アンリ・フックス

完全ビオロジック栽培に転換。さらに、収量を大きく制限することで、「完璧なぶどうづくりを目指しています。料理の美味しさの鍵が塩(ミネラル)にあるように、ワインの美味しさの鍵もミネラルにあります。ビオロジック栽培によって土中深くまで伸びた根からミネラルをたっぷりと吸い上げ、収量制限によって一粒一粒にミネラルを凝縮させることが、美味しいワイン造りの本質です」(ポール・フックス)。  醸造もきめ細かく、アルザスではほとんど見られない、超小型ステンレスタンクの多数基使用によって、区画ごとのテロワールの違いやヴィンテージの個性を、より高い精度でワインに反映させています。 このような彼のプロ意識と情熱は、フランスを代表するワイン評論家、ミッシェル・ベタンヌの目に留まり、新世代としては異例の高評価をもって賞賛の声を贈っています。尚、ラベルのキツネは、ファミリーネームの「fuchs」(=fox)に由来します。上位3作品の印象的なラベルは、それぞれの作品に対するフックス家のイメージをもとに、家族ぐるみの友人でもあるストラスブールの高名な画家、デルフィーヌ・アレが描いた実際の絵画からデザインされたものです。
アンリ・フックス クレマン・ダルザス エクストラ・ブリュット NV \4.620-
(辛口)ピノ・ノワール50%、ピノ・ブラン50%。0.6ha。粘土石灰質土壌。平均樹齢35年。11ヶ月間のビン熟成。ドザージュは8.7g/l。辛口。
’22アンリ・フックス ピノ・ノワール¥4.400-

(辛口)0.35ha。粘土シルト質土壌。平均樹齢30年。除梗100%。ステンレスタンクでアルコール発酵後、1600Lのフードルでマロラクティック発酵&8ヶ月間熟成。
いちごやラズベリー、フランボワーズを思わせるチャーミングな香り。バランスが良く飲み飽きないピノ・ノワールです。
’21アンリ・フックス リースリング シュペール・フェルサスプランジェ¥4.180-
(辛口)醸造家同士が竹馬の友である3つのドメーヌ(「ドメーヌ・アンリ・フックス」(リボーヴィレ村)、「ドメーヌ・マデール」(ユナヴィール村)、「ドメーヌ・キンツレ」(リボーヴィレ村))のリースリングを3分の1ずつブレンドした、特別コラボレーション作品です。すべてステンレスタンクで醸造。「(個々の生産者の作品というよりも)まずは産地としての「アルザス」のワインのフルーティーな美味しさを、より多くの方に知っていただきたい」という熱い思いゆえのブレンド作品で、「僕たちのリースリングの中でも、とりわけ果実味豊かなロットを使用しています。また、少しでも手に取っていただけることを願って、(3人のシリアスな通常作品とは大きく異なる)ユーモアいっぱいの作品に仕上げました」。作品名にある「フェルサスプランゲル」は、アルザスの昔の人が好んで使っていたワインの味わいの表現で、「(岩を砕くほど衝撃的に)酸っぱく、美味しくない」という意味です。本作品名はその前にさらにSuperがついているので、「超酸っぱ!不味いっ!!」というようなニュアンスです。(本作品のとてもフルーティーな味わいのパラドックスになっています)。また、このプロジェクト専用のホームページ(www.dreimannerwie.com/)やバックラベルに入っているロゴ「DREI MANNER WIE(ドレイ・マネール・ヴィ、=three men wine)」もアルザス特有の表現で、あまりにも不味いワインを飲んで倒れかけた真ん中の男を、横から2人が支えているという意味です。(ロゴの3人の男は彼ら3人を表していますが、実際にはみんなガリガリの3人が、筋骨隆々になって登場しています)。「10年前位から、いつか絶対やろう!と温めていた企画だったのですが、2018年に、3家族にほとんど同じタイミングで子供が生まれたのをきっかけに、今こそ!ということになりました。アルザスワインの美味しさをぜひ知っていただきたいですし、もしお口に合えば、僕たち3人がそれぞれのテロワールを表現している本気印の作品に進んでいただけたら、とても嬉しいです」(ポール・フックス。2019年8月東京にて)。
’22アンリ・フックス レ・プティ・カイユー ¥3.400-
(辛口)<「Alsace Blanc」がリニューアル>ピノ・グリ35%、リースリング25%、ミュスカ25%、シルヴァネール15%のブレンド。粘土シルト質、砂質土壌。平均樹齢35年のVV。収量は55hl/ha。ステンレスタンクで5ヶ月間熟成。作品名の「レ・プティ・カイユー」は(畑にたくさん見られる)「小石たち」の意味です。
ベルトラン&ヴァンサン・マルシュソー

