Jean-François Diconne ジャン・フランソワ・ディコンヌ
シャサーニュ・モンラッシェ・ブランの生産者の多くは、ぶどうを早めに収穫して酸を多く残し、補糖をした後バトナージュによってコクを出すという考え方でワインを造っていますが、私たちはぶどうを完熟させることにこだわっており、この辺りでは最も遅く収穫を開始するドメーヌのひとつです。ぶどうを完熟させた方が、酸と糖の自然なバランスを得ることができますし、ぶどう本来の果実味による豊かなコクを引き出すことができます。また、料理に合わせる際の鍵となる、たっぷりとしたミネラルも失われません。赤ワインについてもぶどうを完熟させることはもちろん、ピジャージュを行わずルモンタージュだけで醸すことで、ぶどう本来の美味しさや滋味を自然に引き出すようにしています。このようなスタイルのワインは女性に好まれるのか、私たちのお客様のほとんどが女性です」。
NVジャン・フランソワ・ディコンヌ クレマン・ド・ブルゴーニュ¥4.730-
Crémant de Bourgogne Brut クレマン・ド・ブルゴーニュ ブリュット
アリゴテ70%、ピノ・ノワール30%のブレンド。地元ルミニー村と東隣のシャニー村に合計0.75ha。平均樹齢40年のVV。収量は40hl/ha。ステンレスタンクで醸造。18ヶ月間以上のビン熟成。MCR(濃縮果汁)によるドザージュは7g/l。

アンリ・フックス
2006年に父アンリからバトンを譲り受けた4代目ポール・フックスは、2年後の2008年、完全ビオロジック栽培に転換。さらに、収量を大きく制限することで、「完璧なぶどうづくりを目指しています。料理の美味しさの鍵が塩(ミネラル)にあるように、ワインの美味しさの鍵もミネラルにあります。ビオロジック栽培によって土中深くまで伸びた根からミネラルをたっぷりと吸い上げ、収量制限によって一粒一粒にミネラルを凝縮させることが、美味しいワイン造りの本質です」(ポール・フ
ックス)。  醸造もきめ細かく、アルザスではほとんど見られない、超小型ステンレスタンクの多数基使用によって、区画ごとのテロワールの違いやヴィンテージの個性を、より高い精度でワインに反映させています。
’19アンリ・フックス ピノ・グリ チガーヌ¥4.300-
特別に優良な0.8haの高台区画より。小石混じりの粘土質土壌。平均樹齢25年。ステンレスタンクで5ヶ月間熟成後、フードルで4ヶ月間熟成。桃のように濃密なアロマと、真に完成されたピノ・グリのみが醸し出す、スモーキーな風味が心に残ります。残糖は8.5g/l(辛口)。キュヴェ名の「tzigane」は、「ジプシー」(移動型民族)のことで、その昔ハンガリーからもたらされたこの品種が、アルザスにおいても長らく「tokay」と呼ばれていたにもかかわらず、先般のEUワイン法の改正によってアルザスワインにおける「tokay」の使用が禁止された経緯から、この品種が辿った数奇な運命を表したものです。ラベルデザインに採用された絵画は、ワインについて詠われた楽曲が多かった、ハンガリーの伝統音楽の世界をモチーフにしています

ヴァンサン・ルグー
「元DRC」、第三章――。
アンリ・オーディフレッドがロマネ・コンティとラ・ターシュの栽培を担当していた頃、主にグラン・エシェゾーとエシェゾーの栽培を担当していた同僚の名を、ヴァンサン・ルグーといいました。
翌年からビオロジック栽培への切り替えを開始し、2010年から完全ビオロジック栽培となりました。
「栽培も醸造も、除梗率や新樽率などを除いて、基本的にはDRCでやってきたことをそのまま行っています。最も大事なことは、observation(オプセルヴァシオン/観察)。すべてにおいて、自分の目で見て確認するということです」。
理想とするワインは、「エキスがたっぷりと抽出されていて、かつ、濃くなく上品なワインです」(以上、ヴァンサン・ルグー)。
尚、親子3代にわたって勤めたDRC社との人的関係は今も深く、独立後しばらくは、同社オーナーのオベール・ド・ヴィレーヌ、および醸造長ベルナール・ノブレの両氏も連れ立って彼のドメーヌを試飲に訪れ、「価値ある助言」をしてくれたそうです。
’21ヴァンサン・ルグー ブルゴーニュ オート・コート・ド・ニュイ ブラン¥5.200-
地元コンクール村内の複数の区画合計で1.92ha。樹齢30年以上。石灰質主体の土壌で、酸とミネラルたっぷりのワインとなります。新樽15%、1~5回使用樽85%で16ヶ月間熟成。

