒーローを演じるのが一般的だった頃、我々日本人はどのよ うに描かれていたかというと、
そのほとんどは「悪辣」「残酷」「猿」または「理解不能な 人々」といったものに集約することができました。
中でも、日本人を悪役モデルにしたと噂 される有名な作品といえば「猿の惑星」ですね。


作者はフランス人作家のピエール・ブールさんという方ですが、彼は第二次大戦の頃、日本軍に捕まって収容所生活を送った経験があることから、
この映画に出てくる猿のモデルは 日本人だという噂が長らく信じられています。
この「猿の惑星」を日本で公開するにあたっ て、ハリウッド側ではこれを見た日本人が怒るのではないか?と危惧したそうですが、
蓋を 開けてみれば日本で大ヒットしたという、笑うに笑えないオチがあります。 
 過去に、サッカーの日本戦でゴールを決めた韓国人選手が、直後に猿のモノマネをして バッシングされていましたが、
こうやって日本人を猿に見立てる発想は、西洋人が広く共有 していた見方なのです。
「猿の惑星」という映画は、そんな人間の真似をしていた猿が反乱 を起こし、人間の上に立つ。という、ある種欧米人のトラウマを示しているのかもしれませ ん。
 そしてこれは「Voice」という雑誌でも書きましたけれども、アンジェリーナ・ジョリー 監督の「アンブロークン」という映画があります。
これはアメリカ軍の兵士が、日本兵の捕 虜になって、もうゴチャゴチャに殴られたという、ちょっと真偽の疑わしい部分がたくさん あるものなんですね。

それからもう1つ、彼女の旦那のブラット・ピットが出ていた「フューリー」という戦車 部隊の映画。
これはドイツ軍の戦車とアメリカ軍の戦車が戦うという話なんですが、そこで はアメリカ軍がドイツ兵のことをグチャグチャにやっつけているわけなんですね。
さっきの とは逆で、ここではアメリカ兵はそれをよしとしているわけなんですね。  
ああいうものが、なぜ今の時点でできるのかと、日本の戦争の話。
それからドイツ兵がいかに残酷であったかという話というのは、なぜ今、このタイミングで出てくるのかというこ とを考えるべきなんですね。
それを何も考えずにぼーっと見て、「ああブラット・ピットは やっぱ格好いいな」と思ってしまうのは、ちょっと痛いというか、まずいという状況だと私 は思います。
 例えば、ブラット・ピットがダダダダダッと敵を華麗にドイツ兵を撃ち殺します。
我々、 何の疑問も感じないわけなんですね、映画の中では。なぜかというと、我々昔、私の少し上 の世代の方々なんかも「コンバット」という映画を見て育っています。
コンバットではサン ダース軍曹が悪いドイツ兵をダダダダダッとやっつけることで、格好いいと思っているわけな んです。
ところが冷静に考えると、サンダース軍曹は配置転換になれば、我々日本人に対し てダダダダダッとやる側だったわけなんですね。
それを我々、手をたたいて喜んでいると。 これは、そこまでクエスチョンが湧かないんですね。
 それが自然と潜在意識にすり込まれていって、その中で正義の味方イコールアメリカとい うようなものが、ずっと続いてきたと。
まずは、そういうものに対して疑ってみるというこ とです。


「9.11同時多発テロ」とそれを暗示していた映画

ではもう1つ、これはおもしろい話です。元NATO欧州部最高司令官のウェズリー・クラーク 陸軍大将という方がいます。
9.11のころにはちょうど退役をしていたのですが、9月20日、つ まり9.11からちょうど10日後くらいに、
彼はラムズフェルド国務長官に呼ばれてペンタゴンに 行ったそうです。

そのときに、過去の同僚から(将軍クラスの方)「閣下、我々はイラクと戦争することを 決定したんです。」と聞いたそうです。
そしたら彼は驚いて「Why?」「何で?」と聞きま した。そしたらその将軍は、「わかりません」と言ったというんです。
「なぜでしょう、も しかしたら、それ以上に、それ以外にやることがないからではないでしょうか。」と言った そうです。
とにかく、飛び出ている釘を何かで叩かないと、もう示しがつかないからやるの ではないでしょうかと。  
そのときに、彼は軍隊というのは、そういうふうにして、そういう他国の政権をつぶすた めに使われているものなのだろうか…と悩んだそうです。
それから数週間後、また行きまし て、「まだ本当にイラクをやるつもりなのか」と聞きました。
すると、同じ将軍が「いやい や、もっとひどいですよ。今、これを上の国防長官室からもらってきたのですが、
これが向 こう5年間でアメリカが妥当する7つの国々です。
イラクから始まり、シリア、レバノン、 リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランです。」これ、共通するのは何でしょうね。
ほとんど石油資源国です。みんなそうですね。スーダンなんか2つに分かれてしまいましたし。 リビアなんかも消えてしまって。

そこで、ソマリアに石油があると思われる方いらっしゃいますか? あそこはもう何もな い、
無政府状態が20年も続いた国で、「ブラックホークダウン」という映画もありましたけ れども、
むちゃくちゃな民兵同士が殺し合っている国なのです。海賊も出てくる、何もない 国だというふうに我々も教わっています。
でも、実は80年代の終わりに、アメリカの会社が 膨大な石油資源を見つけていたということがわかりました。
その後に紛争になって、ぐちゃ ぐちゃになっているのです。ところが、Newsweekなんか見ていますと、
ソマリアは石油資 源も何もないところで、アルカイダの幹部もいないようなところなのに、
アメリカはそこで 人道危機が起こっているから、クリントン政権は助けに行ったのだと報道しているのです。 完全にうそなのです。

 これを向こう5年間でやってしまおうというわけですから、それを見て、もう呆れたク ラーク大将はこう言いました。
アメリカは既にもう政治的なクーデターによって完全に乗っ 取られてしまったのだと。誰に乗っ取られたか これはネオコン。
つまり、ウォルフォウィッ ツとか、チェイニーとか、ラムズフェルドという、
先ほど言いました「アメリカ新世紀プロ ジェクト」と言われる人たちに乗っ取られてしまったのだということを言っているのです。
 実は、このウォルフォウィッツさんという方は、91年の湾岸戦争のときに、
パパブッシュ がイラクのフセインを殺さなかったものですから、それに怒りを持って、
もう91年代、イラ クとイランをやっつけろ、ぶち殺せと言っていた人なのです。

そして、、おもしろいことがもう1つ。映画です。テロを予言していたような映画が、こ の前にたくさん出てきたのです。
そのうちの3つを挙げますと、まず「エグゼクティブ・デ シジョン」という映画があります。
これは、合気道で有名なスティーヴン・セガールが特殊 部隊の隊長に出てきて、
爆弾を満載した飛行機がペンタゴンに突っ込もうとするという映画 です。
それをアメリカの特殊部隊が止めるというような。

 つまり、飛行機を兵器に見立てて、それで突っ込ませようとするようなアイデアがここで 出てきました。
これを見たときに、私、実は学生だったので映画館で見ましたが、「ああそ うか、こういうことをするのか、怖いな…」と思った記憶があります。
飛行機なんか、燃料 はたくさん積んでいるし、そこに爆弾を積まれたらすごい爆発力になるのだろうなと。
これ はもう私と同じくらい、ぽかんとした気分で観に行っていたら、皆、ああ怖いな…と思った と思いますけれども。


第二の「真珠湾攻撃」と噂されたセンタービル攻撃


そして、その2年後、映画「マーシャル・ロー」というのが出ました。これはデンゼル・ワ シントンが出ていた映画ですね。
あと「ダイ・ハード」をやっている俳優さんが出ていますが、 ニューヨークがテロ攻撃を受ける。
そこで、ニューヨークの街が軍によって戒厳令が敷かれる という映画です。
これ全くニューヨークの同時多発テロで起きたシナリオと全く一緒で、しか もテロリストはイスラム教徒であって、
テロの後にイスラム教徒の家族たちが強制的に収容さ れるのは全く同じシナリオです。?

そして極めつけは皆さんご存知「パールハーバー」ということです。
パールハーバーは、2001 年5月に全米公開、つまりテロの4カ月前です。
日本でも2カ月前の4月に公開。私も映画館に やはり馬鹿ですから見に行きまして、頭に来て帰ってきたという記憶があります。
余りにばか らしい内容だったもので、するとその直後に攻撃があって、アメリカでは「あの攻撃は真珠湾 の再来だ!」
「新しいパールハーバーだ!」と皆が言って、世論が一気に戦争を容認する、報 復する報告へと動いたわけです。
そして、ブッシュ大統領はビンラディンが犯人だと宣言して、 潜伏先のアフガニスタンを徹底的に爆撃しましたよね。?


 実際、太平洋戦争の日本軍による「真珠湾攻撃」が行われた際も、それまでアメリカの国民 のほとんどは戦争に反対でした。
それを、真珠湾攻撃からのルーズベルト大統領の演説で、一 気に戦争ムードに持っていき、
何と100万人を超える人たちが一夜にしてアメリカの軍隊へと 志願したとも言われています。 ?

