ハネス・サバティAUSTRIA Selection
創業は1840年、ズュートシュタイヤーマルクの中でも特に優れたリートとして知られる、クラナッハベルグの頂上に拠を構える名門中の名門です。代々にわたって高い名声を獲得してきましたが、2005年にワイナリーを継承した5代目ハネス・サバティの手によってさらに精彩を極め、同産地のトップワイナリーの一角となりました。
 「クラナッハベルグは標高500m、水捌けの良い砂礫や砂から成る、南向きの急斜面畑です。このテロワールから、他のどの産地のものとも似ていない、鮮烈なミネラルが生まれます。このミネラルをそのままボトルに閉じ込めるのが僕の仕事です」。 白眉は、ソーヴィニヨン・ブラン。「30年は美味しく熟成できるワイン造りを目指しています。いつの日か、世界最高のソーヴィニヨン・ブランを造ってみせます」(ハネス・サバティ)。
’19 ソーヴィニヨン・ブラン¥3.300-
(辛口)ソーヴィニヨン・ブラン100%。5ha。砂礫質・砂質土壌。平均樹齢約15年。ステンレスタンクで醸造。
ライナー・ヴェスAUSTRIA Selection
ウィーン南部のホリイゲに生まれ、相続する畑を持たなかったライナー・ヴェスは、ボルドーの「シャトー・ランジェリュス」や「シャトー・シュヴァル・ブラン」、カリフォルニアの「ロバート・モンダヴィ」などで修業した後に帰国し、高名な「ドメーヌ・ヴァッハウ」の醸造長として世界的な名声を築きました。そして、「小さい頃からの私の夢 -いつか自分のワイナリーを地図に載せ、最高のワインを造る-」を叶えるべく、2003年、満を持して自身のワイナリーを設立しました。(その後2010年にワイナリーをクレムスタールに移転しました)。「ワインの楽しみ方は人それぞれですが、私にとって良いワインとは、美味しい料理をさらに美味しくしてくれるもの。料理とワインで1セットです。繊細な料理の風味を損なわないためには、アルコール度が高すぎない辛口であることが大事で、そのため栽培においては、ボトリティスをつけないことを基本方針としています」。

’20ツヴァイゲルト ザンクト・ラウレント ロゼ
¥3.000- 
(辛口)クレムスタール産のツヴァイゲルト50%、ザンクト・ラウレント50%。セニエ法によるロゼワイン。原生岩・片麻岩土壌。樹齢約40年のVV。ステンレスタンクで醸造。
モリッツAUSTRIA Selection
「古今東西、真の芸術作品は職人の手作業によってのみ生み出され、機械を使って「生産」することはできません。ワイン造りもまったく同じです。3ヘクタールという栽培面積は、私がすべての仕事を精密かつ完璧に行える限界であり、果汁の一滴一滴に魂を込めながら、私自身が最も美味しいと思うワインを手作りしています」。
 1枚1枚自分の手で切り貼りしているというフェルト製のラベルを最初に見た時も度胆を抜かれましたが、自国オーストリアとお隣のドイツで完売してしまうという幻の秘酒を、よく輸入できることになったものだと思います(良縁が重なりました)。年間を通じてごくわずかな量しかご紹介できませんが、もし彼のワインに出会えましたなら、それもまた、良縁だと思います。
’20ツヴァイゲルト¥3.850- 
(フルボディ)1ha。粘土質、ローム土壌。ツヴァイゲルト100%。平均樹齢約35年。1000~1300リットルのフレンチオークで12ヵ月間熟成。ノンフィルターでビン詰め。年間生産量は約3000本のみ。
ウマヌSOUTH FRANCE Selectionコルシカ島
「私たちが特にこだわっているぶどう品種が、ピノ・ノワールと、コルシカ島の土着品種ニリュチュウです。ピノ・ノワールはコルシカ島最大の栽培面積を所有しており、この地特有のシスト土壌から、繊細でエレガントなピノ・ノワールが生まれます。ニリュチュウは、とても華やかな香りを特徴とする、果実味たっぷりのワインです。ピノ・ノワールを主体としてニリュチュウを少しブレンドすることで、いちごのようにジューシーな果実味、爽快な森林の香り、様々なハーブやスパイスを思わせる複雑味、そして豊かなコクを一度に楽しむことができる赤ワインとなります。これが私たちの考える、ザ・コルシカン・ワインです」(アラン・マゾワイエ)。
