こだわりのワインを、今夜どうぞ♪
ドビ
生粋の貴族であるマダム・フランシーヌ・ドビによって運営されてきたこのアイのRMは、長年にわたって生産量のほとんどをフランスのシャンパン愛好家達に買い占められてきた、真に知られざる存在でした。
状況が変わったのは、アヴィーズの醸造学校で自然環境についての教鞭を執っていた娘のフロール・ドビが、2007年、家業を継いで女性醸造家の道を歩むことを決心してから。
新世代らしい開かれた価値観を持つ彼女は、アイとその周辺のテロワールの素晴らしさをより多くの人に知って欲しいと願い、ワインメディアへの紹介や輸出に取り組み始めました。 
実際のシャンパン造りにおいても、化学肥料の使用を止め、農薬も必要最小限度に抑えたリュット・レゾネ栽培を開始したり、樽熟成させたヴァン・ド・レゼルヴの比率を高めたり、ブラン・ド・ノワールやブラン・ド・ブランを造り始めたりといった改革を行いました。 ラベルの花は、このメゾンのシンボルである「コクリコ(ひなげし)」です。 「夕食時だけでなく、休日の午後にも心から楽しんでいただけるような、泡のきめが細かい、軽やかで上品なシャンパンを造りたいと思っています」(フロール・ドビ)。
’18ブリュット ブラン・ド・ブラン ミレジム¥16.000-
アイに隣接するプルミエ・クリュ村、ミュティニー産のシャルドネを100%使用したブラン・ド・ブラン。平均樹齢35年のVV。90%をステンレスタンクで、10%を228リットルの樽で発酵後、8ヶ月間熟成。MCRによるドザージュは8g/l。生産本数3000本の限定作品です。

ギヨーム・セルジャン
「とても小さな業容ですので、栽培も醸造も、細部の隅々まで目が行き届きます。すべてにおいて、整合的かつ完璧な仕事を目指しています」。
 また彼は、様々に大きさが異なる樽を使用した醸造法を会得しています。 「この地の白眉であるピノ・ノワールとピノ・ムニエは、よりまろやかに、より優美に。シャルドネは、ブリオッシュやローストしたナッツなどを思わせる香ばしい風味を。ビオロジック栽培の効果が顕著になるにつれて、樽の効果もより明確になったと感じます」。 彼の作品は、年間合計4000本という極少生産本数であることもあって、高級レストランを中心とした世界中の需要が供給をはるかに上回っており、毎年予約完売状態が続いています。日本への入荷量もごくわずかですが、もしご縁がありましたら、その魔的な官能に包まれていただきたいと思います。
NVル・シュマン・デ・シャップ¥11.000-
プルミエクリュ・ヴリニー産のピノ・ノワール50%、ピノ・ムニエ50%によるブラン・ド・ノワール。0.43ha。平均樹齢50年のVV。228リットルと400リットルの樽で発酵&8ヶ月間樽熟成。約2年間ビン熟成。ドザージュは1g/l。

ジト
ビオディナミ転換の指揮を採りました。2008年にビオロジック栽培とビオディナミに特化したコンサルタントとして独立し、以降現在に至るまで、ヴォーヌ・ロマネの「ヴィコント・リジェ・ベレール」や「アルヌー・ラショー」、「クロ・ド・タール」といった錚々たる生産者の栽培を指導しています。 2010年、自然派ブルゴーニュワイン特化型メゾン「ジト」を設立。以降、フェルマージュによる自家栽培(ビオディナミ)の他、関わりの深い秀逸なヴィニュロンに指導栽培してもらったぶどうから、著しく完成度の高いワインを造り出しています。 「多くの生産者、多くのワインに関わってきましたが、最後は私のワイン人生の集大成として、私自身の手で、私が本当に飲みたいと思うワインを造ります」。 その作品は、エレガントにして濃密。上質なシルクのように滑らかな口当たりと、永遠に続くかと思われるような長く、深い余韻を特徴とします。
’19ガメイ・ノワール¥5.200-
Coteaux Bourguignons。AOPコート・ド・ブルイィ38%、フラジェ・エシェゾー村のコトー・ブルギニヨン34%、クレッセ村のコトー・ブルギニヨン28%のブレンド。ぶどうで購入して自家醸造。ビオロジック栽培。樹齢40~80年の超VV。収量25hl/ha。除梗しない(全房発酵)。ステンレスタンクでアルコール発酵後、樽でマロラクティック発酵&14ヶ月間熟成。

