仲田さんのボージョレイの近況報告です。

 年並みの冬の後、今日まで、安定して気温が上昇してきました。

4月に発生しやすい霜害もほとんどなく、また、1月から5月まで乾燥した気候が続いたためカビなども発生せず、非常に健全な状態で、例年より3週間ほど早い5月上旬に開花を迎えました。

 6月も晴天続きで、乾燥による水不足が心配されはじめましたが、必要な時に必要な量、まさしく恵みの雨が降りました。

病害もなく、雹も降らず、完璧な6月となりました。

高台区画ゆえの開花時の昼夜の温度差によって、今年もクリュール(花ぶるい)が多く発生し、大部分のぶどうがミルランダージュ(非常に凝縮した小粒のぶどう)になりました。

 私は2006年から公式にヌーヴォーを造りはじめたのですが、7月上旬の現時点までで言えば、今年は2015年や2019年はもちろんのこと、過去最高だった2020年ヴィンテージをも凌駕する、「神がかった年」です。

 1ヶ月半後の収穫までこのまま理想的に推移すれば、私の過去17ヴィンテージの中で最高品質のワインになるのはもちろん、ボージョレ全体でも、「過去100年間で最良のヴィンテージ」を「上書き」することになると思います。

 開花日から計算した収穫開始予定日は8月25日頃ですが、私は10日ほど遅らせて、9月3日頃の収穫開始を予定しています。

「ガメイは、完熟が命」ですので。

2022年7月11日メゾン・ルー・デュモン仲田晃司

 7月も晴天に恵まれました。

ただ雨が降らなかったため水不足となり、根に近い辺りの葉っぱが黄色くなったり、ぶどうの成熟が遅くなったりといった影響が見られました。

また、連日30度を超し、38度まで上昇した日もあったため、一部干からびてしまうぶどうも出ました。

8月に入ってからも同様の天候でしたが、先週今週とまとまった雨が降り、水不足は解消されました。

この週末に撮影した畑の画像をお送りします。ご覧の通り、葉もぶどうも本当に健康で、素晴らしい状態です。

 開花日から計算した当初の収穫予定日よりも1週間ほど早い、8月17日に収穫が解禁となり、標高の低い平地では収穫がはじまっております。

私は9月3日頃の収穫を予定しておりましたが、逆にさらに遅らせて、9月8日頃を予定しております。

前回のレポートでお伝えしました通り、今年は歴史的なグレードヴィンテージになりそうですので、一切妥協せず、ぶどうの「最高度」の完熟を待つことにいたしました。

 収獲が完了し醸造が一段落しましたら、またご報告申し上げます。

 2022年8月22日メゾン・ルー・デュモン仲田晃司

8月末まで快晴が続き、また必要な時に雨が降り、最後まで素晴らしい天候に恵まれました。

ぶどうが理想的に完熟したため、当初の予定通り9月2日と3日に収穫を行いました。

手摘み収穫時、運搬前、発酵前の3回にわたって選果を行い、完璧なぶどうを厳選しました。

収穫時の潜在アルコール度数も12.5度を越え、酸とのバランスも理想的でした。

予定通り、Lou Dumont (オレンジラベル)の「2020年ヴィンテージの赤ワインのすべてのAOP」の熟成に使用した樽で熟成させました。樽熟成中の写真を添付いたします。

 グレートヴィンテージとは、豊かな果実味がのっており、各要素のバランスが高次元で絶妙に均衡している年であると考えますが、今年はまさしくグレートヴィンテージとなりました。

加えて、ボージョレらしい華やかな香りも全開となっております。

新酒のお祝いとしてすぐにお飲みいただいても、少し寝かせてからお飲みいただいても、きっと美味しく召し上がっていただけると思います。

ご注文をくださいましたすべてのお客様に、心よりお礼申し上げます。

私のヌーヴォーが少しでも、日本の皆様の幸せな時間のお伴になれましたら本当に嬉しく存じます。

 2022年10月19日メゾン・ルー・デュモン仲田晃司