’18 ピノ・ノワール ニリュチュウ¥2.420-
(ミディアムボディ)IGP Ile de Beauté。ピノ・ノワール80%、土着品種ニリュチュウ20%のブレンド。シスト質、粘土質土壌。平均樹齢25年。ステンレスタンクで醸造。2017年度「ジルベール&ガイヤール」金賞受賞(2016年ヴィンテージ)、2018年度「ジルベール&ガイヤール」金賞受賞(2017年ヴィンテージ)。
ドメーヌ・レ・テュイルリーフランス南東コルナス
シャルドネは最新鋭のステンレスタンクを発酵槽に使用するなど、醸造面においても「ドメーヌ・ド・クルサック」の設備と知見がフル投入されています。
 尚、「テュイルリー」とは、南仏でよく見られる(テラコッタ製の)瓦のことで、このドメーヌの屋根にも使用されています。特徴的なラベルは、ロゴや絵などすべてのデザインを、近隣に住む友人でもある世界的なアーティスト、イアン・マースデンが手がけました。
’19シャルドネ¥2.100-
(辛口)IGP Cévennes。シャルドネ100%、粘土石灰質。2ha。平均樹齢15年。ステンレスタンクでアルコール発酵後、5ヶ月間熟成(マロラクティック発酵は行わない)。
ドメーヌ・デ・トレーズ・リュンヌグラニエ山麓のシャパレイヤン村(サヴォア)
「13の月というドメーヌ名も、ビオディナミの基本となる月の運行に由来しています。大地、海、そして動植物の活動は月のリズムに連動しており、私のすべての仕事もこのリズムに対応させています」。
偉大なヴィニュロンのオーラを早くも纏いはじめている彼のワインは、豊潤にして深奥。サヴォワ特有の控えめなアルコール度数も相まって、日常の食事から究極的美食まで、純然たるマリアージュの悦びを提供してくれます。
   ’19アプルモン¥3.300-
(辛口)AOP Vin de Savoie Apremont。クリュ「アプルモン」からのジャケール100%による白ワインです。2ha。粘土石灰質・泥灰土質土壌。平均樹齢50年以上のVV。グラスファイバー製タンクで発酵後、6ヶ月間熟成。華やかな香りと豊かな果実味が特徴です。
テール・デトワール(クリストフ・ミットナット)ALSACE Selection
「ビオディナミにしてから、鹿やイノシシが畑に入ってくるようになりました。それと、畑に野生のチューリップが咲いたり、野いちごが実るようになったんですよ」。
 「アルザスはぶどう品種のバラエティが豊かで、和食はもちろん、多種多様なお料理に合わせることができます。そのマリアージュの楽しさ、そして美味しさを、ひとりでも多くの方に知っていただければと思います」(由佳・ミットナット)。
’20キュヴェ・ギョタク¥3.520-
(辛口)「お寿司に本当に合うワインは何か?」 赤坂のレストランで長年シェフを務めていた由佳さんは、夫クリストフとともに長年このテーマに取り組んできました。「一口にお寿司に合うと言っても、お魚だけではなく、酢飯、わさび、しょうゆ、ガリとも合わなくてはなりません」。研究を重ねた夫婦が辿り着いたひとつの結論は、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカ、ピノ・グリ、ピノ・ブランの5品種のブレンドでした。「ブレンド比率は企業秘密です(笑)。ヴィンテージによって比率も変わります」。地元ユナウィールとリボーヴィレの畑から。粘土石灰質土壌。平均樹齢30年。収量は約50hl/ha。フードルで醸造。尚、このワインは、アルザスの伝統的呼称における、いわゆる「gentil (ジャンティ)」(50%以上貴品種を使用したブレンドワイン)です。
ローラン・シュミットALSACE Selection
ミシュランと双璧を成すグルメガイド「ゴー・ミヨー」が年1回発行するワインガイド(2010年度版)は次のように評しています。