ドメーヌ・マレ
国家資格であるエノログ(醸造技師)の資格も有するフレデリックは、あらゆる秘技をマスターした、プロ中のプロ。所有する18ヘクタールの全面積において厳格なリュット・レゾネ栽培を実践し、十分なスペースをもって合理的に設計された醸造所では、毎ヴィンテージごとに異なるぶどうの特性に応じて、オートクチュール的な醸造を行っています。 「美味しい料理を食べることが私の生きがいです。なので、私自身が美味しい料理とともに飲みたいと思うワインを造っています」。 ベテランのエノログならではの、圧倒的な品質の安定感。シルキーな口当たりの後、じんわりと湧き上がってくる果実の旨味、大地の滋味。美食家ゆえの、食に対する美意識の深さが、私たちをマリアージュの陶酔へと誘ってくれます。
’21ブルゴーニュ ルージュ¥4.620-
オート・コート・ド・ニュイのクリマ「ムイエ」内の区画「レ・ジャメ」からのデクラセ。6ha。樹齢約25年。ステンレスタンクでアルコール発酵後、樽(新樽比率20%)でマロラクティック発酵&12ヶ月間熟成。

ドメーヌ・ド・ラ・シュペット
ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェ、そしてサントネイというコート・ド-ルの大トリを飾るアペラシオンに13ヘクタールもの畑を所有しており、早1992年から、「ぶどうのためだけでなく畑で働く人の健康のためにも」、リュット・レゾネ(減農薬)栽培を誠実に実践しています。この3つのAOCは隣接していますが、テロワールはまったく異なっています。ギュトラン兄弟は、基本的な栽培・醸造方法はもちろん、50%の新樽率や熟成期間まであえて全AOC一律にすることで、テロワールの違いを鮮明に表現しています。 この生産者の作品は日本には実質初お目見えとなりますが、世界の主要ワイン消費国およびフランス全土のレストランやワインショップでは長年大人気を博しており、新ヴィンテージのリリースと同時に予約で完売してしまいます。(それが日本に輸入されていなかった理由かもしれません)。
’20ブルゴーニュ コート・ドール ルージュ¥5.170-
ピュリニー・モンラッシェ内のACブルゴーニュ区画「プレ・ド・ラ・ダム」に0.39ha。石が多い石灰質土壌。平均樹齢50年のVV。ステンレスタンクでアルコール発酵後、樽でマロラクティック発酵&10ヶ月間熟成。新樽率30%。

イヴ・ジラール・マドゥー、SAVOIE & BUGEY Selection
2000年より、すべての畑で実質ビオロジックの厳格なリュット・レゾネ栽培を開始。「畑仕事をすればするほど、ワインは美味しくなる」というフィロソフィーのもと、イヴは1年の大半を畑で過ごしています。
 手工業的に造られるワインには、造り手の人格が反映されます。いつも穏やかで笑みを絶やさず、地域の多くのヴィニュロンから慕われる彼のワインは、口当たりしなやかで、滋味溢れるもの。白眉であるたっぷりとしたミネラルも、刺激するのではなく、ふんわりと包み込んでくれるように心地よいものです。
’17ピノ・ノワール¥4.290-
AOC Vin de Savoie。ピノ・ノワール100%の赤ワインです。0.5ha。粘土石灰質土壌。平均樹齢25年。ステンレスタンクで醸造。
暑い季節にひんやり飲みたい、ピュアなピノ・ノワール
  現地ではすぐに完売してしまう為、輸出は僅か5%。 ブルゴーニュのピノが高騰してきてる中、まだ手頃な価格。 
現地フランスの愛好家に売り切れてしまう前に入手できた高品質なサヴォワのピノを是非この機会に。