実はこれ、9.11のちょうど1年前の2000年9月ですが、先ほど言いましたアメリカ新世紀プ ロジェクトは「アメリカ防衛再建計画」というような発表をしていました。
その中で、「アメ リカの防衛体制は新しい真珠湾攻撃のような破滅的な出来事抜きには、その再建のプロセスは 長期間を要するものになるだろう。」と言っています。

つまり、アメリカの場合、防衛体制をしっかりするためには、新しい真珠湾のような事件が もう1回必要だと言っているわけなのです。
でも、真珠湾は自分で作るものではないですよね、 本来、こっちから先に手を出すんじゃなくて、誰かが来てくれなければ困るわけなんですよ。
日本の真珠湾も日本が来てくれたおかげで、向こうは手ぐすねを引いて待っていたという真相 があると思いますけれども、
つまり、常に誰かに先に手を出させてやらなければいけないと。
私は、この手の映画はテロを予言していたのだろうかと思いました。

 あのテロの映像、センタービルに飛行機が突っ込む映像を、私はちょうど旗の台のラーメン 屋でラーメンをすすりながら見ていたのですけれども、
「うわー、飛行機がぶつかったわ」な んてびっくりしていたのですが、そのときに頭に浮かんだ疑問がいくつかありました。

その1つは、なぜニューヨーク近郊にある戦闘機の戦闘機隊はスクランブルしなかったのか。
日本でハイジャックが起きて、飛行機がハイジャックされたまま45分間飛び回ったら百里基地 から3分以内に戦闘機が出ます。
東京上空であれば百里基地から3分で行きますので、そこです ぐにエスコートをしてやるはずです。
ところが、この飛行機2機は45分、50分飛び回った後、 ぶつかって、そのぶつかった後7,8分してからやっとF16戦闘機が現場に到達しているんです。
しかも、F16戦闘機は、戦闘速度で飛んでいなかったのです、後で調べますと。巡航速度でのんびりのんびり飛んでいたのです。

しかも、7、8分で巡航速度でいける距離であれば、レーダーはちゃんと捉えていますし、本 気出せばすぐにミサイルの射撃の射程に入るはずなのです。
ところが、それもなかった。何で それがなかったのだろうというふうに、私は1つ思いました。

2つ目、こういう映画を全部思い出したのです。うわ、アメリカってすごいなと。
当時、私は ちょうど念じることは現実化するという本を誰かに借りて読んで、やはり人間はテロのことを 考えると、テロが起きてしまうのかなと思いました。
後から考えてみると、いや、的に弓矢を 当てたときに、的があって弓が刺さっているのを抜いて、うわ、この射手はすごいなと思うの か。
それとも最初に弓矢を撃っておいて、その周りに的を書いたのか、どちらなのだろうとい うことを考えたのです。

大体、アメリカのこういう戦争に行く前の歴史を見て、トンキン湾事件もそうです。
アラモ 砦のときもそうです、真珠湾もそうですし、これもそうなのです。大体、矢を刺しておいて、
その後に丸を書いていく手法なのです。
すると百発百中、当たり前なのですけれども、百発百 中なのです。あとは、なぜそういうふうになったのかということをマスコミを使ってお茶を濁 しておけば、
我々は信じてしまいます。
ですから、射手が腕がよかったのか、それとも後で的 を書いたのかということを頭に入れておくべきなのです。
大衆の思考能力を奪うメディアと情報操作

 少し別の話題になりますが、冷戦終了後、冷戦というのは米国とソ連の二大対立によって、 ものすごい対立と、それから核の脅威なんかが続いてまいりました。
でも、冷戦終結後にソ連 が崩れてしまった後、アメリカは、今度は敵がいなくなってしまったわけなんです。
それは困 るということで、彼らが最初に敵とみなしたのは、実はイスラム教徒ではなくて日本だったわ けなんです。
これは経済的な敵という意味になります。つまり政府による支配というものがだ んだん、企業による支配に変わってきたということですね。
つまり政府は支配の道具に、前か ら多かれ少なかれ、そうであることは間違いないんですが、如実にそれが出てきてしまってい るということです。
 一方で、冷戦後、急激に激しくなったのは産業スパイ活動なんですね。
これはアメリカ、イ ギリス、フランス、ロシア、そして中国、当然ながらですね。
韓国もそうです。そして、コーポ レートクラシーと言われる企業とそれから銀行ですね。
これはもう三井住友とか、そこら辺の 日本の銀行ではなくて、もう世界的な巨大な銀行ネットワークという話です。  
 例えば戦争をしている国々があるとしたら、そこのある国に対して、武器を売っている会社 と、それから別の国、
もしくは組織に対して資源を与えている、もしくは武器を与えている会 社の株主が両方同じ銀行であるとかですね。
そうなると、儲かってしまうという話なんですね。 そういうものがどんどん見えるようになってきたということです。


 そして、企業が政府を利用して外国政府を転覆するというようなことが、アラブの春もそう ですし、イラク戦争もそうですし、
リビア戦争なんかもそうですが、ずっとそういうことが行 われてきて、それが「ショック・ドクトリン」と呼ばれるわけです。
つまりこれというのは、 衝撃を与えて、皆さんの考える能力を奪ってしまうわけなんですね。
本当に、人間というのは すさまじいもの、破壊力を見せられてしまったら、頭の中が真っ白になるんです。
 皆さん、東日本大震災をご経験だと思いますが、震災でドンという激しい揺れ。過去の地震 であれば、
最初の30秒ぐらいで終わっていた地震が5分6分も続くと、そうなると、もう皆さ ん頭の中が真っ白になるわけですね。
次に津波は来る、それから福島原発の放射能が来ると。 もう真っ白になってしまう。
 そんなとき、やっぱり人間というのは弱いもので、何かしらのものにすがりたがるわけなん ですね。
それが大きく形を変えて、世界でいろんな国を破壊した後にメディアがやってきて、 あたかも正しかったかのように、
もしくはサダム・フセインが大量破壊兵器の話もありました。
いろんな話がありました。そういうものを持っていたからやるべきだったんだというものが、
後で批判にさらされつつも、それが事実化してしまって、事実上、動かせない歴史的事実になっ ていくということなんですね。
 その中で、そういう「ショック・ドクトリン」の陰にあるのが大企業と言いますか、もう超 巨大企業ですね。
建設会社とか石油会社とか、それから武器弾薬を調達する会社、みんなそう です。
こういう話をすると、みんな「じゃあ、あの会社は悪い会社だ。
こっいはいい会社だ。」 というようなことをみんな言うんですが、これはいい悪いの話ではもはやないということなん です。
世界では国益のために、企業の利益のために、当たり前のようにこういうことを行うも のなんだよ。という事実を直視しないといけないというわけなんです。


第4章(全ては武器になる)

銃やミサイルだけじゃない…? 食糧・資源・水を使った間接攻撃

第1章で「ジャンヌダルク症候群」という考え方をご紹介しましたが、ああいったものも含め て、私は全て武器(兵器)だと思っております。
実際に武器というのは、大砲、銃、ミサイル だけじゃないんです。
先ほどのようなイメージ戦略も武器ですし、それからほかのいろいろな 武器を説明しますと、
最近ではイルカから食料からウイルスから天候まで、いろいろなものが 武器になると言われています。


これは、日本ではまだまだ考えが浸透していませんが、例えばイルカ兵器なんていうのはア メリカ軍がずっと研究してる話です。
ロシア軍も最近導入を決定しました。今年の5月ですか ね。
1989年には、和歌山県の太地町ですか、イルカをとるところですね。あそこからアメリカ 海軍がイルカを何頭か購入して、海軍のセンターで訓練しているというような話もあります。


それは、この世で使えるものは全て兵器として使うというのが、各国の考え方なんです。こ れは世界では当たり前なんです。
この考え方の根本というのは、カウンターインテリジェンス。 つまり、敵の思いもつかないような方法で相手を攻撃するということです。


それから、我々が生活する上で必要とする基盤を全て押さえるということです。特に食料、 資源、水ですね。
そういうものを押さえられてしまったら、我々生きていけないわけですから、 戦争も政治もへったくれもなくなるわけですね。
ところが日本は水以外、食料も自給しており ません。
資源も自給できません。資源を自給しようとした政治家は、なぜか知らないですが、 逮捕されてしまったり、交通事故に遭ってしまったりということが多い国です。
ほかの国と比 べても、政府高官が妙な首のつり方をしたりとか、事故に遭ったりとか、スキャンダルという のが非常に多いんですね。
その全てではないですけれども、そのうちの多くの人が資源の自給 外交を自分でやろうとしていた方なんですね。


いつの間にか消えた日本の食料自給率 UPキャンペーンとTPPの出現


これは偶然かもしれませんし、あまり安易に結びつけると、それこそ陰謀論になってしまう ので、
そこは当然気をつけなきゃいけないところです。
しかし、もしこれで日本が食料自給を してしまえば、例えば2008年ぐらいまで、
農林水産省は一生懸命食料自給率を上げましょうと 言ってたはずなんです。
たったの39%しかないじゃないかと。それを何とかして50%、60% に上げていこうといって、
大々的にキャンペーンをやっていたはずなんです。
ところがあるとき から、ピタッとなくなってしまった。