 「繊細な彼らのワインは(アルザスワインの)真実を語っている。極めてデリケートで、力強いというよりも華やか。主張を押し付けるのではなく、それとなくほのめかすようである」。
当時から環境に優しいリュット・レゾネ栽培を厳格に実践していたお父さんの意志をしっかりと受け継ぎ、2004年にはそれをさらに発展させる形で完全無農薬栽培に移行しました。
 「美しい酸とミネラルのコクをなによりも大切にし、美味しい料理をさらに美味しくするワイン造りを目指しています」(ブルーノ・シュミット)。
’20ミュスカ グリンツベルグ¥3.300- 
(辛口)2区画合計で0.47ha。ミュスカ・オトネル(アルザス土着の亜品種で、豊かなストラクチャーが特徴)70%、ミュスカ・ダルザス(いわゆるマスカットでフルーティーな風味が特徴)30%。平均樹齢20年。泥灰土石灰質土壌。ステンレスタンクで醸造。「グリンツベルグ」は、グラン・クリュの「アルテンベルグ・ド・ベルグビエテン」に隣接する優良区画です。香りから口に含んだ時の味わい、余韻まで一貫して、鮮烈で濃密なミュスカ(マスカット)の風味をお楽しみいただけます。アスパラガスなど野菜料理とのマリアージュは、やみつきになる可能性があると思います。「ぜひデキャンダージュして召し上がってください」(生産者より)。
レオン・ハイツマン(← クレマン・クリュール)ALSACE Selection
1804年にアメルシュヴィール村に創業したドメーヌで、1987年に6代目レオン・ハイツマンが継承。2006年にビオロジック栽培、2008年にビオディナミを開始。「ベタンヌ+ドゥソーヴ」にも所載されるなど、アルザスを代表するビオディナミ生産者のひとつです。
’19 ジャンティ・ド・カッツ¥3.520-
(中辛口)ピノ・ブラン50%、ピノ・グリ25%、ゲヴュルツトラミネール25%のブレンド。平均樹齢40年。「ジャンティ・ド・カッツ」は「優しいにゃんこ」という意味で、「ジャンティ」はこの「優しい」という意味と、アルザスの伝統的呼称における「gentil」(50%以上貴品種を使用したブレンドワイン)をかけています。白い花やライチ、桃、杏子などを思わせる芳香。豊かなコクがあり美味しさが口いっぱいに広がる、半甘口~中辛口ワインです。
ジェラール・メッツALSACE Selection
「ワイン造りに携わるようになってすぐに、これは音楽とまったく同じだと気づきました。ピアノ曲などの演奏で考えると分かりやすいですが、楽曲は、テロワール。アルザスのような土壌の複雑さや古樹は、和音の数が増えるといったような音楽性の高まり。演奏者は、醸造家。楽曲を尊重しながらも自らのイマジネーションをもって解釈し、修練を積んで演奏する。楽曲の素晴らしさと演奏者の心技が一体となった時、言葉では表現できない何かが、五感に響いてきます」。
 また彼は、醸造所に本格的なオーディオシステムを装備しており、高音質の音楽を聴きながら仕事をすることにこだわっています。
 「醸造家の精神状態は、仕事の質に直結します。音楽は、私の心を常に穏やかに保ち、幸せな気持ちで仕事をさせてくれます。その心のありようは、きっとワインにも伝わっていると思います。「ピアノソナタ第11番イ長調(第3楽章が「トルコ行進曲」)」をはじめとして、モーツァルトが特に好きです」。
 「思えば義父ジェラール・メッツの教えも、五感で感じなさい、というものでした。気候の変化を肌で感じる、畑や樹々の個性を全身で感じる、発酵の様態を体で感じる。大事なことはすべて、言葉では説明できません」。
 ラベルの楽譜は、このドメーヌ初のグランクリュ、「Riesling Grand Cru Muenchberg 1991」の完成を祝して、オペラの演奏で名高い「ストラスブール管弦楽団」に所属していた友人が作曲してくれたワルツからのもので、2009年ヴィンテージより、すべてのワインのラベルに採用されています。