シャトー・ド・クシュ
ボーヌ市から南東に30km、クシュ村近郊の丘の上にそびえ立つ「シャトー・ド・クシュ」は、かつてブルゴーニュ大公が所有していた指定歴史的建造物です。丘陵に広がる10ヘクタールのぶどう畑も所有しており、地元の協同組合「カーヴ・ド・マズネイ」が栽培を一任されています。 1950年にサン・セルナン・デュ・プラン村に設立された「カーヴ・ド・マズネイ」は、マランジュの西に展開するワイン産地「コート・デュ・クショワ」の盟主です。 ご紹介する「レ・パリジェンヌ」は、同組合が「コート・デュ・クショワ」の振興を目的として2017年にリリースした新ブランドで、「シャトー・ド・クシュ」所有畑で栽培されたピノ・ノワールを100%使用しています。なぜパリなのか?については、高名な隣接村「パリ・ロピタル」と首都のパリを遊び心でかけ合わせたものです。「「コート・デュ・クショワ」のピノ・ノワールは、ピュアで繊細な口当たりと、完熟したいちごのようなフルーツの風味が特徴です。樹齢が40年と高く、また、新樽率3分の1で15ヶ月間熟成させた入魂作であり、間違いなく「コート・デュ・クショワ」のベストワインであると確信しています」(オリヴィエ・プラール社長)。
19ブルゴーニュ コート・デュ・クショワ レ・パリジェンヌ¥4.290-
0.5ha。砂岩質・泥灰土質土壌。樹齢約40年のVV。コンクリート製タンクでアルコール発酵後、樽(新樽比率3分の1)でマロラクティック発酵&15ヶ月間熟成。

ドメーヌ・デ・トレーズ・リュンヌ
グラニエ山麓のシャパレイヤン村に2016年に創業した、超新星自然派ドメーヌです。 継承する畑を持たなかったシルヴァン・リオタールは、DRCやルフレーヴらにビオディナミを伝授した巨匠ピエール・マッソンの実子にして後継者、ヴァンサン・マッソンにビオディナミを師事した後、錚々たるアペラシオンの古樹畑を購入する幸運に恵まれ、「ドメーヌ・デ・トレーズ・リュンヌ」を設立しました。 「13の月というドメーヌ名も、ビオディナミの基本となる月の運行に由来しています。大地、海、そして動植物の活動は月のリズムに連動しており、私のすべての仕事もこのリズムに対応させています」。
’18ラ・ニュイ・ヌー・ザパルティヤン¥4.290-
AOP Vin de Savoie。珍しいサヴォワの固有品種のモンドゥーズ・ノワール100%による赤ワインです。0.3h。粘土石灰質土壌。平均樹齢35年。グラスファイバー製タンクでアルコール発酵後、228リットルと500リットルの樽でマロラクティック発酵&10ヶ月間熟成。作品名は、「私たちの夜...」。3ツ星「フロコン・ド・セル」等、多くのレストランさんから引きのつよい生産者。 果実味も豊かなのでやや冷やし気味でもお楽しみいただけます。 スパイシーなニュアンスもあり、お肉ともBBQなどイベント事の多い夏にも最適だと思います。

ニコラ・ラスピエ
「「アミオ・セルヴェール」のビオロジック栽培への転換に最初から最後まで関わったことで、すべてを実地に習得することができました。ブルゴーニュではビオロジック栽培は難しいとよく言われますが、やる気さえあれば普通にできることも分かりました。私は(ビオロジック栽培で認められている)銅を畑に撒くのに抵抗があり、独自に調合したハーブの煮汁を畑に撒くなど、ビオディナミの手法を応用して対応しています。近年中に正式にビオディナミに移行する予定です」。 ニコラの造るワインは、ライフスタイルそのものが自然派といえる彼自身の写し鏡のような、ナチュラルで癒しのあるものです。再生紙を使用したシンプルなラベルには、趣味でハチミツを造っている彼の小さなお友達が描かれています。
NVクレマン・ド・ブルゴーニュ ロゼ¥4.180-
フラジェ・エシェゾー村内のリウ・ディ「レ・ゾートロ」産のピノ・ノワール50%、ガメイ50%のブレンドによるブラン・ド・ノワール。直接圧搾法。粘土石灰質土壌。樹齢約80年のVV。約12ヶ月間ビン熟成。MCR(濃縮果汁)によるドザージュは5g/l。