シャトー・ド・ピオット
パリでM&A関連の最前線で活躍していたヴィルジニー・オーブリオンは、「大自然の中で、体にも心にも優しいワインを造ってみたいという思いを抑えることができなくなり、すべてを捨ててボルドーに移りました」。醸造学校で栽培と醸造を修めた後の1989年、ドルドーニュ川右岸のオービ・エスプサ村に1920年から続くシャトーを譲り受ける幸運に恵まれ、自身のシャトーを設立しました。
創業直後から11ヘクタールの全面積でビオロジック栽培を実践し、2011年にビオディナミに転換しました。
「ビオディナミとは、ホメオパシーです。目的は化学薬品に頼ることなく自然免疫を強化することで、人間もぶどう樹も同じことです」。
「ぶどうの品質は、生物多様性によって決まると考えています。私は、馬、ロバ、ヒツジ、ブタ、犬、猫、ニワトリ、鴨、そして土の中の無数の小動物や微生物たち、畑に咲き誇る無数の草花たちと一緒に暮らしています。すべての生物は可愛いだけでなく、自然界の中でそれぞれの役割を持っています。ラベルにも描いた鴨は、お隣さんからいただいた卵を私がふ化させたもので、ミッシェルといいます(2枚の写真のどこかにもいます!)。小さな大自然である私のぶどう畑が、ミッシェルお気入りの散歩コースです」。
「果実味に満ち満ちたぶどうをそのままワインにするために、アンフォラを愛用しています。培養酵母や醸造用添加物は一切使用せず、ぶどうが自然にワインに生まれ変わるのを見守るだけです。SO2はビン詰めの前に極少量使用しています」。
’10シャトー・ド・ピオット キュヴェ・デ・シェフ ボルドー・シュペリウール ¥3.960-
AOC Bordeaux Supérieur。メルロ60%、カベルネ・ソーヴィニヨン25%。カベルネ・フラン10%、マルベック5%。オービ・エスプサ村に3ha。粘土質・泥土質土壌。平均樹齢50年のVV。収量は30hl/ha。コンクリート製タンクで発酵&24ヶ月間熟成後、225リットルの樽で12ヶ月間熟成(新樽率30%)。SO2はビン詰め前に極少量使用。
NV シャトー・ド・ピオット ペルル・ド・ピオット ブラン¥4.950-
AOC Crémant de Bordeaux。セミヨン60%、コロンバール30%、カベルネ・フラン10%のブレンド。ヴァル・ド・ヴィルヴェ村に1.5ha。粘土質・泥土質土壌。平均樹齢60年のVV。収量は40hl/ha。1000リットルの砂岩製アンフォラで発酵後、1年間熟成。36ヶ月間以上ビン熟成。ドザージュは2g/l。SO2はビン詰め前に極少量使用。作品名は「ピオットの真珠」の意味です。

ドメーヌ・デ・クリオ
シャブリ村より南に40km、世界遺産「サント・マドレーヌ大聖堂」をいただくヨンヌ県の古都、ヴェズレイ。中世から近代にかけてワインの銘醸地として名声を博していたこの一帯は、フィロキセラ禍と二度の世界大戦を乗り越えて、1970年頃から再興の道を歩みはじめました。1985年にACブルゴーニュに認定され、白は1996年からコミューン名付きの「ブルゴーニュ・ヴェズレイ」に、そして2017年にはついに村名AOP「ヴェズレイ」に昇格し、かつての栄冠を取り戻しました。
2018年よりビオロジック栽培を開始し、2022年に「ビュロー・ヴェリタス」の認証を取得。同年、2代目のヨアン・ドゥフェールに世代交代しました。
「ブルゴーニュ・ブランとヴェズレイの畑は、いずれもヴェズレイ村、サン・ペール村およびアスカン村にありますが、アペラシオンによって土壌が大きく異なります。
ブルゴーニュ・ブランは泥土質土壌のためフルーティーで華やかなスタイルになり、ヴェズレイは粘土質主体の土壌のため濃厚でリッチな味わいになります。
’19ドメーヌ・デ・クリオ ヴェズレイ ブラン ¥4.620-
シャルドネ100%。ヴェズレイ村、サン・ペール村、アスカン村に合計5.6ha。ヴェズレイ村の複数区画合計で5.6ha。粘土質に勝る粘土石灰質土壌。平均樹齢35年のVV。収量は40hl/ha。エナメル製タンクで発酵後、12ヶ月間シュール・リー熟成。

ドメーヌ・ディシ・ラ
「ビュジェ」南部、クリュ「モンタニュー」中心部に位置するグロスレ・サン・ブノワ村にて、長年ビオロジック栽培を実践しながら素晴らしいワインを造っていたパトリック・シャルランは、引退に際し、彼の意志を継いでくれる若者に畑を譲りたいと考えていました。そして2017年、各所で修行を重ねた後自身の自然派ワイン造りを志向していたアドリアン・バリオルとフロリー・ブリュネのカップルとの幸福な邂逅が訪れ、ここに、6ヘクタールもの宝石のような畑を擁する自然派ドメーヌ「ディシ・ラ(現在から未来まで)」が誕生しました。
「パトリックも私たちも、ぶどう栽培やワイン造りといったこと以前に、すべてのおおもとは「生物多様性」にあると考えていましたので、すぐに意気投合することができました。私たちは、この地の大自然の結晶のようなぶどうの美味しさをそのままワインにするためヴァン・ナチュールへと進化させることを提案し、パトリックも大いに喜んでくれました」。
’22ドメーヌ・ディシ・ラ リトス ¥4.730-
AOC Bugey。シャルドネ100%。リュイ村に1ha。白色粘土質土壌。平均樹齢40年のVV。収量40hl/ha。除梗しない。ステンレスタンクで発酵後、7ヶ月間シュール・リー熟成。無清澄、ノンフィルターでビン詰め。ビン詰め時にのみ極少量のSO2を使用。作品名の「リトス」はギリシャ語で「石」という意味で、この畑に化石が多く見られることからの命名です。