ブルグイユとサン・ニコラ・ド・ブルグイユおよびシノンに合計22ヘクタールの畑を所有しており、2012年以降、その全面積でビオロジック栽培を実践しています。
 「多様な料理とのマリアージュを楽しめる、ピュアで繊細なワイン造りをフィロソフィーとしています。ブルグイユの畑は、大きく「ラ・ヴァレ」「ラ・テラス」「レ・コトー」の3つに分類できますが、僕たちの畑は、最も華やかで上品なワインを生む「ラ・テラス」にあります。シノンの畑は、ヴィエンヌ川右岸のサヴィニー・アン・ヴェロンにあり、砂質土壌から、ピュアで洗練されたワインが生まれます。ビオロジック栽培を開始してから、口当たりはより繊細になり、果実味はよりピュアで美しく、余韻はより深く、長くなりました」。 
「毎年多くのシェフやソムリエがドメーヌを訪れてくれます。彼らが話してくれる、新しいマリアージュの発見や、お店で僕たちのワインを飲んでくれたお客様の感想などが、大きな励みになっています。
’21ベルトラン&ヴァンサン・マルシュソー シノン ルージュ ¥3.300-
(フルボディ)カベルネ・フラン100%。サヴィニー・アン・ヴェロン村に4ha。砂質土壌。平均樹齢20年。コンクリートタンクとステンレスタンクで発酵後、6ヶ月間熟成。ラベルの電球は、フランス人が良いアイデアを思いついた時によく使うアイコンで、「ぜひいろいろなお料理と合わせていただき、新しいマリアージュを発見して楽しんでいただきたい」というマルシュソー兄弟の思いが込められています。
アンドレ・ロジェ

1987年、5代目当主ジャン・ポル・ロジェの継承によって、一世紀に及んだ歴史は転換の時を迎えました。
「シャンパーニュの頂点と言われるアイに、先祖が残してくれた素晴らしい古樹畑を持っている。我が手で、理想の「アイのシャンパン」を造ってみたい」。
厳格なリュット・レゾネ栽培への転換からはじめた彼は、その後20年もの歳月をかけて、醸造の最適解の研究およびそれに伴う設備の刷新に取り組みながら、少しずつ自社ビン詰めを拡大していきました。そして、「キュヴェ」(一番搾り果汁)のみの使用や区画ごとのきめ細やかな醸造といった解の確立によって、「アイのシャンパンとは何か」の答えが作品に宿った2006年、世界に向けて発売が開始されました。(尚、「ブラン・ド・ブラン」にのみマルイユ・シュル・アイのシャルドネを50%使用していますが、他のすべての作品はアイ100%です。所有する残り2つのプルミエクリュのぶどうは、すべて大手メゾ
ンに売却しています)。 「アイのシャンパン」とは、「調和、円熟」であると言われます。味わいの個性が先鋭化されたシャンパンをお求めの方には、もの足りなく思われるかもしれません。しかし、「美味しいお料理と一緒に美味しいシャンパンを飲んで、至福の時を過ごしたい」と思われる方にとっては、きっと、「アイのシャンパン」こそが最適解のひとつです。アイが「別格の存在」としてフランスの歴史に燦然と輝き続ける理由も、ここにあります。
NVアンドレ・ロジェ ブリュット グランド・レゼルヴ グラン・クリュ¥8.140-
(辛口)100%グランクリュ・アイのピノ・ノワール80%、シャルドネ20%。平均樹齢35〜40年のヴィエイユ・ヴィーニュ。2〜3年間ビン熟成。ドザージュは9g/l。
ドメーヌ・プティジャン