それと同時に出てきたのが「TPP」というわけなんです。「TPP」は完全に農業をやっている 皆さんに、表向きは積極的な農業と言ってますけれども、
農業はもう大変な作業ですから、そ んなマーケティングという理論の世界で動くわけではなくて、天候とかいろいろなものに左右 されるわけなんです。
そんな簡単に、人間の思いどおりに全てがいくわけではないんです。そ れがそういう言葉に変えられてしまっていて、
今や食料自給率の話はどこかに消えてしまいま した。


そして、TPPで安い食料を得て、我々の農産物は高級農産物として中国に売ろうじゃないかと 言っているわけです。
でも、結局中国の爆買いなんかが続いたのは、わずか1年なんですよね。 円高になってしまったら、急に来なくなってしまったんです。
そして今度は、通貨の安いとこ ろにどんどん流れていくと。それは当然の流れですよね。
日本だって、バブルのころはみんな 海外旅行に行きましたけれども、バブルが崩壊したらみんな行けなくなるわけなんです。
だか ら当然のことなんです。そんな思い通りにいくわけはないです。


イルカ、鳥、虫…

米国が開発を進めるドローン兵器の実態
このように、食料も含めてあらゆるものが武器になるんですが、イルカ兵器のほかにも鳥型、 虫型ドローンというのがあります。
実はこれ最近のニュースですが、アフリカのソマリアでカ ラスの形をしたドローンが撃墜されました。空を飛んでいると鳥にしか見えないんです。
とこ ろが落ちてきたのを見ると、そこに赤外線カメラや何か、みんなついているわけなんです。そ れはドローンなんです。
いわゆる四角いプロペラがついた飛行物体が来ると、「あっ、ドロー ンだ」って我々は気づきますよね。
ところが、鳥がピーピー言いながら飛んでいれば、絶対疑 わないわけなんです。


今はもう、アメリカのみならず世界各国でそういう鳥型ドローンというのが出てきています。
例えば本物のカラスや鳩みたいなドローンが電線の上にとまって、ターゲットがいたら察知し て、一緒にビューッと飛んでいって、
車の上にポンと乗ってそのまま移動するとかですね。
そ のほかには、虫型ドローンですね。
このぐらいの虫を上空の輸送機からパラパラと落として、 家の中に潜入させて色々な情報をとって帰ってくると。
実際にもう10年以上前から、色々とそ ういった実験をやっているわけなんです。


将来的に、蚊にウイルスを持たせて殺してしまおうとか、もしくはある特定の食料だけを食い 尽くす昆虫をつくろうとか、いろんな計画がありますね。
それを例えば日本の穀倉地帯にポン と落として食い尽くしてしまえば、日本はその年、米を食べられなくなってしまうと。
すると 諸外国、つまりアメリカなどから米を大量に輸入するしかなくなるわけですね。
これからそう いうことが現実に起こり得る時代になりつつあるということです。


ベトナム戦争で使われたアメリカ海軍の「気象兵器」

もう1つ、天候も兵器になるということです。これは気象兵器と言われておりまして、実際に 使われました。
1968年ですかね、ベトナム戦争のときにホーチミンルートという、北ベトナム からカンボジア、ラオスを通っていろいろな武器、
弾薬、兵員を輸送するホーチミンルートを 攻撃する際に、アメリカ海軍がポパイ作戦というのをやりまして、気象兵器を使って雨を大量 に降らせました。
これ実際に、公開情報で出ています。輸送機で、おそらく上空から化学物質 か何かをまくんですかね。
それで雲の中に変化を巻き起こして、大雨を3、4カ月降らせて、か なり敵の輸送量を減らせたというようなことをやっています。

実際に、前の国防長官のウィリアム・コーエンさんも、こういうような兵器が実際に存在し 得るんだということを発言しております。
そしてその証拠に「環境改変兵器」つまり天気とか、 そういうものを「環境改変兵器禁止条約」というのものが1977年に発行しています。
これは日本政府も署名しています。もし、そういう兵器が存在しないのであれば、こんな条約はないわ けなんです。


 例えば、私は宇宙人がいるかどうかわかりませんけれども、宇宙人との独占交渉を禁止する 条約が出てきたら、
どこの国が宇宙人と交渉してるんだよという話になると思うんです。
そういうものが実際にあるから、こういう条約ができるわけなんですね。

実際に中国も、北京オリンピックの前なんかは、とにかく雨を降らせないようにということ で、
空に向けていろいろなロケットを打って、雨を降らせないようにするための施策をたくさ んやっています。
これは確かNHKでもやっていました。雨を降らせるための兵器というか薬品 もありますし、逆に晴れにするものもあるんです。
私はNHKスペシャルで、おそらく10年以上 前に見たことがあります。
人民解放軍がロケットを打つと雨が降ってくるんです。それによっ て雨の必要な農業を助けるとかですね。


「エボラ出血熱」ウイルスは生物兵器なのか


オウム真理教が探し回ったウイルス

 そして、私もナイジェリアに勤務していた時にすれ違ったエボラ出血熱ですが、これも兵器 ではないかという説が非常に強いです。
私はこれは確認をしておりませんので、当然わかりま せん。わかりませんが、
このエボラ出血熱をこれはいわゆる生物兵器と言われるものとして使 えるものであれば、
使おうじゃないかと思うのが国際社会の一般的な考え方であるということ だけは間違いありません。

実際に使えるかどうかわかりません。わかりませんが、1990年ぐらいに日本の宗教団体が、
このエボラ出血熱の株、病原菌をアフリカで探し回っていたという記録が、アメリカのCDCで すね、
衛生機関のCDCが発行した機関紙の論文の中に書かれています。
そしてこの宗教団体と は、いわゆるオウム真理教というところですね。
オウム真理教が、麻原彰晃死刑囚が16人の医 師と看護師を連れて中央アフリカのザイールに入国しまして、
そこでエボラ出血熱に関する情 報収集を行っており、エボラウイルスを日本に持ち帰ることまで計画していました。
実際に彼、 現地に行っているんです。その5年後に地下鉄サリン事件が起こったということですけれども。
ウイルスとか、こういうものは当然兵器なんですね。


黒人のDNAだけを食い尽くす 恐怖の「南アフリカ沿岸計画」

もう1つ、じゃあそういう化学物質だろうが、薬だろうが、病気だろうが、国益のために使 えるものは使うと。
その中の1つに「沿岸計画」というのがあります。これは1970年代、80年 の人種差別が残っていた南アフリカでの話なんですが「プロジェクトコースト」と言われまし て、
実は黒人だけのDNAを食い尽くして破壊する病気の研究です。
恐ろしい話ですが、これは 実際に存在します。
ハリウッド映画で、その一部に関連するような映画がありますね。
南アフ リカを舞台にした「ケープタウン」という刑事ものの映画ですが、こういう計画が本当にあっ たんです。


ちなみに、イラク戦争のときに大量破壊兵器の存在に疑問を抱いていたイギリス人の生物兵

器専門家のデービッド・ケリー博士という方がいます。彼は当時、サダム・フセイン政権が化 学兵器、
大量破壊兵器を持っているということに疑問を感じていたそうです。
ところが、当時 イギリスのブレア政権は何とかして戦争に持っていけるように、
政府が提出する報告書の内容 を、いかにもセクシーにでっち上げようとしていたと。
ケリー博士はそのことをBBCというテ レビにリークしたんですね。
そして、ケリー博士は同時「もし私の遺体が森の中で見つかった としても不思議ではないよ。」と言ったんですが、
実際に彼は森の中で遺体で見つかりました。 これは有名な話です。


実はこのケリー博士の死があまりにも不審だということで、13人の医師が当時の遺体解剖書 のようなものをいろいろ見て、
当時自殺と言われたんですけれども、自殺なんかではあり得な いということを今でもずっと主張しています。
さらに、驚くことにこのケリー博士はアパルト ヘイト時代の南アフリカで、さっき言った「沿岸計画」にかかわっていたという話があります。

しかし、それに関わっていたケリー博士は良心が痛んだんでしょうか「秘密の告白ノート」 を書いていたんです。
自分が今までやってきたこと全てをその中に書いていたんです。ところ が彼のいわくつきの自殺の後、その秘密の告白ノートもきれいになくなってしまっているんで すね。
まあ、こんなものが知られたら大変なことになりますからね。

こういうのを聞くと、なんて恐ろしいことをするんだという気持ちになりますが、先ほども 言いましたように、これは善悪の問題ではありません。
これが現実なんだということなんです ね。こういうことがあるどうかは、どの程度あるかどうかは別にして、
国益という視点から見 ればあり得るんだということを考えていただきたいということです。