テール・デトワール(クリストフ・ミットナット)
2002年、赤坂のフランス料理店でスー・シェフを務めていた由佳さんがクリストフと結婚。以降、マダムとしてドメーヌを切り盛りしながら、アルザスと日本の懸け橋として活躍しています。
 「ビオディナミにしてから、鹿やイノシシが畑に入ってくるようになりました。それと、畑に野生のチューリップが咲いたり、野いちごが実るようになったんですよ」。
 「アルザスはぶどう品種のバラエティが豊かで、和食はもちろん、多種多様なお料理に合わせることができます。そのマリアージュの楽しさ、そして美味しさを、ひとりでも多くの方に知っていただければと思います」(由佳・ミットナット)。
NVキュヴェ・キラク¥4.180-
Crémant d'Alsace Extra Brut。自家醸造のクレマンです。地元ユナウィールとリボーヴィレの畑より、ピノ・オーセロワ50%、ピノ・ブラン25%、リースリング15%、シャルドネ10%のブレンド。粘土石灰質土壌。平均樹齢25年。収穫量は約60hl/ha。ステンレスタンクで醸造。シャンパーニュ方式。常に単一のヴィンテージで造られ、2年間以上ビン熟成。ドザージュは約5g/l。白桃、りんご、洋ナシを思わせる香り。きめ細かい泡が口の中ではじけます。すっきりした辛口でありながら、完熟された葡萄のほのかな甘みとまろやかさを堪能できます。★由佳さんオススメお料理: 食前酒、食後酒として。赤い果実のサラダ(苺、フランボワーズ)。シャーベットなどに注いで素敵なデザートに。<バックラベルのコメント>「キュヴェ名のKIRAKUには、私たちの2つの願いを込めました。1つは、ワインを難しく考え過ぎずに、“気楽”に楽しんで頂きたいという願い。もう1つは“喜楽”-お祝い事や記念日に、大切な方々と喜びを分かち合いながら、皆様で楽しんで頂きたいという願いです。世界が喜びと楽しさに満ちあふれたものになりますように。由佳&クリスフトフ・ミットナット」。

スペシャル・デリバリー(by フレデリック・マロ)
「アルザスのシンボルでもあるコウノトリは赤ちゃんを運んでくれますが、せっかくならアルザスの美味しいワインも運んでほしいという思いで、このブランドを作りました」と笑うのは、ユナウィール村に5代続くドメーヌ「フレデリック・マロ」の当主、ドミニク・マロさん。可愛らしいラベルは、仏化粧品メーカー「ロレアル」社で広報を担当していた彼のお姉さんがデザインしました。ちなみにマロ家は、1983年当時「3つがい」しかいなくなってしまったコウノトリを増やすために同村に作られた、「コウノトリ導入センター」の運営者でもあり、この施設でつがいを何百にも増やしたという、本物のコウノトリ愛護家でもあります。
NVクレマン・ダルザス ブリュット¥3.630-
ピノ・ノワール50%、ピノ・ブラン50%。0.6ha。粘土石灰質土壌。平均樹齢35年。11ヶ月間のビン熟成。ドザージュは8.7g/l。辛口

シャトー・デュ・ブルイユ
アンジェ市から南に20km、ボーリュー・シュル・レイヨン村にて1822年よりワイン造りを営むこのシャトーは、長年にわたって高い名声を誇ってきた、ロワールを代表する名門シャトーのひとつです。2006年に、自動車産業で成功を収めたヤンヌ・プティボワが購入してオーナーが代わってからも、「ベタンヌ&ドゥソーヴ」に掲載されるなど、不動のプレステージであり続けています。
アンジュー、サヴニエール、コトー・デュ・レイヨンに合計30ヘクタールの畑を所有。2012年にその全面積をビオロジック栽培に転換して、ワインの品質をさらなる高みに導きました。
今日彼のワインは、「アラン・デュカス・グループ」をはじめとするフランス全土の多数のレストランやビストロを中心に、美味しいお料理、そしてたくさんの笑顔とともに楽しまれています。
’18クレマン・ド・ロワール ブリュット¥3.960-
シュナン50%、シャルドネ50%のブレンド。3ha。シスト、粘土石灰質土壌。平均樹齢約20年。ステンレスタンクで醸造。24ヶ月間ビン熟成。ドザージュは8g/l。