シャブリに近くキンメリッジアン土壌が多いこともあって、ミネラル感たっぷりの美味しいワインを造っていること。そして、価格設定が良心的であることです。「僕は食べることと飲むことが大好きで、ほとんど生きがいと言ってもいいくらいです」という彼にとってワイン造りは天職で、美味しい料理をさらに美味しくするようなワイン造りを目指して、仕事に打ち込んでいます。
「料理を引き立てるワインとは、濃過ぎず上品で、たっぷりとしたミネラル分のあるワインだと思います。この辺りの土壌はもともとミネラル分が豊かですが、化学肥料を使わず根をできるだけ深くまで伸ばすことによって、最大限のミネラルを得られるように心がけています。醸造はミネラルを損なわないよう、過度の抽出を避け、ごく自然に行っています。
修業したフォレや、友人のシプリアン・アルロー、ティボー・リジェ・ベレールなどと情報交換しており、「彼らから訊いた栽培方法や醸造方法のうち良いと思うものは、僕のACブルゴーニュやサン・ブリのワイン造りに取り入れるようにしています」。
「僕のワインの最大のお客様は僕です。自分が造った美味しいワインと一緒に美味しい料理を食べることほど幸せなことはありません」(笑)。
’20ドメーヌ・プティジャン クレマン・ド・ブルゴーニュ アロマ¥4.400-
(辛口)ピノ・ノワール100%。サン・ブリ・ル・ヴィヌー村のリウ・ディ「ラ・ヴォワ・デュ・ムーラン」より。0.23ha。樹齢約10年。収量は60hl/ha。ステンレスタンクで醸造。24ヶ月間ビン熟成。MCRによるドザージュは3g/l。作品名の「Aloma」は、ロマリックの双子の娘さん「Alexane」「Charlotte」と弟マティアスの娘さん「Emma」の名前を組み合わせたもので、ラベルにも3人の絵が描かれています。
フィリップ・ロベール
1989年に3代目フィリップ・ロベールが継承。同年よりリュット・レゾネ栽培を徹底し、畑仕事に精魂を込めています。
「タンニンをたっぷりと抽出し、かつ舌触りはシルキーで滑らか、というワイン造りを是とします。タンニンはコクとなって果実味を支え、お料理との相性を抜群にしてくれます。また、微酸化作用を得るため新樽比率を高めにしていますが、ライト・トースト(内側をあまり焼かない樽)にこだわって使用しています。このあたりのコンビネーションは、今年30年目を迎えた私が長い年月をかけて体得したものです」。
’22フィリップ・ロベール ブルゴーニュ ルージュ¥5.170-
(フルボディ)クシェ村内の区画より。0.25ha。平均樹齢35年。コンクリート製タンクでアルコール発酵後、2〜4回使用樽でマロラクティック発酵&13ヶ月間熟成。
アニェス・パケ 

実質ビオロジックのリュット・レゾネ栽培を創業当初から実践しているのみならず、ぶどう樹を1本1本観察して優れた樹の選抜と育成を行う「マス・セレクション」にも取り組むなど地道な努力を続けながら、急斜面をものともせずに畑仕事に精魂込めています。
「美味しい料理を引き立て、ガストロノミーに愛されるワインを造りたい」という彼女の願いは叶い、オークセイ・デュレスというややマイナーなアペラシオンにもかかわらず、その品質に感動した「コート・ドール」、「ランズブール」、「ポール・ボキューズ」、「ジョルジュ・ブラン」といったフランス・ミシュラン3つ星レストランのソムリエ達が、こぞってオンリストするようになりました。
彼女のワインは、透き通るようにピュアで清らかな口当たりながら、大地の滋養の結晶たる深いうまみに満ち溢れています。(それにしても昨今のブルゴーニュの女性醸造家達の造るワインは、頭ひとつ抜きんでているように思えます)。
’22アニェス・パケ ブルゴーニュ ルージュ¥6.700-
(フルボディ)2018年に購入したポマール村内のリウ・ディ「レ・クロカモ」より。0.8ha。平均樹齢40年のVV。除梗率3分の2。スレスタンクで発酵後、90%をステンレスタンクで、10%を新樽で10ヶ月間熟成。
アラン・エ・ヴァンサン・クルーズフォン