米国:特殊部隊を使った暗殺作戦の実態


少し話は変わりますが、アメリカの前政権(オバマ政権)というのはブッシュ政権と違いま して、
地上軍の派兵を嫌がってあまりやらなかったんですが、その一方で秘密戦争・秘密作戦 をたくさんやりました。いわゆる「暗殺」をたくさんやってきたんですね。
 その手法は大きく2つあるんですが、1つはいわゆる米軍とか欧米軍の特殊部隊を投入する。
特殊部隊による作戦もそうなんですが、その一方で現地の過激派、私は過激派だと思っている んですけれども、
穏健派と言われるシリア反政府軍などを支援する、武器の提供、訓練の提供 をするというのが1つですね。もう1つは「ドローン」による攻撃です。
 まず、特殊部隊の運用について。昔は特殊部隊と言われてもなかなかわからなかったですが、 最近は映画なんかでいろいろと特殊部隊が出てくるような時代になりました。
ただ、非常にそ の運用面とか作戦内容、行動内容については秘密性が高いんですね。本当にそういう意味では センシティブな仕事をするので、大体メディアも追いかけられないと。
メディアの注目も、あ る意味薄いんですね。
ですから、特殊部隊を使えば秘密戦争をいくらでも行えるという非常に 便利な存在です。


シリアにおける穏健派と言われる反政府勢力の人たちがパレスチナの子供の首を切ったりと か、そういうことをやっているということで、
実際に現地に入っている特殊部隊員なんかも、 決して少なくない数の人たちがどんどん辞めていくという現実があります。
自分たちはアルカ イダとか過激派と戦いに来たのに、実際には自分たちが支援しているのが過激派ではないかと いうことに落胆したり。その上、地元の人からは全く感謝をされないと。
やっぱり特殊部隊員 とか兵隊というのは、非常に純粋な方や、真面目にやっている人たちが非常に多いです。
もと もと非常に正義感があって優秀な人たちですので、実際にそういうものを見てしまって、現実 を知ってしまうと、激しく失望してしまうということがあります。


一方、米軍の特殊部隊の採用は増加しております。米軍の軍隊自体の兵力は削減しているん ですが、特殊部隊だけは増加しています。
現在7万人規模と言われています。しかし、なぜかや はり辞めていく人が多いんですね。
ですから、採用自体を増やさざるを得ないと。
実際に統合 特殊作戦コマンドの提督は、特殊部隊は現在、非常に疲弊していると言っています。
アフリカ だったりとか、世界各地のオペレーションにいいように使われまくっているということです。
 しかし、実際に辞めた後が困るんです。日本もそうですけれども、特殊部隊員というのは軍 隊に入って5年、
もしくは7、8年経たないと、特殊部隊のセレクションコースにも入れない。
つまり18歳から入って、もしくは大学を卒業してから入って、ずっとこの特殊作戦の世界に生 きている人じゃないと入れないので、
実際に辞めても、すぐに民間で仕事が見つかるわけじゃ ないんですね。
ですから、辞めた後もCIAのコントラクターとかいう形で、さまざまな秘密作 戦業務をされるというようなことが多いと思います。

 実際、7万人と言われていますが、これは非常に多い数ですよね。私、友人にイギリス陸軍特 殊部隊の方がいます。
イギリス人はアメリカをばかにしていますので、彼は米軍の特殊部隊に ついて「特殊部隊っていうけど、
特殊な人間がそんな何万人もいるわけないだろう」というふ うに言っていますが、これはそのとおりです。数を増やせば増やすほどレベルが下がるんですね。
まあそうは言っても、一応特殊部隊ですので、一般の兵士よりもすごく能力が高い連中、 そういう連中がやっているというのが実態です。


まるでカードゲームのように暗殺を行う? 米国の”ドローン爆撃”

もう1つ、ドローンですね。これはオバマ大統領がとても気に入っていた方法です。アメリカ 兵を命の危険にさらすことなく、
そして民間人の巻き添えを最小限にとどめるピンポイント攻 撃だと言っていますが、実際のところ、これは非常にあやふやです。
この方法というのは、議 会や裁判所の承認は必要ないんですね。大統領がオーケーを出せばできてしまう。
一方、米軍 のほうがまだマシでして、米軍は軍の弁護士が、この攻撃は例えば違法ではないか云々という ことをアドバイスするんですが、CIAもこれを独自に運用しています。


この場合、意思決定のプロセスとかそういうものが全くわかっていないんですね。
元ドロー ンのパイロットに言わせますと、ドローンの攻撃能力は非常に高いんですが、ターゲティング能力が、
つまり標的を正しく認識して命中させる能力はそれほど高くないということです。
2011年以降ですか、ある5カ月間における攻撃では、90%のダーゲットが狙ったターゲットと は別人だったと言われています。


一方で、アメリカの政府高官のドローン攻撃をやっている人たちは、監視殺害リストという のをベースボールカード、野球カードありますよね?
ああいうものに見立ててトランプのよう にして写真を張りつけて、死んだ、死んだ、死んでいないということをやっていくそうです。
そして、これは相手に知られないように上空から監視して、いきなり殺害します。

一切通告も なくいきなりです。そのため民間人や子供の犠牲者も非常に多いんですね。
 イギリスのある団体:調査報道局というところの調査によりますと、パキスタンでアメリカ は何百回とドローン攻撃をしているんですが、
2004年以降、繰り返されるドローン攻撃によっ て最大4,000人近い人が殺されたとされています。しかし、
そのうち1,000人近くが民間人で あり、さらに207人が子供であったと。


それに対して米軍の、米軍といいますかおそらくCIAでしょうか。
それを運用している人た ちは、それを正当化するために、子供たちのことを「一口サイズのテロリスト」と、「bitesize terrorists」とか「tits」と呼んでいます。
「tits」というのは非常に悪い言葉で、女性の おっぱいという意味ですが、それに引っかけて「terrorists in training」と言っています、
子 供というのは訓練中のテロリストだということですね。

これはアメリカ軍が日本を空襲したときも、日本には民間人なんかいないんだと。
日本の子 供たちは小さいころからチャンバラをして、もう既に兵隊になるベースができているので、
彼 らは戦闘員と同じなんだという理屈で殺したのと全く変わっていないということです。
 一方、CIAという組織は最初から謀略機関ではあるんですが、ここ最近のCIAは特に変質、
も う質が変わってきてしまっていると言われています。
なぜかというと、軍にかわってCIAが独自 で戦争するようになっているんですね。
かつては情報収集や分析など、非常に忍耐の必要な地 味な仕事、データを集めて蓄積して、
そしていろんな専門家から意見を聞いて、実際に現地で もヒアリングをするというようなことをやっていたんですが、
今はもう派手な戦闘行為をやる のが花形みたいになってしまっています。


マーク・マゼッティさんという方は本の中で、特に2001年以降に入った職員は、人間狩りと 暗殺しか経験していないということを言っているんですね。
そういうのが実際秘密戦争として、 オバマ政権の中でずっとやられてきたことです。
 アメリカ政府は、シリアの反政府勢力に対して年間10億ドル、これは1,000億円をシリアの穏健な反政府勢力に渡しているといわれています。
そして、2011年から14年までは77億ドル がつぎ込まれているが、そのほとんどが最終的にはIS(イスラム国)の手に渡っていると指 摘するジャーナリストもいます。
一方で、2017年度の会計年度では40億ドル、5,000億円近 いお金がシリア、イラク関連としては割かれているが、
それが純粋な人道支援なのか、もしく は軍事支援なのかは明確な線引きはありませんということです。


日本を永久に隷属化しようとした 「TPP条約」 米国の本当の狙い


次、日本を永久に隷属化する「TPP条約」。TPPの話題はようやくなくなりましたので、
我々 は今のところ一息ついていますがわかりません。
100%大丈夫とは言えません。またしばらく して別の形で出てくるかもしれません。
すでにアメリカ国民自体が北米自由貿易協定で、かな りやられてしまってるという現実があります。
自由貿易が行きすぎた結果、タコが自分の足を 食うような形になりつつあるというので、
これにブレーキをかけようとしたのかもしれません が、当時オバマ大統領は2015年までにTPPを活用して輸出を2倍にすると言っていました。


これについて、おかしいなと思うのは、我々日本がTPPでアメリカにたくさん輸出をするん じゃなかったっけって話なんですね。
なのに向こうが輸出を2倍にすると言っている。
結局、我々 が買わされるってことなんですよね、これは。ちなみに、2011年11月の段階でアメリカ政府は、
すでに日本がTPPへの参加を検討する時間は限られていて、もう待てないと言ってきました。 これ今から5年も前の話ですよ。


そして、私はよく覚えていますが、当時「バスに乗り遅れるな論」が台頭しました。このま まだと、もう乗り遅れてしまうと。
最初に交渉に入っておかないと、後で決められないんだか ら、とりあえず乗っておこうと。民主党も自民党も、もうずっとその調子でした。
特に民主党 ですね。結局、5年経ってもいまだに待ってるじゃないですかって話なんですね。


その中で一番の問題は何か。もう皆さんご存知でしょうが「ISD条項」です。これは米韓FTA にも入っています。
ちなみにこれをやったとき、オバマ大統領は「これでアメリカ人の雇用が5 万人ほど確保され、生み出された」と言っています。
つまりそれは、韓国国内の雇用が5万人な くなったということなんですね。


このISD条項というのは、国民や市民の総意で民主的に決定されたことを、一私企業が訴えて、
莫大な費用を負担させて、裁判で争う経済システムということです。つまりですね、私はこれ でずっと懸念していたのは、
仮にTPPを日本が飲んだ場合、日本の国民皆保険制度がまず狙われます。
そうして、3年か4年かけてアメリカの巨大な保険会社がどんどん来て、それで日本が 数年間TPPを締結したあとに、
これを民間にやらせなかった結果、例えば、我々は10兆円の利 益を失いましたと。その分を返せと言ってきて日本が訴えられた場合、
世界銀行の傘下にある 「国際紛争仲裁センター」に、その審理が上げられるわけです。