ディヴァン ロワール
ロワール、ブルゴーニュ、ローヌ、ボルドー、オーストラリア、ニュージーランド、チリの各生産者の下で修業を重ね、途中2006年以降は難関国家資格である「エノログ」(ワイン醸造技師)としても活躍しました。2015年に、彼女の生まれ故郷であるトゥーレーヌ地区オワリー村に10ヘクタールの畑を譲り受ける機会を得て、自身のドメーヌ「ディヴァン・ロワール」(「神のロワール」)を設立しました。 「20年以上にわたって、多様な哲学に基づく多様な形態のワイン造りに触れ、学び、携わってきました。習得したすべての技術を礎として、独立後は私の感性がおもむくままに、自由な精神でワインを造りたいと思いました。小さい頃から「聖闘士星矢」の大ファンで、「ペガサス」という名前のワインは絶対に造りたいと思っていましたので、そこからインスピレーションを広げてギリシャ神話の神々をモチーフにしたワインを造ることにしました。ラベルの絵も私が描きました」。 創業直後よりすべての畑でビオロジック栽培を開始し、2020年にビオディナミに転換しました。また、「以前のオーナーが遺してくれた素晴らしい古樹たちをこれからもずっとこの地に遺してあげたい」という思いを込めて、セレクション・マサル(マス選抜)にも熱心に取り組んでいます。
’19アテナ¥4.100-
Vin Mousseux de Qualité。シャンパーニュ方式によるスパークリングワインです。ソーヴィニヨン・ブラン100%。オワリー村に0.2ha。砂質・粘土質土壌。樹齢約55年のVV。収量は45hl/ha。300リットルの樽で発酵後、9ヶ月間シュール・リー熟成。24ヶ月間以上ビン熟成。MCR(濃縮ぶどう果汁)によるドザージュ0.3g/lのExtra Brut。「アテナ」はギリシャ神話に登場する女神で、工芸などを司るとされています。

セリーヌ&ティエリー・ティソ
「ドメーヌを継ぐ意志を父に伝えた日、父が近くの森を指さして言いました。ビュジェ最高のぶどうができるのはあそこだと。伝説的な銘醸地として耳にしたことがあった、「マタレの丘」でした。戦争による荒廃、最高斜度45度の過酷な労働環境への敬遠などによって長い年月のうちに荒地化が進み、やがて、森になってしまった丘。父は言いました。あの丘の中腹部の南南西向き急斜面、泥灰土中に石灰岩の小石が露出するあの土壌こそ、この地の最高のテロワールであると」。「まず地権者を見つけることからはじめました。かつての銘醸地だけあって中腹部だけで50人を超えていたのには驚きました。ビュジェの未来を担う子供たちのためにも一緒に銘醸地を復興しよう、まず私たちが必ず素晴らしいワインを造ってみせる、と彼らを説得しました。大多数の地権者が喜んで合意してくれましたが、そこからが大変で(笑)、森を切り拓き、整地し、植樹することを3年間にわたって繰り返しました。初めて生まれたぶどうを見た時、自然に涙が流れました」。
「マタレの丘」の中腹畑は今日3ヘクタールに及んでおり、今後も少しずつ拡大されることが期待されています。
夫婦そろってジブリアニメの大ファン(彼らのイチオシは「ラピュタ」「もののけ姫」「トトロ」)で、彼らのワインが日本に輸出されるようになったことを心の底から喜んでくれています。
’18ビュジェ ブラン ブリュット¥4.180-
AOC Bugey。シャンパーニュ方式によるスパークリングワインです。ヴォー・アン・ビュジェ村産のアルテス61%、シャルドネ26%、ジャケール7%、アリゴテ6%のブレンド。平均樹齢35年。収量は75hl/ha。ステンレスタンクで醸造。3年間ビン熟成。ビオのMCR(濃縮果汁)によるドザージュは4g/l。