「2001年にドメーヌで働き始めるにあたって、今日から畑が自宅だと思いなさい、と父に言われました。趣味も持たず畑仕事に人生を捧げ、“良いワインは良いぶどうから“を背中で示した父を尊敬しています。畑にいる父は、いつも笑顔で楽しそうでした。父の笑顔と畑。これが僕の心の原風景になっています」(ヴァンサン)。
畑の申し子としての彼の魂は、最近リニューアルされたドメーヌのホームページの中でも輝いています(http://www.vins-creusefond.com)。手書きによる、ブルゴーニュのアペラシオンと斜面、土壌の関係の説明(LE VIGNOBLE)。畑仕事ひとつひとつの写真(LA TECHNIQUE→TRABAIL DE LA VIGNE)。すべてが必要にして十分な内容にまとめられていることも、彼の知性と良心を表していると思います。 
'22アラン&ヴァンサン・クルーズフォン ブルゴーニュ・コート・ドール ブラン\4.950-
(辛口)ムルソー村内の0.5haの区画より。平均樹齢40年のVV。樽で発酵後、10ヶ月間熟成。
マルク・ゴーフロワ

このドメーヌの大きな特徴は、ACブルゴーニュを除くすべての村名以上のワインについて、樹齢50年以上の古樹のぶどうのみを使用していることです。年間総生産本数は約2ヘクタール相当の12000本ほどで、残り9ヘクタール相当を占める樹齢50年未満のぶどうは、すべてネゴシアンに売却してしまいます。
「ムルソーもピュリニー・モンラッシェも、粘土質表土の下に石灰質・泥灰土質の分厚い層が横たわっており、この地下層から来るミネラルこそが、ワインの美味しさの鍵になります。そしてこのミネラルを十分に吸い上げることができるのは、根を地下深くまで伸ばしたヴィエイユ・ヴィーニュだけなのです」。
「テロワールがまったく異なる他国の産地でも、樽の使用法によって、バターのようにこってりとした風味のシャルドネを造ることができます。私は、この地ならではのミネラルを活かした、ここでしか造れないワインを造りたいのです」。
「樽の影響を精密にコントロールすることを心がけています。アルコール発酵はすべてステンレスタンクで行い、できたワインの特性を見極めてから、使う樽を決めます。すでにこの段階でヴィエイユ・ヴィーニュならではの濃密な風味があるので、基本的にバトナージュを行う必要はありません。また新樽の比率も、最大20%までに抑えるようにしています」(以上、マルク・ゴーフロワ)。
今日のムルソー村全域における「バター香からミネラルへ」の大転換は、生産者によって大きな試行錯誤を伴いながら進んでいます。
NVマルク・ゴーフロワ ゴーフロワ・ジャコブ クレマン・ド・ブルゴーニュ ロゼ¥4.800-  
(辛口)ムルソ―村内のACブルゴーニュ区画からのピノ・ノワール100%によるブラン・ド・ノワール。直接圧搾法によるスパークリング・ロゼワインです。樹齢50年以上のVV。約18ヶ月間ビン熟成。MCR(濃縮果汁)によるドザージュは8g/l。
ナタリー&ジル・フェーヴル

相続直後からすべての畑を実質ビオロジックのリュット・レゾネ栽培に切り替え、長らくはぶどうで販売していましたが、2004年、小さいながらも最新式の醸造所を新築し、自社ビン詰めを開始しました。
奥さんのナタリーさんは、長年に渡って「ラ・シャブリジェンヌ」の醸造長を務めていたブルゴーニュ女性醸造家の筆頭格。
ここに、歴史的なシャブリ新世代ドメーヌが誕生しました。市場の紆余変遷の中で、超大手ネゴシアンのシャブリを中心として安売り大量販売競争を繰り返してきた面があります。しかしながら今日の、とりわけ新しい世代の造り手がミネラル重視で造るシャブリは、従来では考えられなかったような高い品質に達しています。しばらくシャブリから離れていた向きも、白ワインシーンに新しい豊かさを感じていただけると思います。
’22ナタリー&ジル・フェーヴル シャブリ¥4.950-
(辛口)25ha。斜面の向きやテロワールが異なる約10区画のブレンド。平均樹齢20年。「たっぷりとしたミネラル分をそのままお楽しみいただくため」樽は使用せず、ステンレスタンクで約6ヶ月間の熟成。