 「心地よい和音のようなハーモニー(調和)とふくよかさが感じられ、飲むと自分の好きな音楽が自然に聞こえてくるようなワインを造りたいと思っています」。

’19ピノ・ノワール ヴィエイユ・ヴィーニュ¥3.630- 
(フルボディ)1.5ha。泥灰土石灰質土壌。樹齢50年以上のVV。100%除梗。フードル(大樽)で9か月間熟成。果実味豊かでかなり美味。
ポワロン・ダバン LOIRE Selection
「この畑は、花崗岩より酸が、シスト(片岩)よりミネラルが生まれる、ミュスカデのお手本のようなテロワールです。平均樹齢45年のヴィエイユ・ヴィーニュなのでぶどうが凝縮しており、黄色い果実やハチミツのような、たっぷりとしたコクをお楽しみいただけます」(ジャン・ミッシェル・ポワロン)。
’20クレ・デュ・ソル シャントグロール¥2.520- 
(辛口)Muscadet Sèvre et Maine sur Lie。ミュスカデ100%。地元シャトー・テボー村のリウ・ディ「シャントグロール」より。花崗岩質・シスト(片岩)質土壌。平均樹齢45年。収穫量は30hl/ha。地下に埋めてあるガラス製タンクで発酵後、6ヵ月間シュール・リー熟成。2017年度「パリ農産物コンクール」金賞受賞。
ドメーヌ・プティジャン ブルゴーニュ
サン・ブリ・ル・ヴィヌー村に1930年に創業した「ドメーヌ・プティジャン」は、1999年、ヴォーヌ・ロマネの「ドメーヌ・フォレ」で修業したロマリック・プティジャン(写真右)によって継承され、本格的に自社ビン詰めを開始しました。
 「僕は食べることと飲むことが大好きで、ほとんど生きがいと言ってもいいくらいです」という彼にとってワイン造りは天職で、美味しい料理をさらに美味しくするようなワイン造りを目指して、仕事に打ち込んでいます。 「料理を引き立てるワインとは、濃過ぎず上品で、たっぷりとしたミネラル分のあるワインだと思います。この辺りの土壌はもともとミネラル分が豊かですが、化学肥料を使わず根をできるだけ深くまで伸ばすことによって、最大限のミネラルを得られるように心がけています。醸造はミネラルを損なわないよう、過度の抽出を避け、ごく自然に行っています。
’20サン・ブリ フュ・ド・シェンヌ¥3.300- 
(辛口)0.12haの区画に植えられたソーヴィニヨン・グリ100%。キンメリッジアン土壌。樹齢約10年。除梗100%。228リットルの新樽100%で発酵&14ヶ月間熟成。年産3樽(約900本)の限定作品。ソーヴィニヨン・グリはサン・ブリ全体で5%程度しか植えられていない希少品種です。早熟なため完熟しやすく、エキゾチックフルーツのような華やかな香りと濃密なコクがワインに表れるため、樽との相性が抜群です。また、キンメリッジアン土壌であるため、たっぷりとした酸とミネラルもお楽しみいただけます。
フィリップ・ロベール
リュット・レゾネ栽培を徹底し、畑仕事に精魂を込めています。
 「タンニンをたっぷりと抽出し、かつ舌触りはシルキーで滑らか、というワイン造りを是とします。タンニンはコクとなって果実味を支え、お料理との相性を抜群にしてくれます。また、微酸化作用を得るため新樽比率を高めにしていますが、ライト・トースト(内側をあまり焼かない樽)にこだわって使用しています。このあたりのコンビネーションは、今年30年目を迎えた私が長い年月をかけて体得したものです」。
 味わいの各要素が高次元で調和する匠の作品を求めて、2000人を超える愛好家が顧客名簿に名を連ねます。ゆえに日本では真に知られざる存在でしたが、2015年に、息子のジュアン君がドメーヌに参画したことで、少しずつ輸出にも目を向けられるようになりました。
’17ブルゴーニュ ルージュ¥4.180-
(フルボディ)クシェ村内の区画より。0.25ha。平均樹齢35年。コンクリート製タンクでアルコール発酵後、2~4回使用樽でマロラクティック発酵&13ヶ月間熟成。
ルー・デュモン