そして、ここは一審制です。一審制で、しかも3人の判事は、名前の公表されていない3人 のアメリカ人判事なんです。そこで決めたもの。
しかも密室で決めた結果、もし日本が負けて しまったら、おそらく10兆円をそこの企業に払うと。
しかも一審制なので上告もできませんし、 国際条約だから従わなきゃいけないと。
そういうのがISD条項です。つまり我々国民が決めて、 長年我々が総意で全国民のために、富める者も、
貧しき者も最低限の生活ができるようにと憲 法で決めて、運営してきた保険が、一私企業が1回訴えただけで、ひっくり返されてしまうと。


その背後にいるアメリカの超腕利きの、白を黒といいくるめ、黒を白といいくるめるのに長 けた人たち。
それで飯を食ってる頭のいい人たちがつくったペーパー1枚でひっくり返されてし まうと。
そういうのがISD条項の本質ということです。一時期これ、2011年、12年ぐらいに議 論になりましたが、
それからピタッと止みました。メディアが言わなくなったからですね。


4,000ページを超える英文の 契約書に隠された恐るべき条項

次に「ラチェット条項」。これは歯車という意味だそうですけども、加盟国が、例えば条約 締結後に、
これはちょっとやりすぎだろうと、弊害があるだろうということで、新たに自国に 有利な規制を導入しようとする。
もしくは、途中で抜けようとしても、それはできませんよっていうことなんです。これ、昔の日米修好通商条約にあった関税自主権等で、
日本はすごく苦 労したはずなんですよね。
江戸幕府が結んだあの不平等条約で苦しんで、これを取り返すのに 何十年かかったのに、今またこれをやろうとしてたわけなんです。


今はもうほとんど言われていませんが、当時、この交渉は徹底した秘密交渉で、国民にも非 公開でした。
政治家もほとんどこれを読んだことがなくて、その契約書は全部で4,000ページ か5,000ページあると。
その要約版も翻訳間違いがたくさんあって、こういう重要な係争問題 のところは、さらっと流してある。
しかも、締結してからTPPの内容は4年間国民に原則非公開 なんです。
 今時そんな秘密条約がありますかと。これ我々の知る権利の侵害でもあります。
でも、一部 の政治家が集まって、それで4年間非公開になっちゃうわけです。我々はその内容を知ることも できない。
4年経って、色々とむしり取られてからようやく気が付いて、この条約にはこういう 文言があったんだと知ると。
「そーなんだ、じゃあやめようか」といっても、ラチェット条項 で戻れないんです。
そんなものを我々支持してたわけなんです。「バスに乗り遅れるな!」っ て政治家もメディアもみんな一生懸命やってたわけですね。


それで、あの時こう言われませんでしたか TPPは「安全保障問題」だと。これ、野菜とか 米を売るのが、
なんで安全保障問題なのと私は思うんですね。
確かに、これはアメリカにとっ ては安全保障問題ですよ。なぜかというと、
キッシンジャー(ニクソン政権およびフォード政 権期の大統領補佐官・国務長官)は、「この世にある全てのものは兵器である」と言いました。
銃やミサイルだけじゃなくて、食料も兵器なんだと。例えば、日本に食料をどんどん売りつけ て、
日本がアメリカ産の食料に依存するようになって、日本が言うこと聞かなかったら、
それ をプッと止めてやれば日本は言うこと聞かざるを得ないんです。
それは兵器なんです。でも日 本にそんな力がありますか。ないですよね。
日本がTPPを兵器にするんじゃなくて、兵器にさ れるんですね、日本の方はそういうことが分かっていません。


ある日突然、盲腸の手術が数百万円の請求に

それからTPPは「中国包囲網」だという話もありました。でも、当のアメリカはいつの間に やら「中国も入ったらいいな」って言ってるわけですよね。
話が違うんですよ。TPPで牛丼が 一杯100円になるんじゃないかって話もありました。
牛丼が100円になると、みなさんうれし いですか? その裏を知っていたら、100円の牛丼食べるためにこんなことやりますかね?


また、平成の開国をすべきだという話もありました。でも、もう十分日本は開国しています。
今は開国しすぎているぐらいです。関税なんか今やあってないようなものです。
日本の自動車 産業も全部海外で作っていますから、いわゆる関税の無効化で作っているわけです。
そうする と関税は関係ないわけですよ。彼らの本当の狙いは非関税障壁なんです。
保険とか特許と医療 とか、そういうものなんです。

つまり我々が、今だったら10万円ぐらいで出来てしまう簡単な手術がありますね。
それも国民皆保険制度が破棄されたら、保険が適用にならないので、みんな民間の保険を使ってやるこ とになります。
しかも、アメリカは手術の縫い方一つとっても特許がありますから。それをやっ たら特許料を払うことになるので、
つまり盲腸で手術するのに何百万円かかるって話になるわ けです。
そういうのを本当にあなたたちはやるんですか?ということなんです。
これ、日本の TV・新聞などの大手メディアは推しまくってましたからね。
私はメディアでTPP反対論者をほ とんど見たことがありません。
なので、勉強をすればするほど怖いものだなということがわか るわけですが、全くこういうことを見抜けていませんでしたね。


第5章(日本の分断統治)


欧米が得意とする植民地支配の常套手段「分断統治」
 国家を分断して統治するという手法は、実は過去500年間、世界各地で植民地を作り、
異民族 を支配してきた欧米諸国が得意とする手法です。
分断統治というのは非常に有効なやり方でして、 例えば戦略的に重要で、
あるいは魅力的な資源を有する国や集団を統治する際によく使用されて きたということなんですが、
その戦略の根本は”支配される側の結束を分断する”ということです。?


 これというのは、植民地支配の期間だけではありません。独立をさせた後も、
その怒りの矛先 が自分たちの方に向かないように、異民族を入れたり、国境をあえて分断して、後々揉めるよう な火種をわざと残したりします。
それ以外にも、その国が自分たちよりも経済的・武力的に力を 持ってしまわないように、
周りの国と揉めるような火種を残したり、資源を確保させないように 間接的に妨害をしたりということを行います。
そのような観点からすれば、日本を占領していたア メリカにとって、戦後奇跡的な復興を遂げて世界2位の大国となった日本に、
また逆らわれたら困 りますから、日本を分断して統治するということを当然やるわけなんですね。


なかなか進展しない「北方領土」問題の謎

 例えば、日本が領土問題で揉めている北方領土、竹島、尖閣諸島はみんなそうですが、北方領 土は、ある日突然ソ連軍が攻めてきたんじゃありません。
ソ連のスターリンとチャーチルとルーズ ベルトが3人で話し合って、そしてアメリカ、イギリスの意思決定のもとに合意されたものなんで すね。
つまりやってきたのはソ連ですが、ソ連、アメリカ、イギリスの合意事項であったという ことです。つまりアメリカも背後にいたということです。


米国が「竹島問題」に積極介入しない理由

 では、竹島はどうでしょう。竹島は、サンフランシスコ講和条約締結の数ヶ月前、直前にとら れているはずなんです。
当時、韓国のイ・スンマン大統領の側近はCIAの秘密工作員だったんです が、本当にイ・スンマン大統領が独断で、
まだ力の弱い韓国軍だけを使って、これから国際社会 に復帰しようとする日本に対してああいう行動をできるわけがないんです。
当然、アメリカが背後 にいるわけなんです。


 今でも竹島というのは、日本と韓国の間の非常に大きな懸案になっていますが、実はこの竹島 で今何が行われているかというと、
周辺には大量の「メタンハイドレート」という資源。
燃える氷 と言われる、ガソリンの次に人類の燃料になるようなものがあります。
それを商用化するために、 韓国は一生懸命やっているわけです。
しかし、その資金は、どうやらアメリカ政府とかアメリカの 企業あたりから出てるんだという話もあります。
対立をさせて、そこで漁夫の利を得るというこ とです。
これは中国人が3000年前に発見した思想ですね、漁夫の利というのは。今でも我々はぴっ たりはまってしまっているということです。


「尖閣諸島問題」を作り上げた犯人 

 では、尖閣諸島はどうでしょうか。
1968年にECAFEという国連の資源調査団が、膨大な石油・ 天然ガスを尖閣諸島のあたりで見つけました。
その直後、当時の台湾、中華民国と、それから中 華人民共和国が、我々の領土だと主張しましたが、
実は一番最初にここの資源に目をつけたのは アメリカの資源メジャーです。
アメリカのメジャーは、これを非常に欲しがったんですね。
そのこ ろちょうど日中・米中の雪解けの時代と言われていましたが、周恩来とキッシンジャーがニクソ ン大統領訪中の前に会談をしているんですね。


