ボルドー2013年に関する情報

既にご存知かもしれませんが先々週からボルドーのプリムール2013について様々な記事が発信されています。

<2013年ボルドー概況>
全体としては、2013年の生産量は2012年より30%減少し1991年以来最低の収穫量。プリムール価格は昨年より若干安めの傾向。

出来は悪天候のため難しく、2007年と比較している記事が多い。
全体としては2007年に似ている、もしくはやや上の仕上がりの模様。

一番の特徴は<メルローの栽培に苦戦>したこと。

一方、白と甘口は良いヴィンテージ。ソーテルヌは高得点連発。

赤は10年以内に飲まれる早のみヴィンテージとなる(オリヴィエ・ベルナール氏)とされている。

以上が大雑把な情報です。

ワイン誌のコメントもご案内します。

@デカンター誌情報(2014.04.07掲載):
メルローの品質が瀕死の状態のため偉大なワインの醸造に影響が出た。シャトー・マルゴーは99%カベルネ・ソーヴィニョン、ピション・ロングヴィルはメルローを使用せず、パルメはメルロー5%のみ(通常49%)で醸造された。これらは以前にはなかったこと。2013の問題は質ではなく量だ。

メドックの2013年ヴィンテージについて一般化して言うことは難しいが、ワーストはマルゴー、ベストはサンテステフ。ポイヤックとサン・ジュリアンはぼちぼちで、カベルネ・ソーヴィニヨンの割合が高い。

Aミシェル・ベタンヌ:『2013年はメドックで(天候による)不均等が明確に現れているヴィンテージ。』(テール・ド・ヴァン 2014.04.06掲載)

南メドックは北メドックより悪天候の影響を受けた。サンテステフは10月4日の雷雨を免れたため良い水準である。※ベタンヌのお気に入りはシャトー・カロン・セギュール

『さらに南ではメルローの栽培に苦しみ、1級にカベルネの割合が多いことも納得がいく。』『ポンテ・カネは非常においしいが非常に高い。コスパを考えればグラン・ピュイ・デュカスやグラン・ピュイ・ラコストをお勧めする』

サン・ジュリアンは『とても均質で、非常に美味しいワイン達が発見できた。レオヴィル・ラスカーズは見事。レオヴィル・バルトン、デュクリュ・ボーカイユ、グリュオー・ラローズ、レオヴィル・ポワフェレも非常に成功している。』

マルゴー、オー・メドックは『2013年の質はバラつきがある。』

Bミシェル・ロラン:『2013年は楽しみなヴィンテージ』(リュヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス2014.04.03掲載)

ミシェル・ロランは、難しい天候条件で作られた2013年物は技術の進歩により救われたと評価。『2013年は確かに偉大なヴィンテージではないが、楽しみなヴィンテージ。
ヴィンテージを考えれば品質は妥当だ。3〜4年後に、2002や2007がそうであったように、2013年は驚くべきヴィンテージだと言われるだろう。』
同じように難しかった1992年当時は、グリーンハーヴェストや除葉の技術が乏しく、熟れたブドウを収穫するために区画を二分することもしていなかった。

Cワイン・スペクテーター(2014.04.01掲載)
プリムール2013の試飲の点数結果 (リリースしたら再度試飲の上、最終的な点数が付け直されます)。

91〜94点(これがWS誌の今回の赤の最高点)を取ったワインシュヴァル・ブラン ,フィジャックBELAIR MONANGE(サンテミリオン)オーブリオン赤 ,ラスカーズ,ムートン
辛口白は92〜95点が多くソーテルヌは94〜97点のスコアを付けられたワイン多し。

D『2013プリムール:右岸』(ザ・ドリンクス・ビジネス2014.04.03掲載)
夏と秋にボトリティス菌が畑を襲いメルローが苦しんだ。カビに対抗してデリケートなブドウを守る努力の甲斐あり、中期的には香りが良く甘くシルキーなワインが造られた。
オーゾンヌ、エグリーズ・クリネ、ヴァランドローなどいくつかのワインメーカーは、果実味豊かでしなやかなワインを造った。
不運にも他のワインではタンニンが粗く、攻撃的なものも見られ、最低限の果実味の凝縮感しか得られていないものもあった。

以上です。

1991年以来の最低水準の生産量だという点です。91年物と言えば、市場からあっという間になくなった懐かしい記憶があります。
今では入手が極端に難しいヴィンテージになりました。
(91年に比べれば、82年とか90年等の優良ヴィンテージのほうが今でも遥かに入手しやすいですね)

2013年ボルドー赤も意外と早く「幻のワイン」になるかもしれません.