仲田さんのワイン造りを特徴付けているのは、まさしく日本人職人的と言うべき、周りがあきれるほど細部まで徹底的にこだわる仕事への執念です。仕込むワインのテロワールや個性を研究し尽くした上で、樽の選定眼や熟成方法を駆使してワインを磨き上げます。
 2003年5月、在りし日のアンリ・ジャイエ翁より「自分自身のアイデンティティをワインに表現せよ」との薫陶を受け、「日本人であるということ」「自然と人間に対する真摯な尊敬の念」の象徴として、「天・地・人」が生まれました。
’96ブルゴーニュルージュ(レア・セレクション)¥4.400- 
(フルボディ)ワインの買い付けのために毎日のように生産者を訪ね歩いている仲田さんが、地道な活動の中で見つけた蔵出し古酒。メゾン・ルー・デュモンにクルチエ達がビン買い(”シュル・ピル”といいます)条件で持ち込んでくる古酒。それらの中から、コストパフォーマンスが抜群なものだけを仲田さんが厳選して紹介してくれるのが「レア・セレクション」です。(「レア・セレクション」の「レア」は、”レアちゃん”と、”レアもの”をかけたもの)。これぞまさしく、ブルゴーニュ古酒の”いいとこどり”であります。尚、セレクション各古酒の生産者名は非公開です。あくまでも”仲田印”です。
G. ロブロ・マルシャン
2001年、4代目フレデリック・ロブロが継承。お父さんから教わったことを大事にしつつも、さらなる品質向上に燃えていた弱冠24歳の彼に、栽培・醸造両面において真摯な助言を与え続けてくれたのは、クリストフ・ルーミエとドミニク・ル・グエンでした。
 「除草剤と殺虫剤の使用をやめ、畑仕事の時間を3倍にすることから始めました」。
 栽培と醸造の改良は、年を追うごとに、よりはっきりと結果に表れてゆきました。私たちは毎年彼を訪れて品質の向上を実感してきましたが、2008年秋、瓶詰めを間近に控えた2006年ヴィンテージを試飲して深く感動し、彼の求道の旅が終着を迎えたことを確信して輸入を開始しました。(今から思えばあの時の確信はまったくの間違いで、2007年ヴィンテージ以降も、品質はさらに向上し続けることになりました)。
 「ワイン造りとは、幸せを分かち合うことであると考えています。僕のワインを飲んでくださる方が幸せな気持ちを感じていただくことが、僕にとっての幸せです」。
 とても誠実で控えめな彼らしい、しかしワイン造りの究極的なフィロソフィーであると思います。

’19ブルゴーニュ ルージュ¥3.850- 
(フルボディ)シャンボール村内のACブルゴーニュ区画、Les Graviers と Les Pelsons に合計0.65ha。平均樹齢20年。2~3回使用樽で14~16ヶ月間熟成。
ディジオイア・ロワイエ
いつもツナギを着た彼が畑にいる時間の長さはブルゴーニュのヴィニュロンの中でも群を抜いており、土壌への負荷を軽減するために1978年製の超軽量トラクターを改良して使用するなど、細密なこだわりを持って仕事に打ち込んでいます。
 「ぶどうを完璧な状態で収穫することだけのために、毎日働いているといっても過言ではありません」(ミッシェル・ディジオイア)。
 好きな言葉は「情熱」。シャンボール新世代のトップランナーのひとりです。
’20ブルゴーニュ ルージュ¥4.100- 
(フルボディ)90%がシャンボール村内の「レ・ペルソン」、「レ・プラント・ジルベール」、「レ・グラヴィエ」の3区画、5%がモレ・サン・ドニ村内の「レ・ポワゾ」、5%がジイィ・レ・シトー村内の「レ・マラディエール」で、合計約1ha。平均樹齢35年。50%をステンレスタンクで、50%を1~3回使用樽で12ヶ月間熟成。
フランスにおけるワイン評論の第一人者ミッシェル・ベタンヌから「極めてシャンボールらしい味わいである」と絶賛
「凡庸なシャンボールよりはるかに美味しい」(堀晶代)
アンリ・ダルナ
1996年にモノポールに認定され当時大きな話題となった、「ムルソー・プルミエクリュ・クロ・リシュモン」