 このとき周恩来は、「この北方領土も竹島も、それから尖閣諸島も、
サンフランシスコ平和条 約を含めてどこの国に帰属するということが明確に書いていないけれども、
これは誰がやったん だ 一体誰の発案だ?」聞いたそうです。
そうしたらキッシンジャーは、アレン・ダレス(元CIA 長官)だと。つまり周恩来さん、あなたの昔のお友達ですよ。と言っているわけです。
そして、そ れはなぜかというと、日本をこのまま経済的に大きくしていくことは、中国にとってもアメリカ にとってもよくないことでしょう、
手に負えなくなりますよという話を彼らはしているわけなんで す。


 田中角栄さん、最近人気が大分戻ってきていますが、田中角栄さんは、そういうのを見越した上で日中独自に手を結んで、
それからソ連とも手を結んで独自の資源外交をしようとしたわけなん ですね。
それで虎の尾を踏んでしまったような形になったんではないかと言われております。


 日米同盟は、当然日本を守るというふうに我々はずっと信じておりましたし、実際にそのよう に機能するようなこともあり得るんでしょう。
しかし、一方で日本という強力になり得る国を押 さえておく「ビンの蓋」の役割もあります。
これは、海兵隊の司令官が90年代にそう言っていま すね。
日米同盟というのは「ビンの蓋」なんだと。日本を押さえ込むための道具なんだって、彼 ら自身も言っているんです。
アメリカの本音はそこにもあるということなんですね。


 つまり、日米同盟があるから大丈夫だ。アメリカ様々だからといってベタッとなっていること は、あまりお利口なことではないということですね。
そういう現実もしっかり見据えた上で、し かし中国が勃興してきている現在、アメリカは今西太平洋から東太平洋に引こうとしている現在、
どうやって日本を守っていくか。当然、日本一国では守れなくなってしまっていますから、どう やってそれをアメリカの力をうまく利用しながら、
この地域の安全を守っていくかということを 考えなきゃいけないというわけなんです。そうなると、これは良い悪いという話ではもはやない ということです。
国際政治において良し悪しというものはないと、どちらが国益にとって良いの かという話でしかないということです。


尖閣有事でアメリカは来てくれるのか

手玉に取られ続ける日本の高官たち
 今皆さんのご懸念・ご心配の種でもあると思いますが、東シナ海・南シナ海であれだけ中国 が傍若無人な行動を取っていることについてですね。
周辺国はベトナム、フィリピンなど、ほ とんど力がないところばかりです。
彼らは日本にすごく期待しているんですが、
日本は法律上 の問題でなかなか手を出せないです。
さらにアメリカも非常に後手後手の対応を取っています。 これはわざと後手後手なのか、
本当に無能なのかは別にして、非常に後手後手でした。
 では、東シナ海の尖閣諸島で今後有事が起きた場合、アメリカは助けに来てくれるのでしょ うか?
私も含めてそうですが、もう中学生、高校生のときから、日本で戦争か何かがあれば、 アメリカは絶対に日本を守ってくれるんだと。
それが日米安全保障条約なんだということを刷 り込まれてきました。


 前の章で「TPP」の話をしましたが、我々は非常に従順な国民です。私自身もそうでした。 なので、条約の内容を読んでもいない、
100%理解をしていないのに、メディアや何かがそう 言うと、そうなんだと信じ込んでしまうんです。
TPPの全条文を読んだ日本人なんて恐らく1人 もいないんじゃないかと私は思っています。
あそこに書いてある危険なものがどうなのか、何 を意味するのか、
それを自分の目で確認した政治家なんてほとんどいないのではないかと思い ます。


 TPPは4,000ページ以上もある一方で、日米安全保障条約はわずか5条の短い文ですけれども、
これを全て読んで内容を理解した日本人も意外に少ないんです。その第5条になんて書いてあるかというと、
「各締約国は日本国の施政下にある領域における、
いずれか一方に対する武力攻 撃が自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め」ここまではいいんです。
その後、 「自国の憲法上の規定及び手続きに従って、
共通の危険に対処するように行動することを宣言 する」この「自国の憲法上の規定及び手続き」というのは、
実は日本だけではないんです。こ れはアメリカもということです。


 尖閣諸島には人は住んでいません。大量の資源は眠っていますが、人は住んでいません。
ア メリカ人も1人も住んでおりません。その尖閣諸島において、日中間で領土問題の懸案が起きた 場合、
果たしてアメリカ人は自国民の血を流してまで日本のために戦うのか?ということなん です。


 では逆に、これが日本だったらどうでしょう。例えば日本がフィリピンとこういう条約を結 びました。
そして、フィリピンの誰も住んでいない島が中国に取られそうになった。そのとき にフィリピンの大統領が、
「日本よ、条約に従って助けに来てくれ」と言ってきます。「ただ し、フィリピンは独自では法律があって何もできないから行けないけど、
俺たちの代わりに日 本が戦ってくれ。」こう言ってきたら、多分日本人はノーと言うと思うんです。「いやいや、
お前らがまず先にやれよ」と。普通に考えたら、少なくともそれが道理でしょうという話です よね。

 これは全く同じ話で、アメリカにとって、アメリカ兵が尖閣で血を流すということと、
血を 流してまで中国と対立するということは、経済的・予算的な話も含めて、とてもとても割に合 わないわけです。
 一方で、今アメリカは戦略的にはグアムの線まで引いているんですね。アメリカ軍の作戦は 昔と違いまして、
今、空母は日本近海まで来ません。これは明確にアメリカが言っています。
つまり、空母が来ないということは我々が独自でやらなければいけないということです。
アメ リカの知識人やシンクタンクの関係者も、日本は自分で自分のことを守れよと言い出している わけです。
すると、我々が信じていたはずの日米安全保障条約でアメリカが自動的に来てくれ るはずだということ自体が、
我々は夢・幻のようなものをずっと信じていたということです。
たまたま今までそれが起きなかったというだけですね。



 これは企業のセキュリティー・危機管理対策も同じで、今までたまたま起きなかっただけな んです。
日本にとって、ある意味これは「ブラックスワン」かもしれません。
(誰もが「そん な事はありえないよ」と思っていた事態が発生する場合「市場に予測出来ない程の強い衝撃を 与える」という理論を指す。)
 単に今まではあり得ないことだったわけなんです。
でも、現実にはそうなっています。フィ リピンは見事にこれで領土を中国に取られてしまいましたよね。
同じように尖閣に有事が起き たとき、中国が素早い攻撃をして島を事実上占領してしまった場合、
もしかしたら近い将来起 こるかもしれませんが、アメリカは恐らく動かない可能性の方が高いのではないかと思います。


 実はあるアメリカ人(元国務省の高官の方)に直接お話を聞きました。そうしたら、彼は「そ んなわけはない、アメリカは確実に出ます。
何が何でも出ます。アメリカ軍は独断でも出ます。」と言いました。
おいおい、それって関東軍と同じじゃないかという話なんですけれども、
秘密作戦であれば別ですが、当然ながらアメリカ軍が議会の承認なしに動けるわけがありません。


 これというのは、例えるなら、何かあった時のことを心配している我々に対して「大丈夫だ よ」と、
まるで子どもをなだめるように、「まあ心配しなくても、いざというときにはお父さ んが守ってあげるから、
おじさんが守ってあげるから」と言うのと一緒なんです。
大抵、肝心 な時にはおじさんはお仕事で忙しくていなかったという悲しい現実になると思うのですが、
こんな感じで、我々はなだめられてしまっているというところなのではないかと思います。


中国の軍拡・暴走で儲かる人たち

 今、世界で暴れまわっている中国が軍拡をすることによって、誰が利益を得るのだろうかと いうことですね。これは、
本当にいろいろな方が利益を得ます。例えば南シナ海における軍拡 で今一番儲かっている国の1つはドイツです。


 南シナ海周辺の周辺国は、中国の脅威の前に震え上がっているわけなんです。この前の南シナ海の仲裁の裁定が出るときも、
実はベトナム軍は全軍最大レベルの警戒態勢を敷いていまし た。これは私、ベトナムにいる友達から直接聞いているんですけれども、
ものすごい警戒レベ ルだったそうです。彼らは今でも、中国が何をするかわからないと思っているんです。
日本では、一部の保守の方が絶対に中国の主張は認められないぞと言ってワクワクしていた程度なん ですが、
ベトナムは歴史上中国に何度もやられてきた国ですから、何をするかわからないとい う怖さを身をもって感じているわけなんです。
その結果、あらゆるそういった国々が非常に優 秀なドイツの武器を大量に買い付けたことで、
ドイツは向こう数十年の受注を得てしまったと いわれるぐらいに、ものすごく儲かっています。

 一方で、中国だけでなく、北朝鮮も最近暴れていますけれども、その脅威によって、アメリ カ製のミサイル防衛システムがまた売れるんです。
これは不思議だなと思ったんですが、昨年 末、安倍総理とパク・クネさんが急遽、何の前触れもなしに慰安婦についての合意をしました。
その結果、韓国国内で慰安婦問題がトーンダウンしたわけなんです。


 すると、その直後に北朝鮮が弾道ミサイルの実験をドーンとやりまして、さらに核実験もやっ たわけです。
韓国は慌てました。それで、急いでTHAADミサイルを買うぞということになって しまったと。
中国としてはTHAADを買われては困るからと圧力をかけましたが、韓国はそれに びっくりしてしまって、
THAADを買うという方向に一気になりました。そして、ついでに日本 もTHAADを買わなければいけないという話になっているわけです。


