ブドウの完熟をギリギリまでまって造られる仲田さん渾身のヌーヴォー!
仲田さんからの最終レポートをお送りいたします。
8月末から収穫開始日まで、まとまった雨もなく晴天に恵まれました!
予定通り9月20日と21日の2日間にわたって、快晴の中収穫を行ないました。
今年は春から天候不順が続き難易度の高い年でしたが、
やはり高台にある私たちの契約区画に年中吹き込んでくる風に救われました。
多湿によるミルデューなどの病害は一切なく、
ぶどうも葉も本当にきれいな状態で収穫を終えることができ、
胸をなでおろしました。
収穫時の潜在アルコール度数は12度を越え、酸とのバランスも良く、
私として心から納得がゆく素晴らしいぶどうを収穫することができました。
さらに、手摘み収穫時、運搬前、発酵前の3回にわたって選果を行い、
完璧なぶどうのみを選び抜きました。
まだワインは発酵途中ですが、グレートヴィンテージであった昨年に続いて、
果実味、酸、コクのバランスが高い次元で均衡しているヴィンテージになると
予想しております。ほとんどのぶどうがミルランダージュであることが非常に大きいです。
2020年のような凝縮したスタイルではなく、ある意味本来のボージョレらしい、
華やかな風味と豊かな果実味を特徴とするワインができると思います。
新酒のお祝いとしてすぐにお飲みいただいても、少し寝かせてからお飲みいただいても、
きっと美味しく召し上がっていただけると思います。
ご注文をくださいましたすべてのお客様に、心よりお礼申し上げます。
私のヌーヴォーが少しでも、日本の皆様の幸せな時間のお伴になれましたら本当に嬉しく存じます。
2024年10月2日
メゾン・ルー・デュモン
仲田晃司
2024ルー デュモン / ボージョレー ヌーボー \5.280-を¥4.500-
★シスト表土で花崗岩質と砂質土壌。樹齢約70~95年のVV
★実質ビオロジックのリュット・レゾネ栽培
★収量約50hl/ha。手摘み収穫時、運搬前、発酵前の3回選果
★セメントタンクにて6日間のマセラシオン・カルボニック
★シャサン社製「グラン・ファン」等の樽で熟成の予定
★澱引き時に粗目の珪藻土フィルターを使用
★ノンフィルターでの瓶詰め時に、最小限のSO2を添加
日々情熱をもって朝早くから夜中まで仕事に励んだ仲田氏。日本人の特長でもある繊細さと丁寧な仕事がある時、フランスの有名醸造家の目にとまります。
「ブルゴーニュの神様」アンリ・ジャイエ
フランスのワイン界では知らない人はいない名醸造家です。ジャイエ氏は仲田氏のワインを大絶賛し「日本人が作るブルゴーニュ」から一気に「神様が認めたブルゴーニュ」の名声を手に入れます。ジャイエ氏は『日本人らしい繊細さと細やかな仕事』を評価したそうです。
【クリュールによるミルランダージュについて】
ブドウの芽が出る時期や受粉するタイミングが天候によってずれることを「クリュール」と言います。このズレにより、一部の果実は早く育ちますが、後から育つ果実には十分な成長スペースがなくなり、小さなままで熟してしまいます。その結果、大きな粒と小さな粒が混ざった房(ミルランダージュ)ができます。
このような房には小粒が多く、果汁に対する皮の量が増えます。皮が多いと、紫外線から果実の中身(果肉や種子)を守るために厚みが増し、タンニンが多くなります。タンニンはワインの風味を豊かにするだけでなく、抗酸化作用によってワインをゆっくり熟成させる役割も持ちます。
また、ブドウの果実が小さいと、養分がより濃縮されるため、ミネラルも多く含まれます。これは収穫量を抑えて質を高める効果と似ています。
良いことが多いように見えますが、果汁の量が減るため、ワインの生産量も減り、価格が上がることもあります。それでも仲田さんは、日本の消費者が手頃な価格で美味しいワインを楽しめるよう、品質を追求しながら可能な限り価格を抑えています。
ルー・デュモンのボージョレ・ヌーヴォーが、今年で19年目のリリースを迎えます。ブドウ畑は「サン・ヴェラン」村近郊にあり、樹齢70~95年の古木から選ばれた10の区画で栽培されています。
「ガメイ種のブドウは、完熟させることで本来の良さが発揮されます。そのためには、古い樹齢のブドウが不可欠です」と、仲田さんは信念を持っています。また、この畑は標高400メートルと高地にあるため、ゆっくりと熟成が進みます。通常、収穫時期は9月10日頃ですが、仲田さんはさらに約5日待ち、ブドウが完全に熟すのを見届けるつもりです。
今年は低温と多雨が続きましたが、高地で風通しが良い畑のため、状態は良好です。開花期の低温により例年にないクリュール(花ぶるい)が発生し、多くのブドウが小粒で凝縮されたミルランダージュになっています。今後の天候次第では、濃厚で素晴らしい品質のヌーヴォーに仕上がるでしょう。
「年に一度の特別なお祝いのために」ー仲田さんは、現代美術家ジェラール・ピュヴィスによる特製ラベルや、重厚な「レジェンド・アンティーク」ボトルなど、パッケージデザインにもこだわっています。