ムルソー村に1850年から続く名門ドメーヌで、2000年に5代目アンリ・ダルナが継承。「すべてを、完璧に行いたい」という完璧主義者の彼は、ドメーヌを継いで以来栽培と醸造の両面において求道者的な試行錯誤を繰り返し、やがて2006年ヴィンテージ頃から、ワインを別次元のものへと生まれ変わらせました。
 「分かったのは、ムルソーとは本来ミネラリーなワインであるということです。僕自身、180度真逆に考えていました。この地ムルソーでぶどうを完熟させると、実にたっぷりとしたミネラルがワインに取り込まれます。これが、食事との相性を抜群にしてくれるのです」。

’18ブルゴーニュ ブラン ラ・ジュマリー¥4.100-
(辛口)ムルソー村内のACブルゴーニュ3区画(「En l’Ormeau」、「Les Grandes Coutures」、「Les Basses Gouttes」)合計で2ha。平均樹齢約30年。フードルで12ヶ月間熟成。キュヴェ名の「Jumalie」は、3人の娘さんの名前(Julie、Marie Charlotte、Amélie)からつけたものです。厳格なリュット・レゾネ栽培。除草剤は一切使用しない。除梗しない。天然酵母のみで発酵。クラシックでナチュラルな醸造
ステファンヌ・ド・スーザ
「全部で2.5ヘクタールしかありませんので、1本1本のぶどう樹の特性がすべて頭に入っています。月のカレンダーなど一部ビオディナミの手法も採り入れながら、各AOPの最高レベルのぶどうを収穫することを目指しています。長年薬学の世界に身を置いていたこともあり、化学肥料や化学的に合成された農薬の使用に強い抵抗があります。また、醸造におけるSO2の使用についても、必要最小限の極少量にとどめています。La Nature decide (すべては自然が決めます)。私たちは、それぞれの土地の個性、そして各ヴィンテージの個性がワインに描き出されるよう、ささやかなお手伝いをするだけなのです」。
 フランスワインガイドの金字塔「ベタンヌ+ドゥソーヴ」にも早々と所載され、その中でミッシェル・ベタンヌは、「栽培も醸造も、最大限自然に寄り添ったものである」と述べています。
実質ビオロジックの厳格なリュット・レゾネ栽培。化学肥料、除草剤、殺虫剤、防腐剤は原則として使用しない。月のカレンダーなど、ビオディナミの手法を一部採用
除梗しない。天然酵母のみで発酵。SO2の使用を最小限(マロラクッティック発酵後とビン詰め時のみ)に抑えたナチュラルな醸造

’18ブルゴーニュ・コート・ドール ブラン レ・マニー¥3.960-
(辛口)ムルソー村内の区画「レ・マニー」に0.5ha。粘土石灰質土壌。樹齢約35年。樽で発酵後、12ヶ月間熟成(新樽率20%)。
フランソワ・ベルジュレ
「ノレ村は、オート・コート・ド・ボーヌの中でもとりわけ石灰質に富むコミューンです。また標高が450mと高いため、温暖化の中にあって冷涼な気候を維持しており、まさしくぶどう栽培の楽園です。楽園には、それにふさわしい創造性とイマジネーションが必要です」。
 ベルジュレ家に代々受け継がれてきた樹齢65~70年の名区画「ロンド」は、独立作品となってクリエイティブなエチケットにその名を刻み、新たな可能性を求めて彼が植樹したピノ・ブーロ(ピノ・グリ)は白の看板作品となり、超完熟ピノ・ノワールを全房発酵させた意欲作には、愛する長男の名が銘されました。
 表現者としての美意識の深さは、ワイン造りにもいかんなく発揮されています。みずみずしい果実の美味しさや大地の滋味が胸に迫りくるような彼の作品は、飲み手を愉悦の境地へと誘ってくれます。
マス・セレクションを実践。2010年から厳格なリュット・レゾネ栽培。化学肥料、殺虫剤、防腐剤は一切使用しない。白は除梗せず、赤は「ルイ」を除き100%除梗。天然酵母のみで発酵

’17ブルゴーニュ オート・コート・ド・ボーヌ ルージュ ヴィエイユ・ヴィーニュ ロンド¥4.100- 
(フルボディ)創業以来ベルジュレ家に代々受け継がれてきたノレ村の優良区画「ロンド」(家族間の愛称名)より。0.45ha。樹齢約65年のVV。ステンレスタンクでアルコール発酵後、樽でマロラクティック発酵&12ヶ月間熟成。<重厚瓶>