 そうなった時、最終的に儲かるのは当然「ロッキード・マーティン社」であるということで す。
これはヒラリー・クリントンさんの最大の資金元の1つであるとも言われています。つまり、
不思議と北朝鮮というのはタイミング良くというか、タイミング悪くというか、
危機を煽るた めに動いてくれる国だなと私はいつも思っています。
こんな巨大なビジネスが、なんでこんなに都合よくトントン拍子に進むのかということを私もこれから考えてみたいなとは思っており ます。
 一方で、中国の軍拡によって影響力・経済力が伸びるということで、AIIB(アジアインフラ 投資銀行)の実行力も当然拡大します。
中国の常套手段ですが、インフラを作ってやると言っ て借金漬けにされた国が、借金が返せなくなると。
では、代わりにおたくの軍港、港を貸しな さい。飛行場を使わせなさい。
中国人民解放軍の基地を作らせなさいということで展開するこ とができるようになります。


 それから、国内に滞留していた大量の人民元が外に吐き出されることになりますが、人民元 をもらっても何の足しにもならない周辺国、
もしくは新興国というのは、それを当然米ドル等 に替えるわけなんですね。それを替える場所というのが、
世界最大の人民元オフショア市場で あるロンドンです。となると、ロンドンもすごく儲かってしまう。
だからイギリスはAIIBに参 加しているわけです。中国の軍拡にはこういう背景があるんです。
ですから我々は南シナ海・ 東シナ海での中国軍の動き、戦闘機が動いた、爆撃機がどうこうという表層のものにだけ捉わ れてはいけません。
その動きも確かに大切ですが、それが一体どういう意味を持つのか、
本質 的にはどういうメッセージを持っているのかということをもう一回よく考えて、
その裏では誰 が本当に儲かっているのかということをよく考えていただきたいと思います。


経済発展を続ける日本を 封じ込めたかった米国の思惑

 では、日本と米中との関係について。これは、この前ある番組に出た時に、
元自衛隊の西部 方面総監の陸相であられた持田閣下がおっしゃっていましたが、
まさに今の日本は「前門の虎、 後門の狼」であるとのことです。
つまり、前門の虎とは中国です。後門の狼は、実はアメリカ だということを彼はおっしゃっていました。


 これを聞いて、まず私は、陸上自衛隊の幹部がこういうことを言う時代になったんだなと、 しみじみ思いました。
私は何年か前に、同じような陸相クラスの方に、「もし尖閣が有事になっ たら、私はアメリカがすぐに来るとは思えないです。」という話をしたら、
「そんななずはな いだろう。それでは困る。約束が違うじゃないか。」と言っておられました。

 その方は南西諸島の防衛の中核におられた方でもあったので、特に困ると感じたのでしょう が、
先ほども申し上げましたが、そもそも誰も約束はしてないんです。なのに、我々は勝手に そう思っているんです。
現場の自衛官の方でさえも、恐らくつい最近まで、何かあったらアメ リカは必ず来てくれるんだというのが定説でした。
まあ、今でもそう思っている方はおられか もしれません。ただ、ようやく先進的な方は、
アメリカは来ないという前提で備えなければい けないということを思い始めました。
10年前であれば、こういう疑いを持つことさえ話題には ならなかったので、一応進歩とは言えるかもしれません。


 それでは、前門の虎、後門の狼の張本人の両国が日本に対してどう考えているか。
これは、日本の封じ込めです。これは産経新聞でも報じられていますが、1970年代にニクソン大統領訪 中の準備のために、
先んじて訪中したキッシンジャーと周恩来の会話の内容があります。周恩 来は、「日本の経済発展がこのレベルで続くと、
いずれ日本は押さえられなくなる。
そうなっ たら大変な事態になるじゃないか、どうするんだ?」と、そうしたら、キッシンジャーは「中 国は伝統的に世界的な視野があるが、
日本は部族的で視野が狭い。」こんなことを言ったそう です。


 ちょっとカチンと来ますが、残念ながらこれはある意味合っているかもしれないと私は思っ ています。
本当にそういう意味では、日本人はよくも悪くも義理人情に厚いといいますか、
ド ラスティックで合理的で冷酷なことが余りできないといいますか、そういう意味では部族的かもしれません。
世界的な視野が戦後70年の間は特にそうかもしれませんが、視野がないという のは、
ある意味痛いけれども一理あるかなと思わざるを得ない部分があります。


日米安保の裏で密かに繋がっていた米国と中国

 続けてキッシンジャーはこう言いました。「日本を中立状態で解き放てば手に負えなくなり、
後悔することになる。日本が過度な再軍備を行えば、第二次世界大戦前のような伝統的米中関 係がものを言うであろう。」
つまり、日本が再び強くなったときは、米中で挟み込むよと言っ ているわけなんです。
これは日米同盟が磐石だといわれた1970年の安保の直後の話です。
そん な時に、こういうことをキッシンジャーが言っているわけです。


 そもそも核戦争の時代に条約なんていうものは意味をなさず、他国を防衛するとすれば条約 のためではなくて、
アメリカの国益のために決まっているではないかと。
日本は軍事的に何も 貢献していないし、我々はそもそも安保条約を必要としないんだと。これは本当に本音です。

 先ほど、1990年代にアメリカ海兵隊の在日米軍の司令官が「在日米軍は瓶の蓋だ」と、日本を暴発させないための瓶の蓋だと言う話をしましたけれども、
やはり安全保障条約はそもそ もこれが本質としてあるということ。
そして、その瓶がはじけてしまったときには、アメリカ と中国で一緒になって押さえ込みますよということを言っているわけです。


 みなさん、これを聞いていかがでしょうか? おいおい話が違うじゃないかと、驚いたと思わ れる方おられますか。
そんなの冗談じゃないと。5年、10前の常識とは全然違うと思うのです が、残念ながら、これこそが我々の知らない間に、
彼らがずっと維持してきた考え方であると いうことです。


 これから東アジアの情勢がどうなるか。緊張が緩むことはないと私は思っておりますし、近 い将来、
東シナ海で偶発的な事故、あるいは事件、あるいは紛争なりが恐らく起こるであろう と思っております。
本当にこれはあらゆる状況を見ても、中国はその方針で80年代から着々と やってきておりますし、
彼らは数年ぐらいの計画の遅れはありますけれども、完全に彼らが設 定した第一列島線を突破しようとしてきているわけです。
それを日本一国で押さえることはそもそも無理ですし、アメリカの立場が本質的にこういう立場であるなら、
我々はもっと国防や 情報、インテリジェンスというものを本当に真剣に考えなければいけません。

 そうでなければ、インテリジェンスが欠如しているばかりにあっという間に領土が侵略され、 どこかに追いやられてしまうというのが、
明日の我々の姿かもしれないわけです。
ですから日 本政府、メディアのみならず、我々一人一人がこういうことをしっかりと考えて、
声を挙げてい かなければならないのではないかと思っております。


北朝鮮の核技術が急速に進んだ本当のワケ

 日本にとって、近年ますます脅威が増している国といえば、北朝鮮ですね。ですが、実はその裏で北朝鮮にはドイツが大量に投資しているわけなんですね。
そのほか、中国・ロシアも投 資しています。これらの国の企業は、北朝鮮に眠る200兆円ともいわれる地下資源が欲しくて 欲しくてしょうがないもで、
こぞって投資してるわけなんですよね。実際、ピョンヤンの空港 カウンターにはDHLの宅急便のカウンターまであるわけです。


 それから、北朝鮮に毎年旅行している人は数十万単位でいるわけなんですよ。意外にもあそ こは観光立国なんです。
欧米の人には人気があります。でも、日本の報道を見てるとあの国は 閉ざされた感じにしか見えないですよね。
本当にそうなのかというと、実態は違うわけなんで すよね。

 そして、ドイツや中国、ロシアを抜いて北朝鮮に最も多額の投資をしている国はどこかといった らイギリスなんですよ。
イギリスはもう2000年代の初めからやっているわけなんです。それで、 スイスのエンジニアリング関連の大手企業がですね、
核の「軽水炉」を2000年に北朝鮮に売った んですね。軽水炉は原子力発電などに使われるものですが、
そこからプルトニウムなんかを取り出すことができます。
その後、北朝鮮は2006年に初めての核実験を行いましたが、北朝鮮の核技 術が急速に発達するきっかけになったのは、
この「軽水炉」を手に入れたからでした。


 では、この「軽水炉」を北朝鮮に売ったスイスのグローバルエンジニアリング会社の役員 (2000年の段階で)は誰だったかというと、
ドナルド・ラムズフェルドさんなんですね。
ラムズ フェルドさんは翌年、ブッシュ政権の国防長官になった方ですよね。
なんと彼は、その前の年ま で北朝鮮に軽水炉を、核技術を売るのに必死になってたんですね。
そして、このスイスの会社は どうなったのというと、軽水炉の売却が完了してから間も無く、
その原子力事業部門がイギリス の会社によって買収されています。そして、これもまたタイミングよく、
同じ年にイギリス政府は 北朝鮮と国交を樹立しています。