モンテリー・ドゥエレ・ポルシュレ
モンテリー=ドゥエレ家は、300年間以上に及ぶワイン造りの歴史を誇る、モンテリー随一の名家です。

中興の祖として現在のドメーヌの礎を築いた3代目当主アルマンド・ドゥエレ女史は、生涯独身を貫いた後の1989年、かのアンリ・ジャイエ翁とも並び称される伝説の醸造家、アンドレ・ポルシュレ(写真右)を養子に迎え入れることを決断、ここに、「ドメーヌ・モンテリー・ドゥエレ・ポルシュレ」が誕生しました。 1937年生まれのポルシュレ氏は、「オスピス・ド・ボーヌ」の醸造長(1976~1988年)、「ドメーヌ・ルロワ」の醸造長(1988~1993年)、再び「オスピス・ド・ボーヌ」の醸造長(1994~1999年)を歴任し、氏が手がけたオスピス・ド・ボーヌは、多くのネゴシアンが(オスピス・ド・ボーヌであることを伏せ、自社が造ったものとして)通常の自社ラベルで販売したという逸話が今に伝えられています。氏は並行して、自身のドメーヌ「モンテリー・ドゥエレ・ポルシュレ」にて後継者の育成に心血を注ぎ、1989年から2005年まで醸造長を務めたフランシス・ルショーヴ、及び2004年に4代目当主としてドメーヌを正式継承した自身の孫娘、カタルディーナ・リポ(写真左)の2人が、ポルシュレ氏の秘技を授かる幸運に恵まれました。(尚、氏は、カタルディーナがすべての秘技を自家薬篭中のものとした2014年頃以降、悠々自適の生活を送っていらっしゃいましたが、2020年10月に天国へ旅立たれました)。「祖父からは、栽培・醸造両面におけるあらゆる技法に加え、仕事そのものに対する心構えを教わりました。そのすべてを胸に刻みながら、誇りを持ってワイン造りを続けてまいります。年中、畑で、カーヴで、全身全霊を捧げて仕事に打ち込んでおります。ただひとつのご褒美は、私のワインを飲んでくださった方の笑顔です」(カタルディーナ・リポ)。
’17ブルゴーニュ・ブラン キュヴェ オン・パス・オー・ルージュ¥4.180-
ドメーヌを二人三脚で運営している、醸造家カタルディーナとそのパートナーであるヴァンサン・モンフォールの名を冠した「カタルディーナ・ヴァンサン」は、ぶどうを購入して自家醸造するネゴシアン・レンジです。ファースト・リリースの「ブルゴーニュ・ブラン2016」は、マコン・ヴィラージュをデクラセしたもの。  泥土石灰質土壌。樹齢30~50年のVV。ステンレスタンクで発酵&11ヶ月間熟成。
「お客様からブルゴーニュ・ブランを造ってほしいというご要望が多く、もともと私が愛飲しているマコン地区のシャルドネを採用しました。コート・ドールのシャルドネにはない、華やかな香りが大好きなのです」。「モンテリー村には、生産者たちが集まってワイワイできるレストランやバーがありません。そこで、祖父の義母(アルマンド・ドゥエレ女史)が、自身のアパートの一室をみんなに開放しました。ある時、飲みに来ていた友人がヴァンサンに、この場所の名前をつけてよと言ったところ、ヴァンサンが「(すぐに思いつかないから)On Passe au Rouge.(赤ワインに移ろうぜ)」と答え、「それいいね!」となってそのままこの憩いの場所の名前になりました。私たちのワインはみんなで楽しく飲んでほしいという意味を込めて、これをキュヴェ名にしました」(以上カタルディーナ・リポ)。ラベル右側の詩は、フランスの詩人ポール・クローデルが詠んだものです。“ワインで大事なことは、名声を求めることではなく、楽しむことである”。

ドメーヌ・グラン・シュマン
 「「デュシェ・デュゼ」は、2013年にAOPに認定されたヴァレ・デュ・ローヌ最西端の新アペラシオンです。セヴェンヌ山麓で標高が高いため冷涼で、多彩なミクロ・クリマを有します。理想的な粘土石灰質土壌で、植樹品種はシラーが中心です。このような恵まれた条件の下、ブルゴーニュに匹敵するようなエレガントなワイン造りを目指しています」。
 品種や価格帯の違いこそあれ、その味わいの繊細さ、上質な滋味は、まさしくブルゴーニュのエスプリに彩られています。また、IGPワインでさえもリウ・ディごとに作品化するなど、ブルゴーニュの核心のひとつであるミクロ・クリマの具現化に対しても、極めて高い意識をもって取り組んでいます。