マルトノ・マラール
「ブルゴーニュのヴィニュロンやクルティエにサン・ロマンのイメージを訊けば、全員が「岩、石、石灰質、ミネラル」と答えます。この村の畑は標高が高く(300~400m)、重厚な岩石基盤に乗った石だらけの急斜面畑であり、大部分は白亜質を含む石灰質土壌です。まさしくミネラリーなワインを造るためにあるようなテロワールなのです」。
「昔のサン・ロマンはミネラルや酸がやや突出して感じられるきらいがありましたが、近年は温暖化のためかぶどうが毎年完熟するようになり、果実味がたっぷりとのるようになりました。「新・サンロマン」とも言うべき今のスタイルでこそ、ミネラルの真の旨味を堪能していただけると思います」(ダミアン・マルトノ)。
 ダミアンの作品は、果実味とミネラルがとりわけ高い次元で両立しています。ぜひ美味しいお料理とともにお召し上がりください。
厳格なリュット・レゾネ栽培(化学肥料と殺虫剤は一切使用しない)天然酵母のみで発酵。白は除梗せず、赤は100%除梗
’19ブルゴーニュ・コート・ドール ブラン¥3.520-
(辛口)ピュリニー・モンラッシェ村内の区画「ロルモー」に0.7ha。樹齢約10年。50%をステンレスタンクで、50%を樽(新樽率25%)で醸造。10ヶ月間熟成。
アラン・エ・ヴァンサン・クルーズフォン
オークセイ・デュレス村に長く続くヴィニュロンの家系
「2001年にドメーヌで働き始めるにあたって、今日から畑が自宅だと思いなさい、と父に言われました。趣味も持たず畑仕事に人生を捧げ、“良いワインは良いぶどうから“を背中で示した父を尊敬しています。畑にいる父は、いつも笑顔で楽しそうでした。父の笑顔と畑。これが僕の心の原風景になっています」(ヴァンサン)。
お父さんとそっくりの、グローブのように分厚く大きな手。彼の思いはぶどう達にこそ伝わり、そして、その純麗な果実の味わい、土壌からたっぷりと吸い上げられたミネラルの旨味などを通じて、飲み手の心にも、確かに伝わってきます。
厳格なリュット・レゾネ栽培。化学肥料、殺虫剤、防腐剤は一切使用しない。除梗しない。天然酵母のみで発酵。ステレンスタンクと樽による醸造。

’20ブルゴーニュ コート・ドール ブラン¥4.290- 
(辛口)ムルソー村内の0.5haの区画より。平均樹齢40年のVV。樽で発酵後、10ヶ月間熟成。
ジェローム・パトリアルシュ
「あらゆるワインを飲んできました。その品質や完成度、美味しさにおいて私が最も優れていると思うのは、1970年代~80年代のブルゴーニュ黄金時代の銘醸です」。
 「ムルソーについて言えば、1990年代に“こってりバター風味”が生まれてスタイルががらりと変わりました。これは、まず酸を得るために未完熟なぶどうを収量上限まで早期収穫し、最大量の補糖をした上で、バトナージュを高頻度で行って樽の風味とコクを得るという一連の醸造技法で、アメリカ市場を中心に一世を風靡しました。近年はこのスタイルへの反省もあって、ムルソーのテロワールの本質であるミネラルを重視したワインが増えてきていますが、「コシュ・デュリ」のラファエル・コシュ等数人を除いて、ほとんどのヴィニュロンが未完熟なぶどうを収穫していることに変わりはありません」。
 「70年代~80年代のムルソーは、ぶどうを完熟させていました。また、厳しい収量制限を徹底していました。そのためワインは豊潤な果実味に満ち溢れ、たっぷりとしたコクがあり、余韻も非常に長いのが特徴でした。私は、このような伝統的なムルソーを造りたいのです。それは、ガブ飲みするためのワインではなく、一杯のグラスをじっくりと味わいたいと思うワインです。少なくともブルゴーニュワインの世界では、「伝統的」は「古臭い」という意味ではありません。当時の「DRC」や「アンリ・ジャイエ」、「ポルシュレ」や「コシュ・デュリ」等の作品を飲んで、スタイルが古臭いと思う人がいるでしょうか」。