 さらに、北朝鮮国内における最初の外貨銀行というのは、HSBC出身のイギリス人がつくった会 社なんです。
その人が北朝鮮政府の高官を何人か役員に入れまして、その彼が作った会社の子会社 が世界各国にミサイルとか核技術を売っているらしいという疑惑が、
イギリスの大手新聞でも報じ られているわけなんですよね。だからこのような背景を知らずして、「北朝鮮は世界から孤立して 38
いる」「人民が飢えているのに金正恩は一体何をしてるんだ」なんて話ではないんですよ。国際社 会の本音は、誰も北朝鮮を潰してほしくないんですよ。
アメリカだって北朝鮮の地下資源が欲しく て欲しくてしょうがないんです。

 実際、北朝鮮産の飲料だったり食べ物を「メード・イン・コリア」というふうにして輸出してい て、これはアメリカ国内でも売ってますし、
イギリス国内でもかなり人気のようです。そういう現 実があるわけです。でも、それを日本のメディアはほとんど伝えてくれないですよね。
だから日本 のメディアばかり、大手ばかり見てるとバカになってしまうというのは、これは残念な話ですが、 本当にそうなんですね。


失墜する大手メディアの信用… 高まるインテリジェンスの必要性

 しかし、最近アメリカでは国民がそういうことに気づき始めています。大統領選挙以来、もう 大手メディアの信用は失墜してしまいましたし、
CNNなんかもトランプさんの「ロシアゲート疑 惑」ですね。あれが最近なぜ沈静化したかというと、2つ理由があってですね、
1つはCNNのプ ロデューサーが「ロシアゲート疑惑なんて、あんなものはでっち上げだよ。」ということを隠しカ メラに気づかずに、
べらべらと喋ってしまったということ。

 もう1つは、トランプさんがもう完全にいわゆるワシントンの政治エリート・それからウォール 街の権力者の側に完全になびいたということなんですね。
だから、トランプさんのバッシングに ついては最近聞かないですよね。こうなるとアメリカだけでなく、不思議なことに日本でも聞かな くなるんですよ。
 日本でもロシアゲート疑惑とか、トランプさんへのバッシングがだんだん減ってくるのはなぜか というと、アメリカが減るからなんです。
日本のメディアはアメリカのメディアをただ翻訳してい るだけですから、そこに彼らの自己分析はほとんどないんです。
このような一連の出来事から、ア メリカでは大手メディアの信用は失墜してます。しかし、日本ではどうでしょうか。
いまだにメディ アの信用・影響力は強いんですよね。ですから、大手メディアを見るなという話じゃなくて、大手 メディアが何を流してるのかによって、
アメリカのいわゆる大きな力を持っている人たち(いわゆ るエスタブリッシュメントという人たち)が何を考えているのか、
何を我々に教えようとしてい るのかっていうことを知ろうとするべきです。
 つまり、洗脳とまで言ってしまったらちょっと語弊があるのですが、彼らは我々に何を信じ込 ませようとしているのか?
というふうな観点で物事を見る必要があるなというふうに思っています。
そうすると、今よく考えれば、北朝鮮の情勢1つ見ても、アメリカは中国とロシア、
それからその 背後にあるフランス・ドイツとも対立しているわけですよ。アメリカの味方といったらイスラエル とサウジアラビア、
あと日本くらいという話になってしまって、何か日本はだんだん枢軸、昔の話 ではないですが、
いつも組む相手を間違えるんじゃないかと見えざるを得ないというような状況 になってしまっています。


 私はこのような状況でも、やはり中国がいずれ海洋進出を本格化していけば、日本がそれを止めざるを得ないので、
日米同盟は当然残すべきだと思っています。しかし、冷徹に見てみると、北 朝鮮を止めるのもそんなに簡単なことではないですし、
中国にしてもあれだけの力を持ってしまっ た今、日本がいくら中国崩壊論をぶつけたところで、その効果はほとんどありません。


 つまり、現代では我々自身が大きな意味でのグローバリズム対ナショナリズムという戦争のさ なかにいるということ。
しかし、そのナショナリズムというのは、また別のグローバリズムです ね。欧州だったり、そういう人たちからも実は支援されているという、
つまりアメリカを倒すた めに利用されているという側面もあるということです。そして、中華帝国が勃興していくときに、
中国はうまい具合に反米感情を持つ人たちを手なずけて、アメリカと喧嘩させるという側面もあれば、
ロシアがこれから中国や欧米を使いながらうまくアメリカを排除していこうという動きの 中に組み込まれていくわけでもあるわけです。

 このように、一筋縄ではいかない状況の中、我々日本人は、自分たちの立ち位置はこうだとは 思いながらも、
今世界は戦争状態にあるんだということ。これから日本はこういう現実を前にし て、
どういうふうにして物事を見ていくんだということを考える上では、もうインテリジェンスし かないということなんです。
?
 我々自身の情報リテラシーというか、インテリジェンスの能力を高めていくしかないんですね。
ですから決して、つり革の広告にあるような「中国崩壊」とか「朝鮮半島有事で北朝鮮崩壊」と か、
わかりやすい見出しで煽られるようなことがあれば、それはちょっと抑えたほうがいいと思 いますね。
おそらく、そうはならないことがほとんどなんじゃないかなと思います。


〜おわりに〜

インテリジェンスの高い視点を持つための「3つの鉄則」


 この世の中には「騙す人間」と「騙される人間」の2種類しかいない。
一般的にはこんな風に言 われることもありますが、私はそうは思いたくありません。
私は世の中には、別のもう1種類の人 がいると思っています。それは何かというと「騙されない人間」です。
人を騙すことはないかもし れないけれども、決して騙されない人間、つまり「インテリジェンス」を働かせる人間は、
少な くとも誰からも騙されずに済むのではないかと思っています。
 その上で「インテリジェンス」の高い視点を持つために、重要な鉄則は3つあります。
まず1 つ目は、これまで何度も言いましたが、大手のメディアだけをむやみに信用しない、
むしろそ の情報操作機能に注目するということです。
そして、ロシアや中国の暗部を知りたければ、ア メリカの記事を読む。
アメリカの暗部を知りたければ、イギリスとかロシアの記事を読む、な ど。
これは非常に有効な方法です。もちろん、両方の記事にはプロパガンダが多く含まれ、
ま たお互いに隠したいであろう部分も垣間見えてきます。
それらをしっかりと読み取って、分析 してみるということです。


 私自身も、ナイジェリアの石油関連のプロジェクトに参加していた時、地元マフィアの関係

者たちと接触することがありましたが、危険な動きをしているマフィアや武装集団の情報を集 めるときには、
必ずその対立先から情報を仕入れるようにしました。
例えば、大統領派の動向 が知りたければ、対立野党から金をもらっている集団と接触するということであり、
またテロ 組織「ボコ・ハラム」の情報を知りたいときは、地元のキリスト教系の民兵集団から情報を仕 入れるという次第です。
相手は敵のことを必死になって勉強していますので、時折「あっ!」 と思うような見方を教えてくれることがあるのです。
つまり、敵の敵は味方なんだよという感 覚を忘れないということです。


 鉄則2は、歴史と利権の観点から国際社会を見るということです。文化人類学的な観点も必 要です。
そして鉄則3、これ一番重要です。この瞬間、”いったい誰が得をしているのか?”とい うことを常に考える。
これはもう警察の刑事の発想ですね。殺人事件が起こると、いったい裏 で誰が得をしたのか?を探る。これはもう鉄則です。


 フランクリン・ルーズベルト元アメリカ大統領。彼は日本を真珠湾攻撃に追い込んだと言われ始めていますが、そのルーズベルト大統領は言いました。
”「世界的な事件は偶然に起こるこ とは決してない。そうなるように前もって仕組まれていたと、私はあなたに賭けてもいい。」”
日本を真珠湾攻撃に追い込んだと言われている彼が言っているのですから、これはまさに至言 だと思います。おっしゃるとおりだと思います。


 全てのことは偶然に起こったように見えても、それまでの個々のアクションの裏には、必ず 強い意思が働いているわけです。
その意思がどこから来て、どこに向かっているのか。そこに 注意してみてください。 世の中には常にオモテとウラがある


 この世には多くの「プラン(計画・謀略)」が存在し、マッチポンプ(自作自演)で多くの 人が死ぬこともあります。そしてその裏側には、
必ずそれで利益や権益を得ている集団があり、 だからこそ戦争は「最大の公共投資」であり、「ビッグビジネス」などと呼ばれるのではない かと思います。
そして、本来ならそれを批判すべき多くの主要メディアもまた、これまで何度 もそんな戦争に自ら加担してきました。


 そんなメディアから流される情報を、少しでも良いので、一度くらいは疑いつつ、ぜひ自分 なりにしっかりと考えてみる癖をつけてください。
そして、世の中には常にオモテとウラがあ ること。また、キレイゴトの裏には往々にして戦慄すべき何かが隠されているかもしれない。
そんな心構えを一人一人が持つことで、日本はもっと強くなれるし、それが国民それぞれの安 全と国家の末永い繁栄に繋がるではないかと私は信じています。
最後までお読み頂きありがと うございました。

丸谷 元人