’19シャルドネ オール・デ・ヴィーニュ¥2.530-
IGP Pays d'Oc。エグルモン村のリウ・ディ「オー・デ・ヴィーニュ」産のシャルドネ100%。粘土石灰質土壌。平均樹齢約20年。ステンレスタンクで醸造。

ポワロン・ダバン
早1995年から厳格なリュット・レゾネ栽培に取り組み、2015年にはフランス農水省が規定する「HVE(Haute Valeur Environnementale=高い環境価値)」の最高段階であるレベル3の認証を取得しています。 ご紹介する「Clé du Sol」は、「Clé de Sol」(ト音記号)と「le Sol」(土壌)をかけ合わせたもので、シャトー・テボー村の秀逸リウ・ディ「シャントグロール」産のミュスカデを100%使用した、このドメーヌの看板作品です。(リウ・ディ名の「シャント」=「歌う」なので、ぶどう樹がト音記号だったら面白いな!と思ってラベルにデザインしたそうです)。
 「この畑は、花崗岩より酸が、シスト(片岩)よりミネラルが生まれる、ミュスカデのお手本のようなテロワールです。平均樹齢45年のヴィエイユ・ヴィーニュなのでぶどうが凝縮しており、黄色い果実やハチミツのような、たっぷりとしたコクをお楽しみいただけます」(ジャン・ミッシェル・ポワロン)。

’21クレ・デュ・ソル シャントグロール¥2.530-
Muscadet Sèvre et Maine sur Lie。ミュスカデ100%。地元シャトー・テボー村のリウ・ディ「シャントグロール」より。花崗岩質・シスト(片岩)質土壌。平均樹齢45年。収穫量は30hl/ha。地下に埋めてあるガラス製タンクで発酵後、6ヵ月間シュール・リー熟成。2017年度「パリ農産物コンクール」金賞受賞。
NVグウェントレムネール ティ・テリブル¥2.530-
Vin de France。ゲヴュルツトラミネール100%。地元シャトー・テボー村に3ha。花崗岩質・シスト(片岩)質土壌。平均樹齢10年。収穫量は40hl/ha。地下に埋めてあるガラス製タンクで発酵後、6ヵ月間シュール・リー熟成。残糖3.9g/lの辛口。このワインの品種名によく似た作品名「Gwentremener」は、「グビグビ飲める白ワイン」を意味するこの地特有の表現です。「ty terrible (=petit terrible)」は、「わんぱく坊や」「ちょっと困っちゃう」といった意味で、ついつい飲み過ぎて困っちゃうような、このワインの飲みやすさと美味しさを表現したものです。ラベルの絵は、わんぱくだったという醸造家ジャン・ミッシェル・ポワロンの少年時代の様子を娘さんが描いたものです。

ホルダン・デ・アソ、SPAIN Selection
リオハの南東に位置するカリニェーナは、分厚い石灰岩質に覆われ、夏は暑く冬は寒く、昼夜の寒暖の差も大きく、「シエルソ」と呼ばれる強い北風が年中吹いて畑が常に健康に保たれる等、ぶどう栽培にとってまさしく理想的な環境をもっているため、スペインでもっとも古くから(1934年)D.O.に認定されている地域のひとつです。シャンパーニュのランスで醸造学を修めたハビエル・グエルベンスが目指すのは、「濃すぎない、上品なワイン」。 「私たちの畑は、カリニェーナの中でもとりわけ標高が高い山間部にあります。一般的なカリニェーナの畑の標高は500mですが、私たちの畑は900mです。温度が低めで、エレガントなワインを造るのに適しています」。 2005年がファーストフィンテージであるにもかかわらず、「Academia Aragonesa de Gastronomía」(アラゴン州ガストロノミー・アカデミー)より「2009年度ベスト・ワイナリー」にも選ばれ、今後がますます楽しみなワイナリーです。「ホルダン・デ・アソ」とは、カリニェーナのぶどう栽培に革命をもたらした、17世紀の賢人の名前です。 印象的なラベルのデザインは、この地の高名なデザイナー、イシドロ・フェレールの手によります。
’21マカベオ¥2.100-
マカベオ100%。樹齢約10年。ステンレスタンクで発酵後、3ヶ月間シュール・リー熟成。ラベルに描かれた絵は、「人と人とのふれあい」を表しています。