 「ぶどうを完熟させるためにはまず、光合成をしっかり行う必要があります。葉の緑素が濃いほど光合成が進むので、このために敢えてビオロジック栽培ではなくリュット・レゾネを選択しています。また、除葉に注力し、一枚一枚の葉にしっかりと日光が当たるようにします。そして、グリーン・ハーヴェストを適切に実施して収量を制限します。収穫は、村で最も遅く開始する数人のうちのひとりです。次に醸造については、原則としてバトナージュをしないことによって十分な酸とミネラルが残ります。樽熟成期間も非常に重要ですが、固定観念を排し、私が美味しいと思った時にビン詰めします」。
2010年より厳格なリュット・レゾネ栽培。化学肥料、除草剤、殺虫剤、防腐剤は原則として一切使用しない。除梗しない。天然酵母のみで発酵。原則としてバトナージュは行わない

’19 ブルゴーニュ アリゴテ¥3.190-
(辛口)ムルソー村内の区画「ル・ポント」に1.7ha。樹齢約45年のVV。収量は60hl/ha。樽で発酵後、18ヶ月熟成(新樽は使用しない)。
ヴーヴ・アンバル
クレマン・ド・ブルゴーニュの王者による、タストヴィナージュ・クレマン
「ヴーヴ・アンバル」自体はクレマン・ド・ブルゴーニュ専業で、このAOCの年間総生産本数の40%を占める最大生産者です。
 約200軒の契約栽培家からぶどうまたは果汁での買い付けも行っていますが、「シャブリ&オーセロワ」、「コート・ド・ニュイ」、「コート・ド・ボーヌ」の各地区に合計240ヘクタールもの自社畑を所有しており、テロワールの大きく異なる産地からのぶどうをすべてブレンドすることによって、複雑極まりない味わいのクレマンを造り出しています。
2005年にはモンタニー・レ・ボーヌ村に最新鋭の醸造所を新築。環境マネージメントシステム規格「ISO14001」や、世界最大の食品検査機関「Eurofins」が統括する安全性・品質規格「IFS」などの認証を受けた品質管理体制の下、醸造長ジャン・ピエール・ドゥパキ率いる7人の醸造チームによって、最高レベルの醸造が行われています。

NVクレマン・ド・ブルゴーニュ ブリュット ロゼ タストヴィナージュ¥3.630-
(辛口)シャルドネ39%、アリゴテ22%、ガメイ20%、ピノ・ノワール19%のブレンドによるアサンブラージュ・ロゼ。18ヶ月間ビン熟成。ドザージュは10g/l。
ヴァンサン・ルグー
 「元DRC」、第三章――。元DRC社のエースによる新ドメーヌ。栽培も醸造も、原則DRC社と同じです
 アンリ・オーディフレッドがロマネ・コンティとラ・ターシュの栽培を担当していた頃、主にグラン・エシェゾーとエシェゾーの栽培を担当していた同僚の名を、ヴァンサン・ルグーといいました。
 いずれも生涯にわたってDRC社に勤務した祖父ジェラルド、父ジャッキーに続き、1998年に丁稚としてDRC社入りした彼は、栽培から醸造、熟成、出荷まで幅広く従事した後に正社員となり、オーディフレッドと並ぶ若手のエースとして、グレート・ヴィンテージ2005年のぶどう栽培などを全うしました。「栽培も醸造も、除梗率や新樽率などを除いて、基本的にはDRCでやってきたことをそのまま行っています。最も大事なことは、observation(オプセルヴァシオン/観察)。すべてにおいて、自分の目で見て確認するということです」。
 理想とするワインは、「エキスがたっぷりと抽出されていて、かつ、濃くなく上品なワインです」(以上、ヴァンサン・ルグー)。
 尚、親子3代にわたって勤めたDRC社との人的関係は今も深く、独立後しばらくは、同社オーナーのオベール・ド・ヴィレーヌ、および醸造長ベルナール・ノブレの両氏も連れ立って彼のドメーヌを試飲に訪れ、「価値ある助言」をしてくれたそうです。

’20 ブルゴーニュ ルージュ¥4.180-
すべて「AOCオート・コート・ド・ニュイ」のデクラセによるブルゴーニュ・ルージュです。地元コンクール村内の Fin de Pré より。1.75ha。樹齢約30年。70%を2~4回使用樽で、30%をステンレスタンクで12ヵ月間熟成。