ルー・デュモン

仲田晃司。大学生時代にアルバイト先のフレンチレストランでワインに出会い、「いつか自分の手でワインを造ってみたい」という夢を抱いた青年は、1995年、頼るつてもなく単身渡仏。フランス語の勉強をしながら各地の醸造家の門を叩いて修行を重ね、2000年7月7日、ブルゴーニュの地にルー・デュモンを設立しました。
 仲田さんのワイン造りを特徴付けているのは、まさしく日本人職人的と言うべき、周りがあきれるほど細部まで徹底的にこだわる仕事への執念です。仕込むワインのテロワールや個性を研究し尽くした上で、樽の選定眼や熟成方法を駆使してワインを磨き上げます。
 2003年5月、在りし日のアンリ・ジャイエ翁より「自分自身のアイデンティティをワインに表現せよ」との薫陶を受け、「日本人であるということ」「自然と人間に対する真摯な尊敬の念」の象徴として、「天・地・人」が生まれました。
 「ワインを通じてアジアの架け橋になれればと願っています」という仲田さん。現在ルー・デュモンのワインは、日本、韓国、台湾、中国、シンガポールといったアジア諸国を中心に販売されています。
 2008年8月、ジュヴレ・シャンベルタン村に念願の自社カーヴを取得しました。

<「Bourgogne Blanc Cuvee Famille」および「Gevrey-Chambertin Cuvee Nature」のラベルを手がけた、版画家・宮崎敬介氏(写真左下、スタジオジブリにて)のプロフィール>
 1970年、東京都生まれ。1991年に武蔵野美術大学在学中に独学で木口木版画を始める。南青山のピンポイントギャラリーを中心に木口木版画展を行うなど、自身の個展で木口木版画作品や切画作品を精力的に発表している。また、三鷹の森ジブリ美術館の展示物「びっくり劇場」のペン画や、同館オリジナルポストカード制作も好評を博している。
★ 公式インスタグラムはコチラ→ https://www.instagram.com/engraving_kei/

ルー・デュモン(「スタジオジブリ」コラボレーション)

◆「スタジオジブリ」と「ルー・デュモン」のスペシャル・コラボレーションスタジオジブリのプロデューサーであり、書家としても活躍中の鈴木敏夫氏が、ルー・デュモンのワインラベルを手がけました。ラベルの「天地人」「Pinot Noir」「Chardonnay」「紅の豚」の文字は、鈴木氏愛用の熊野筆にて書き下ろし。
 そしてラベル右下の落款は、アニメーション映画監督・宮崎駿氏によるデザインです。
 ワインは、仲田さんの友人が醸造長を務めるブルゴーニュのネゴシアンが造った、南仏(IGP Pays d’Oc)産の作品からのタンクセレクションです。
 4つの貴品種をブレンドした「紅の豚」は、バランスが良く複雑な味わいが特徴です」(仲田さん)。

'18 天地人 紅の豚 ¥2.530ー

(ミディアムボディ) 2018年1月に鈴木氏のアトリエにて収録されたラジオ番組「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」に仲田さんが出演した折、映画「紅の豚」の大ファンである仲田さんのために、鈴木氏が特別に書き下ろした書をラベルにしたものです。IGP Pays d’Oc。標高500メートルの粘土石灰質土壌の畑より。平均樹齢20年。 フランス ラングドック・ルーション IGPペイドック メルロー70%、シラー20%、カベルネ・ソーヴィニヨン6%、カベルネ・フラン4%のブレンド。標高500メートルの粘土石灰質土壌の畑 13.0% ステンレスタンクで発酵後、約半年間熟成。

◆醸造家仲田晃司
◆掲載実績のある海外メディア「Guide Hachette」、「La Revue du Vin de France」、「Bourgogne Aujourd'hui」、「Vins et Sante」、「Gilbert & Gaillard」、「Decanter」、「New York Times」、「Wine Spectator」等
◆参照できる日本のメディア「リアルワインガイド ブルゴーニュ」(堀晶代著)P143


<パストゥグラン キュヴェ・タガミについて>
 湯島と上野で焼き鳥屋を運営されている田上浩司さんと仲田さんとの出会いは、1991年にさかのぼります。上京した仲田さんがアルバイトの門を叩いた上野のフレンチレストラン「ペペ・ル・モコ」で、料理を担当していたのが田上さんでした。共にフランスに憧れ、フランス語やワインの勉強に励んだ同志であり、また、渡仏する決心をした仲田さんを物心両面で支えてくれた、兄貴分のような存在でした。
 1995年、叔父さんの後を継ぐ形で上野池之端に「やきとり たがみ」を開業されてからも、仲田さんは一時帰国する度に訪れ、美味しい焼き鳥に舌鼓を打ちながら、旧交を温めてきました。また、2011年10月には、文京区湯島に2号店「とりひろ」を開店されています。
 (味にかなりうるさい弊社女性スタッフ陣一同も、「ああおいしい・・・」とため息をついていました)。
 2006年、「僕の焼き鳥にぴったり合うワインをつくってもらえないか」という田上さんからのリクエストを受けた仲田さんは、「何百本と食べた彼の焼き鳥の味をイメージしながら、また、焼き鳥のたれとワインの酸味の相性を考えながら」、果皮浸漬期間を短くしたり、カーヴの最もひんやりした場所で熟成させるなどして独自に鮮度感を高めた「パストゥグラン キュヴェ・タガミ」を完成させ、以降今日まで、田上さんのお店のみで供されてきたものです。  
 「お酒はあまり強くないんです」という田上さんも焼き鳥との相性について太鼓判を押すこの作品を、より多くの方に味わっていただきたいという思いで、田上さん、仲田さん、弊社が一致し、2009年ヴィンテージから、パストゥグランの全量をこのキュヴェにして、広くご紹介するはこびとなりました。

'18 ブルゴーニュ パストゥグラン キュヴェ・タガミ ¥3.300ー
透明感のある色調に、チェリーやイチゴなど赤系果実の上品でチャーミングな香りが広がります。 口に含むと、綺麗な酸味を伴った甘やかな果実味が心地よく感じられます。焼き鳥のたれとワインの酸味、果実味との絶妙な相性を愉しむことができる1本です。
畑はニュイ・サン・ジョルジュ村内。ピノノワール(平均樹齢30年)80%、ガメイ(樹齢50年以上のVV)20%。収穫量30hl/ha。天然酵母のみで発酵。すべてカヴァン社製ジュピーユ森産で新樽20%、1〜3回使用樽80%で18ヶ月間樽熟成。ノンフィルターでビン詰め。